「肌荒れでモチベーションもダウン。忙しく働く女性の支えになりたい」藤井香那さんがパーソナライズサプリブランドを始めたワケ

トリコ株式会社CEOで女性起業家の藤井香那さん(26)。インターネットで美容分析をすることで、一人一人のお客様に合わせてパーソナライズした製品(サプリメントやフェイスマスク)を届ける、パーソナライズビューティーケア「FUJIMI(フジミ)」を運営しています。今回は、藤井さんに、「パーソナライズ」の重要性をうかがいました。
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大切なのは「自分に合ったもの」を選ぶこと

――パーソナライズサプリといえば「FUJIMI」というイメージが美容好きの女性たちの間で定着しつつある気がします。なぜパーソナライズサプリブランドを作ろうと思ったのですか?

藤井香那さん(以下、ふじかな): 創業当初は、プロダクト開発はせずに美容メディアを運営していました。アフィリエイトで広告収入を得ていたのですが、なかなかスケールしないなと思っていて。そもそも、広告で扱う商品があまりにもイケていないことにも、モヤモヤを抱えていました。自信を持って紹介できるような商品がないなら、自分で作ってしまおうと思ったのがきっかけです。

せっかく作るなら、サプリがいいというのは最初から決めていたんです。私自身、身を削って働いてしまうことも多くて、睡眠不足や過労でとんでもなく肌荒れしてしまった経験があります。女性は、肌荒れひとつで、いろいろなことのモチベーションが下がってしまいますよね。そんな時、肌質改善に一役買ってくれたのが、美容好きな友だちに教えてもらったサプリでした。

美容と健康はつながっていて、肌質改善したい時も、人によってはスキンケアだけではダメなんだということを知りました。インナーケアはすごく大事。だから、その人に合ったインナーケアを提案したくて、パーソナライズサプリを作ることにしました。

――ふじかなさん自身も、肌状態や美容のことで悩むこともありますか?

ふじかな: ありますよ!私の場合、友だちにもびっくりされるくらい、向き合っているものにのめり込んでしまうクセがあります。今は、やっぱり仕事。寝る時間や正しい生活習慣をキープすることも忘れて、ひたすら仕事ばかりしてしまいます。それによって、肌状態が悪くなる時も。

だからいつも美容のことに悩まされています。食事に気をつけることも苦手で、忙しいとジャンキーでおいしいものを食べたくなってしまう。今日も朝ごはんはポテチだったし……ダメだと分かっていても、できないことってありますよね。

――そういう時、ふじかなさんはどうやって美容に向き合うのですか?

ふじかな: 私はオタク体質なので、スキンケア商品で気になるものを全部買って試したり、サプリの魅力に気づいた時も、海外通販サイトでサプリを買い漁りました。自分に合うものを探しあてるまで、相当な数のサプリを飲み比べました。

あまりにも詳しくなりすぎて、友人たちからおすすめのサプリやスキンケアアイテムを聞かれるようになりました。まず「あなたはどうなりたいの?」と聞いて、その人に足りていないもの、なりたい像に合わせたものをすすめるように心がけました。そもそも私が美容に向き合ってみて学んだことは、必要なものを摂らないと意味がないということだったので。

――自分の肌状態、生活習慣によって、使うべきスキンケアやサプリは違うということですね。

ふじかな: 食生活や睡眠状態、肌質によって、おすすめできるアイテムは変わってきます。全部によく効く魔法の美容アイテムは残念ながらありません。美容商品は基本的に何でも「この悩みに直結します」とうたっているものばかり。オイル不足、ビタミン不足、水分不足……自分で判断するのは難しいんです。私はそこまで調べ上げましたが、美容に興味はあってもそこまではできない、雑誌やSNSの情報を読んでも、何がいいのか決められないという人も多いと感じています。

