「AV女優だった過去は、消そうとも隠そうとも思わない」双子の母となった、蒼井そらさんの覚悟

20代でAV女優として不動の人気を築き、現在は仕事と育児を両立するタレントの蒼井そらさん(36)。6月19日に発売されたフィクション小説『夜が明けたら 蒼井そら』(藤原亜姫著)では、蒼井さんの仕事や恋愛経験を元にした半生が書かれています。小説内で、AV女優として成功した主人公が将来自分の子どもができた時を想像して思い悩むシーンは、蒼井さんの心情と重なると言います。双子の息子が1歳を迎えた今の心情を聞きました。

仕事と育児を両立するコツ

――5月1日に双子の息子さんたちが1歳になりましたね!おめでとうございます。今は新型コロナウィルスの影響で、保育園はお休み中ですか?

蒼井そらさん(以下、蒼井): ありがとうございます。6月から、保育園通いが再開したので、ようやく仕事の時間を取れるようになりました。保育園は4月から通い始めたばかりなのですが、緊急事態宣言が出てしまい、実質3日間しか通えませんでした。育児しながらの在宅勤務は無理でしたね。「スマホすら触れないんだけど!」という感じで、大変でした(笑)。

――お子さんが1日中家にいる中で、原稿を読んだり、チェックしたり、仕事の時間をどのように捻出していたのですか?

蒼井: 何をするにも、子どもたちが寝た後ですね。20時くらいには寝るので、20時半から近くのカフェで打ち合わせをしていました。夜遅くて申し訳なかったのですが、先方に事情を伝えて、理解してもらいました。

保育園に通えなくなった4月からは、夫と子どもの面倒を見る日を分担していました。夫はフリーランスで元々在宅勤務だったので、「月・水・金はよろしく!土日は私が見るから!」と言って、仕事の時間を作っていました。

――初めての子育てだと、何が正解かわからないと思います。離乳食を食べなくなった時期があるとうかがいましたが、子育てにおける悩みをどのように解決していますか?

蒼井: 実は妹が15年間保育士をしていました。昨年、妹が仕事を辞めたタイミングと、私の出産が重なったので、育児の手伝いをしてもらいました。育児における困り事もアドバイスをしてくれるので、一人で悩みを抱えることはありませんでしたね。離乳食を食べなかったときも「食べなくてもいいんだよ」と言ってもらえたことで、安心することができました。

 

双子の育児は、大変という感覚はありません

――蒼井さんはブログをはじめ、育児ノートも毎日欠かさずつけていて、とてもまめですね。

蒼井: ブログは記録になるので、続けていきたいという思いが昔からありました。アメブロ(アメーバブログ)に関しては、1年前に書いた日記のお知らせが届くのですが、過去に書いた内容を読み返すことがあります。例えば、1年前は妊娠していて、2年前は、子どもたちはまだお腹の中にもいなかったんだなという具合にその当時を振り返ることができて、感慨深いですね。

育児ノートの一番の目的は、双子の息子のミルクの記録です。どちらが何時にどれだけの量を飲んだかを、大人が共有するためにつけています。そのページの余白に日記を書いている感じです。

ブログの読者の方に3年日記や5年日記を勧められたので買ってみたのですが、「日記って手書きだと難しい!」ということに気づき、1ページ目で止まっています(笑)

――双子のお子さんを育てられていていかがですか?

蒼井: 二卵性なので、顔も性格も全然違うのですが、最近は二人で遊ぶようになりました。よく口に指を入れてくるのですが、それをお互いし合ってケラケラ笑っているんですよ。動きもシンクロすることがあり、かわいいな、双子っていいな、と思うようになりました。

――子育ては一人でも大変ですが、双子となると、さらに思い通りにならないこともあると思います。どのように自分の気持ちをコントロールしていますか?

蒼井: 子どもが泣くのはしょうがないですし、抱っこは一人ずつしかできません。順番だからあなたは少し待っていてね、と待たせている子は泣いてしまうので心苦しいのですが、「しょうがない!」と潔く諦めることも必要です。

今は二人同時の育児が当たり前。一人だけを育てる経験がないので、あまり大変という感覚はありません。もし、次に出産する機会があったら「一人育児ってめっちゃ楽じゃん」と思うかもしれないですね(笑)。

愛情を持って息子たちと接していきたい

――一人の女性として、妻として、母としての顔があると思います。美容や体のメンテナンスなど、自分に費やす時間は意識的にとっていますか?

蒼井: 夜、子どもたちが寝た後が自分の時間です。入浴は、半身浴しながらスマホを見たり、長くゆっくり湯船に浸かっているのですが、それがリラックスできる自分の時間です。

ステイホーム期間に、コロナ太りをしてしまったので、運動したいですね。以前ジムに通っていたので、再開したいです。ちょうど保育園が再開したので、蒼井そらとして美を追求していきたいです。

――以前、蒼井さんがブログで妊娠の報告をされた時の内容が印象的でした。小説の中ではAV女優の主人公が、将来自分が母親になった時のことを考えて葛藤する場面が書かれています。子どもが1歳になった今、改めて思うことはありますか。

蒼井: 世間の人たちが「AV女優の子どもはかわいそう」と思う気持ちはわかります。AV女優という特殊な仕事をしていた過去は、消そうとも隠そうとも思わないですが、やっぱり直接子どもに向かってしまうのは、申し訳ないという気持ちはあります。

でも、私の母親が私を守ってくれたように、どんな時も子どもたちには愛情を持って接していきたいと考えています。自分と母親のような関係性を息子たちと築くことができたら、私の過去についても、向き合って話ができる子に育ってほしいなと思っています。

――蒼井さんの躍進は止まらないと思うのですが、これからの目標を教えてください。

蒼井: 仕事はやめないですし、一生「蒼井そら」として仕事していきたい気持ちはあります。今はまだコロナ禍で、活動拠点の中国に行けない状況です。世の中が落ち着いたら、中国をはじめ海外にもこの本を持っていきたいですね。『夜が明けたら 蒼井そら』の続きを出版できるぐらい、今後も精力的に活動していきたいです。

 

●蒼井そら(あおい・そら)さんのプロフィール
1983年11月生まれ。東京都出身。2002年6月にグラビアデビューし、グラビア、バラエティ、アダルトビデオ、Vシネマなどで幅広く活動。18年1月に結婚し、現在は双子の母。中国でもタレントとして活動中で、中国版Twitter「Weibo」ではフォロワー数が1900万人を超えている。

『夜が明けたら 蒼井そら』

著者:藤原亜姫

出版社:主婦の友社 価格:1,540円(税込)
※電子版(上巻、下巻、完全版)もあり

同志社大学文学部英文学科卒業。自動車メーカで生産管理、アパレルメーカーで店舗マネジメントを経験後、2015年にライターに転身。現在、週刊誌やウェブメディアなどで取材・執筆中。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。