意識、どんどん下げてこう。by ナリくん

【ナリ心理学ナリくん】アラサーの“終活”? 「あなたはいつ死にますか?」byナリくん

月間400万PVのAmebaオフィシャルブロガー、公式line@のフォロワーは約28,000人。心理学や哲学について、笑いを交えながら教えてくれる「ナリ心理学」ナリくんのエッセイ&お悩み相談です。無理して「意識高い系」でいようとするより、今までとはちょっと違った見方、していきませんか。毎週木曜更新です。

●意識、どんどん下げてこう。by ナリくん14

昔話から始めていいですか?
僕の友だちに沖縄から上京してきたRくんという男の子がいます。彼との出会いは僕が23歳のころ、江戸川区にあるシェアハウスに引っ越したとき、偶然同じ部屋に住むことになったことがきっかけです。

見た目は、身長170センチで体重85キロほどの、少しぽっちゃりした、普通の男の子でした。ただ中身はすごかったです。まず何よりもびっくりしたのが、彼の性癖です。だって、大好物が「友だちのお母さん」なんですもん。

「大好物が、友だちのお母さん」って文章を僕は生まれて初めて書きましたよ。そしてもう二度と書くこともないでしょうが(笑)。そう、Rくんはものすごく年上の女性が好きなのです。熟女ですね。それも、自分のお母さん世代。当時Rくんは僕の一個上の24歳でしたので、だいたいお母さん世代は、50~60歳くらいですかね。

「自分の欲望」にとことん忠実だった理由は?

「大好物は、友だちのお母さん」という珍しい性癖を持ってるため、Rくんは実際、何人もの友だちに嫌われていました(笑)。

「友だちのお母さんと付き合ってたら、その友だちに絶交されたよー」とRくんが笑いながら言うのを初めて聞いたとき、あ、お母さんと友だちが付き合ったら、人間ってそんな反応するんだ!と少し勉強になった。

Rくんは、友だちの家に遊びに行くと(なぜか)すぐそこのお母さんと仲良くなってしまうらしいのです(なにが「なぜか」やねん。狙っとるやないか)。

そこから、Rくんは出身地・沖縄仕込みの「なんくるないさー」を武器に、お母さんに迫るわけです。そして、ことが終わると、それを友だちに告げることで、嫌われるわけです(笑)。

Rくんは、高校時代から当時付き合ってた彼女を「木に吊るしてた」とも僕に話してくれました。「彼女を木に吊るしてた」の意味が全くわからなかったのですが、詳しく聞いたらいけないのかと思い、それ以上は聞けなかったです。

今日、僕がRくんの話をしたのは、なぜ、Rくんがここまで思い切って自分の欲望に忠実に生きてるのか?を伝えたかったからです。

Rくんには、ある口癖がありました。それが、「おれ、30歳になったら死ぬから」です。正直、当時は若気の至りでそーゆーこと言うよな!くらいにしから思っていなかったのですが、僕が心理学を学び心のことを仕事にするようになってから、この「30歳になったら死ぬ」という言葉の本当の意味と、効果がわかってきたように思います。それは、、

人は死を意識すると、生が輝きだす

30歳で死ぬって、仮定したら貯金とかする必要ないですし、無駄にする時間もない。やりたくないことやる必要もなければ、我慢する必要もない。Rくん的にはあと6年楽しみながら、死ぬだけです。あと6年間。なんか、いろんなことが「はっきり」してくるのかもしれません。

終わりがわかってると、それまでの過程が明確になる。

例えば仮に「日本人は75歳で全員安楽死すること」みたいな法案が通ったとき。それを15歳くらいから、知ってたら「あと、60年か」と終わりと、それまでの長さがはっきりしますよね。「老後のために貯金」とかなくなるわけですし、笑。(「老後」って本当に曖昧な単語ですよね)だったら、75歳まで健康でいよう。とも思えるかもしれない。

僕は今29歳なので、あと51年後に死ぬ予定ってよく考えます。2079年が僕の没年。あぁ、あと51年か……と思うと。クリスマスがあと51回。お盆も51回。いろんなことが、数字になるので、人生の選択がはっきりくっきりなるんですわね。

「自分に正直に生きない」というのは、自分に正直に生きる機会を捨てているってことがわかってくる。「老後」みたいな曖昧な言葉は、「私は永遠に生きる」「私は死なない」と同じだと思うんですよ。

Rくんはあと6年で死ぬ。きっと、その流れで、「よし!友だちのお母さんいってみよー!」なんでしょうね。

ちなみに僕が29歳ということは、Rくんは今30歳です。さて、Rくんは生きてるのでしょうか(長いこと会ってないためわからない)。

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フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。