――情報も商材も溢れている世の中だから、自分に合ったものを選べるかどうかは大切ですね。でも、何が自分に合っているのか見極めるのはすごく難しいです。

ふじかな: そうなんです。少し前までは、サプリのような美容アイテムに興味を持つ人といえば、美容に対する感度が高い人だけだったけれど、ここ数年はそうではなくなってきています。Instagramなどで手軽に情報を得ることができるようになって、もっと自分に投資したいと考える人が増えました。でも情報が溢れすぎていて、自分では選べないという声も耳にします。自分にぴったりのものを探し当てることは、多くの人にとって「手間をかけずに探したい」というのが理想だと思うのです。

――確かにそうですね。せっかくサプリを買っても効果がわからず飲みきれないこともありますね。

ふじかな: いろいろなサプリを買うとなると、ランニングコストはかかるし、1〜2カ月分届いてしまうのに、効果が出る保証もありません。私自身、自分に合うかもと思っても、飲んでみたらむしろ合わなかった、なんて失敗もたくさんしてきました。

だから「FUJIMI」では、約20問の質問に答えてもらうことで、その人の状態に合わせて、それぞれ配合の異なるFUJIMIオリジナルのサプリメントやフェイスマスクを提供できるようにしています。質問項目もかなり多いので、美容分析結果は2000億通り以上あります。

――悩みの内容も、自分の体調や時期によって変わりますよね。

ふじかな: 冬は乾燥が気になるけれど、マスクの中は蒸れてニキビができてしまう。一方で、夏は紫外線が気になるから、そもそも通年で同じサプリを飲んでいるだけではダメなこともあります。

また、毎日忙しく働いていると、自分の肌の悩みが変わったことに気づかないどころか、季節が変わったことに気づくのも遅くなってしまうこともあります。自分の肌が悲鳴をあげてから「マズイ」と気づく最悪な事態……。本当はそうなる前に、いつも肌をいたわってあげなければいけません。まずは、肌が悲鳴をあげる状態にならないように、土台のスキンケア、インナーケアを整えておくことが大切です。

ズボラな私にとっては、自分に合ったサプリを飲むだけですむのが一番楽なんです。毎日食事に気をつかうことがストレスになるくらいなら、食事で摂れない栄養はサプリで補う方が私には合っていると感じます。

さらに、忙しくて自分自身の変化に気づけないので、定期的に美容分析を行っています。自分で今の調子を判断できない人は、半年に1回くらい「FUJIMI」のパーソナライズ美容分析をしたり、美容のプロに見てもらうのがいいと思います。

その人のその時の状況を正確に分析するために、美容分析の質問内容は社内でも何度も練りました。普段のスキンケア、実際に触った時の質感などを質問していくのですが、実際に肌に触れなくても精度を保てるように、質問はかなり細かくなっています。自分に足りていない成分が結果として表示されるので、「FUJIMI」で手軽に購入するか、ご自身でサプリを探すのもいいですね。

今を生きる私たちの美意識の変化

――美容に興味を持ってサプリを試してみても、なかなか続かないということもあります。

ふじかな: 私も海外通販でサプリを飲んでいた時は、常に10種類30粒以上のサプリを飲んでいました。しかも海外サプリなので、粒サイズも大きめ。そうなると、用意するのも大変だし、持って出かけるのを忘れてしまうことも。飲み忘れが多くなると、結局三日坊主でフェードアウトしてしまいがちです。

サプリ美容で重要なのは、継続すること。身体の中で、必要な成分が吸収され続ける状態が理想です。まずは「飲んでる自分が好き」と思えるか「飲むのが面倒と思わないですむ」という状況を作らないと習慣化はできません。

「FUJIMI」はサプリが続けられない面倒くさがりな私のために作ったサプリでもあるので、美容習慣をつけられなかった人でも飲み続けられる工夫をたくさん詰め込みました。その方に最も必要な成分を5粒を1包にまとめて、個包装することで、持ち運びやすくしています。

ランチの時に取り出しても恥ずかしくないパッケージもこだわりのひとつです。「ゴッソリ出る」とか「毎日健康」みたいなキャッチコピーが書かれているパッケージは私自身がイヤだったので。飲むのが楽しくなれば、毎日続けることの助けになりますよね。

