鈴木仁さん、ドラマ「ギヴン」に主演 「誰かを目指すのではなく、自分であり続けたい」

バンドメンバー4人の恋愛や成長を描くドラマ「ギヴン」がFODで7月17日0時から配信されます。主役の上ノ山立夏(うえのやま・りつか)を演じるのはモデルや俳優として活動している鈴木仁さん。今作への思いや、コロナ禍の暮らしなどについてお話を聞きました。

「体を動かすことがとにかく好き」 自粛期間には縄跳びも

――演じるのは卓越したギターの腕前の高校生・立夏です。ご自身との共通点はありましたか。

鈴木仁: だるそうに歩いたり、眠そうにしていたり、寝ていたり、一人ボケッといたりする感じの学校でのシーンは大体、自分そのものでしたね。
一方、高校生のレベルを超えてギターが上手い立夏は、自分のレベルと合う人と出会えずイラッとしたり、されたりする。そういう苦労は僕自身は無かったです。

――音楽とは縁遠い?

鈴木: 楽器の練習とかはどちらかと言えばサボっていた方ですね。小学校のときはダンスもしていましたが、幼稚園から高校まではずっとサッカー漬け。そして高校2年の終わりからモデルを始めました。
ちなみに体を動かすことがとにかく好きで、一回目の自粛期間中にしていたのは縄跳びでした。家族で二重跳びの回数を競ったりして……。

“生まれるものがたくさんあるし、深い関係にもなれる”バンド

――同世代のバンドマン4人の青春群像劇です。撮影の雰囲気はいかがでしたか。

鈴木: 僕も含め4人は同じような空気を持っている感じなので居心地はよかったし、無理なくコミュニケーションは取れていたんじゃないかなと思います。
感じたのはバンドのグルーブ感。サッカーでは1チームに最低11人が必要だし、紅白戦をするためには計2チームの22人が必要。そう考えると少人数でセッションして、奏でて、表現してというバンドは、生まれるものがたくさんあるし、深い関係にもなれると思いましたね。

――人気BLマンガのドラマ化です。原作は読まれましたか。

鈴木: 今回はバンドの役で音楽を聴きたかったので、アニメを見ました。普段アニメはあまり見ないのですが1人1人がキャラ立ちしていて、面白かったですね。
そんな作品の実写化なので、漫画とアニメをリスペクトし、大切にしながら、自分たちでつくり上げました。

「モデルが役者をしているわけでも、その逆でもない」

――同じFODのドラマ「30禁」では松井玲奈さん演じる9歳上の女性に突然、告白して恋愛に落ちる役を好演されました。今回はBL的な恋愛が絡みます。

鈴木: 人に対する感情の構え方が全然違う。自分とかけ離れている部分もあるので、それぞれの役を演じていて面白いし発見になりました。役を経験すると、より自分のことも知れるし、周囲の人への理解も深められると感じています。世界観が広がりましたね。

――先ほど縄跳びの話が出ましたが、コロナ禍の暮らしはいかがですか。

鈴木: 人に会う機会も少なくなっちゃうし、寂しいですよね。あんまりお酒は飲まないのですが、おいしいご飯は友達と行きたいタイプですし。

好きなのは、マスクをして散歩がてらに写真を撮りに行くこと。外の空気を吸いながら、自分のカメラで、太陽を浴びている草や花、動物を撮るんです。それもほとんどはデジタルではなくフィルムで。フィルムは、分からないからこその面白さがある。自分が撮ったときは”いい”と思っていたのに現像したらいまいちで、逆に何げなく撮った写真が、めちゃくちゃ良かったりして。

――俳優としてドラマや映画、舞台と幅広く出演されています。ご自身はモデルより俳優の意識が強いのでしょうか。

鈴木: 俳優とモデルの”どっちでもある”という認識です。モデルが役者をしているわけでも、その逆でもない。モデルであり役者でもあり、そして自分でもあるという点は忘れていません。だから、特定の誰かを目指すのではなく、自分であり続けたいと思っています。尊敬する先輩方の様々な面を取り入れ、身につけつつ、自分に正直にブレずにいたいですね。

――telling,の読者の中には「やりたいことが見つからない」「やりたいことはあるけど、踏み出せない」という人も。

鈴木: なんでもやってみないと分からないですよ。正直な話、事務所に入ったのはオーディションに書類審査がなかったことがきっかけでした。オーディションの会場に行けば全員、面接してもらえるから、という理由で受けたんです。”書類書かなくていいし、とりあえず挑戦”といった感じで。そしたら最後まで残していただけて「今」があるんです。

継続する中で”新しい発見や挑戦を!”

――2021年の下半期の目標を教えてください。

鈴木: これまでしてきたことを継続することがなにより。その中で、新しい発見や挑戦をしていって様々なことを身に付けていきたいと思います。

――改めてドラマ「ギヴン」の見どころを。

鈴木: まずはライブシーンですね。そして作品としては音楽を通してお互いの感情を知れたり、音楽に感情が乗ったりといった様々な表現が出てくるので、楽しんでもらえたら嬉しいです。

●鈴木仁(すずき・じん)さんのプロフィール
1999年7月22日生まれ、東京都出身。2014年、アミューズオーディションフェスでファイナリストになり、16年にメンズノンノモデルオーディション準グランプリを受賞。ドラマ「リバース」(TBS系・17年)で俳優デビュー。「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」(日本テレビ系・19年)、初主演映画「ジオラマボーイ パノラマガール」(20年)への出演で話題を集める。俳優としてドラマや映画、舞台で活躍する一方、メンズノンノ専属モデルも務める。

ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。
カメラマン。1981年新潟生まれ。大学で社会学を学んだのち、写真の道へ。出版社の写真部勤務を経て2009年からフリーランス活動開始。
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