古谷有美さん×テリング編集長対談
突撃インタビューで、リアルな女性たちの思いを届ける
中釜由起子(以下、中釜) telling,は、25歳〜34歳のミレニアル女性向けに生き方を伝えるWEBメディアとしてオープンしました。この世代の女性って、結婚や子どももつかどうか、仕事はどうするかなど揺れ悩む世代。女性の数だけ生き方があることを伝えるために、有名無名にかかわらず、等身大女性の一人一人の物語を「Story」――インタビュー記事で届けています。リアルな生き方を伝えるために、全国各地、海外でも、記事は街頭で突撃インタビューをしてつくっています。
古谷有美(以下、古谷) 最初に街頭インタビューだと聞いて、すごく驚きました。街なかで「すみません」と声をかけて、答えてくれるんですか。テレビでも街頭インタビューって断られてしまうことが多いので、「女性は自分の話を聞いてほしい部分があるんだなぁ」と、このサイトに関わるようになって思いました。
中釜 意外なほど、皆さん応じてくださいます。30代前後の女性はライフステージが大きく変わるので、将来のことを悩んでいたり、「こう生きなきゃいけない」という見えない枠に当てはめられて苦しい、生きづらいという面があるのかなと思うんです。そういうモヤモヤした思いを改めて話す機会ってあまりないし、そういう言葉に共感してくださる女性が増えるといいなと思っています。
今まで言葉に出して言えなかった思いを肯定する
中釜この、のんさんへのインタビューの「へたくそでもいい」という記事や、「子どもを産まない」選択をしたことを明かしたライターさんの記事がすごく読まれたんですよ。
古谷 「へたでもいい」は本人が自然とお話されたんですか?
中釜 そうです。どの方にも「一番言いたいことを喋ってください」という形でインタビューをしているので。のんさんの場合、個人事務所の社長としていろんな人と仕事をする面、アーティストや舞台、歌手など活動の幅を広げて、「下手でもいいから挑戦していきたい」という思いとインタビューの時期が重なって、「こんな内面を持っているのか」という共感のコメントが多く寄せられました。
古谷 telling,が興味深いのは、のんさんも一般の人も、同じ記事で同じ撮影で取り上げられているところ。長澤まさみさんと一緒のページに載ってる、というのが嬉しいかも。

中釜 有名でも無名でも、みんないろんな思いを持ちながら一生懸命生きているよ、ということが伝えられたらいいなと思っているんです。記事に出ていただく方々は、必ずしも全員がバラ色の人生を歩んでいるわけではない。あぶり出された悩みに新聞社が取材して、解決方法、サービスをセットで紹介して、ヒントを示すようにしています。
古谷さんには、telling,の中で、こんな素敵なイラストや文章を毎週寄稿していただいます。女子アナって、「女性らしさ」を求められたり、「30歳定年説」があったり、「こうあるべき」論がたくさんある職業じゃないかなと思う。その中で、従来の女子アナの枠を超えて、イラストを描いてインスタグラムで発信していらして、自分の軸の作り方がお上手だなということで、オファーさせていただきました。こんなにすてきな絵を描かれていて、なのに、絵の勉強はしてらっしゃらないんですよね。

古谷 独学ですね。telling,さんの連載では、一般の方や著名な方のコラムを読んでそこからインスピレーションもらって、そこからイメージ沸いた女性像を描いています。
私はたまたま表現手法が絵というだけで、tellingに出てくる女性はいろんなかたちで自分を表現している。全部人ごととは思えないんです。

「自分もこういうときあったな」とか、「こんなふうに生きてる女性もいるんだな」って。スマホで、ニュースやいろんな情報はピックアップ出来ると思いますけど、telling,の場合は少し違って、砂時計に少しずつ貯めていくイメージです。一息ついて読んでもらえるサイトがあっていいかなって。そんなふうに大きくなっていってほしいし、今もそんな雰囲気があるサイトだなと思います。
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