――実際、現代の女性たちにとって「サプリによる美容成分の摂取」って、必要なのでしょうか。

ふじかな: もちろん、自分で毎日気を配れる人なら、サプリがなくても大丈夫だと思います。でも、私自身働く女性として、毎日を忙しく過ごしていると、健康的な食事や生活習慣に気を配れないことも多いのです。毎日の食事が健康的であれば、サプリ摂取はマストではありません。

でも、健康的な食事を摂らなきゃと考えること自体、ストレスだったりもするので。私の場合は、ある程度好きなものを食べつつ、足りないものはサプリで補う習慣の方が気楽です。忙しく働く人、なかなか自炊が続かない人の支えにはなれたらと思っています。

――今は新型コロナで生活習慣が変化した人も多いと思いますが、世の中の女性の美容や健康に関する意識はどう変わっていると感じますか?

ふじかな: 今まで以上に意識高く美容や健康に向き合っている人が多いと思います。「FUJIMI」も、コロナの影響は追い風となっていて、2020年は売上が倍増しました。サプリメントは、美容だけでなく健康にも大きな関わりがあります。

2020年は美容業界全体で見ても、リップやアイシャドウといったプラスオンアイテムより、スキンケアや美容家電など、自分のベースをケアするアイテムが注目されました。サプリも「美と健康の土台を整える」という意味で使っていただいている人が多いように感じます。

すっぴんを鏡で見なくても、自分を知ることができるように

――利用者からはどのような声が届きますか?

ふじかな: 定期便にアンケートはがきを入れているので、直筆のはがきが会社に届くことも。うれしい言葉も多くて、とても励みになっています。お客様のお悩みにコンシェルジュが回答するLINE@には、1日600件ほどのメッセージが届きます。他のサプリとの飲み合わせや、自身の生活習慣を不安に感じる声など多いのですが、できる範囲で回答しています。

――情報が多すぎることで、美容に関しても「自分に落とし込んだとき」の想像がつきづらくなってきていると感じます。私たちはこれから、どうやって自分に合うものを見つけていけばいいのでしょうか。

ふじかな: まずは、自分と似たライフスタイルの人をSNSで見つけてみるといいと思います。ロールモデルが見つかると、選択肢がぐっと狭まって、気持ちが楽になるのではないでしょうか。あと、一番重要なのは「自分の現状を知ること」です。サプリやコスメをひとつ取っても、自分の肌の状態、生活習慣を正しく捉えていないと、自分に合ったものを選ぶことは難しいでしょう。

でも、自分のすっぴんを鏡でまじまじと見るのはけっこうしんどいことですよね。ありのままの自分を受け止めるのは、簡単ではありません。

――自分のキライな部分を見ないために、加工カメラを使って写真を撮ったりしますよね。

ふじかな: 「FUJIMI」ができた当初は、「自分が自分の理解者になる」をコンセプトにしようと思っていました。でも、それはスパルタかもしれないなと。自分のダメなところを直視するのは、自分に自信がある時しかできないことだと思います。

――2021年、女性たちに求められるモノはどんなものだと思いますか。

ふじかな: 美容が好きな人は自分を研究しつくしているけれど、そうではなくても美容に興味を持てる時代が来ていると思います。不安も多い世の中で、安くて簡単、でも効果が高いものが、みんなに求められていきますよね。そういった意味で、通販で簡単に自分に合うかどうかが判断できる、パーソナライズ商材は、今後も注目されていくのではないでしょうか。

――これから作っていきたいもの、やっていきたいことなどはありますか。

ふじかな: パーソナライズ商品は、2021年もいくつかリリースする予定があります。今、店頭でモノを購入しない流れが加速しています。リリース予定のパーソナライズ商品には、分析ツールも取り入れていこうと思っています。

店頭で診断してもらう時は購買を焦ってしまいますが、ネットの分析ツールなら、自分をゆっくり見つめながら必要なものを購入できるはず。商品を比べるのではなく、自分に合うかをゆっくり考えられる商品を作っていきたいです。

1992年生まれ・フリーライター。広告業界で絵に書いたような体育会系営業を経験後、2017年からライター・編集として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿。Twitterでは恋愛相談にも回答しています。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。