新型コロナウイルスに対抗! 何度も使いたくなる除菌剤をハンドメイドする
長期戦に必要なもの
新型コロナウイルスがますます怖くなっています。医学者の山中伸弥教授は「1年は続く可能性のある長いマラソン」と表現しました。治療薬は数か月から半年後にできる見通しですが、それはあくまで罹患後の対処法です。WHOによると予防法であるワクチンは開発に1年以上かかるため、それまでは絶対に気を抜けません。
「マスクはいらない?」でまとめたウイルス対策は「口と口を結ぶ線」の断ち切り方でした。感染者の口をマスクで塞ぎ、人と人の距離を離し、汚染された手を洗浄して自身の口への感染ルートを断ち切るイメージです。
新型コロナウイルスにマスクはいらない? ウイルスから人体を守る「3つの防御システム」とは
これからも基本的な対策は変わりません。しかしこのコラムを書いた3月と違うのは、周囲のウイルス濃度が格段に上がったことです。そのため、手がウイルスに汚染される頻度も格段に上がりました。洗っても洗ってもすぐに汚染されるイメージです。
その汚染頻度に対抗できるツールが欲しくなります。それは「消毒液」、エタノールです。どんなに忙しくてもすぐに消毒できる態勢づくりについてまとめます。
コロナウィルスの除菌には「濃度75%以上」
エタノール除菌剤にはスプレータイプとハンドジェルの二種類があります。手軽なのはスプレーです。作るのも小分けも簡単です。
新型コロナウイルスの消毒には濃度75%以上のエタノールが必要とされています。ネット上にも手作りレシピがありますが、濃度50%の古いレシピが多いので注意してください。しかもエタノールは水を混ぜると化学結合的なことがいろいろあって濃度が下がる不思議な成分です。
そのため少し高めの80%を目安にすると安心です。83mLの無水エタノールに20mLの水を足せば77%濃度のエタノール除菌剤が作れます。水は水道水で十分です。100均の小さなスプレーボトルに小分けして携帯しましょう。
手に入れるエタノールですが、消毒用アルコールが3月から手に入りにくくなっています。政府の要請で徐々に生産量が追い付いていますが、まだまだ暴利な商品がありますのでそれは無視してください。1Lで3,000円台や4Lで1万円くらいが適正価格です。
無水エタノール(99%以上)
エタノール(95%)
消毒用エタノール(75~85%)
醸造用アルコール
無水エタノールやエタノールから徐々に流通が復活すると思います。また、酒造メーカーが77%濃度の醸造用アルコール「アルコール77」の発売を開始しました。厚生労働省も高濃度アルコールの消毒用使用可のアナウンスを出しました。濃度の記載がない商品は50%以下ですので買わないようにしてください。
手が荒れにくいハンドジェルのレシピ
エタノールを使いすぎると手の皮脂が取り除かれて荒れてしまいます。頻繁に使えるハンドジェルにするにはグリセリンと増粘剤(カルボマー)を使います。ネット上には増粘剤としてキサンタンガムを使ったレシピが多いですがアルコール濃度を上げると凝集しますのでカルボマーを使ってください。
【レシピ】
無水エタノール83mL、水道水(お湯)20mL、カルボマー0.3g、グリセリン5mL
お好みでエッセンシャルオイルを5滴ほど加えれば、頻繁につけたくなるハンドジェルができます。
【作り方】
道具:ミニクリーマー(ラテ泡立て用の。100均のもので十分)
1.紙コップに80℃ほどのお湯20mLとカルボマー0.3g(小さじ半分)を入れ、クリーマーでよく混ぜます。
2.グリセリン5mLを加えてさらに1分間よく混ぜます。
3.無水エタノール83mLを少しずつ加えながらよく混ぜて完成です。エッセンシャルオイルは最後に加え、100均のポンプボトル(100mL)などに入れてよく振ってください。カルボマーのダマが残りますが数時間後に溶けます。
※使用時には火の元やアレルギーに十分お気を付けください。
※使用期限はエタノールが揮発するため「6ヶ月」を目安にしてください。
※シトラス系のエッセンシャルオイルは光毒性があるので避けてください。
※ポンプボトルはPE製かPP製を選んでください。PET製は劣化します。
消毒用エタノールを塗布すると100万個のウイルスが1分以内に100個以下になり、感染リスクを大幅に抑えられることが分かっています。どうしてもエタノールがそばにない時は石鹸による20秒の洗浄でも同じ効果が期待できます。手についたラメを洗い落とすイメージです。頻繁に手を洗浄して、見えない敵を撃退しましょう。
そしてハンドメイドに慣れたらぜひ試していただきたいのは「手作り化粧水」です。実は今回で化粧水作りの道具がほとんど全て揃っています。あとはヒアルロン酸Naくらい。次回は「洗顔後に防腐剤は禁物!手作り化粧水で理想の肌作り」お届けします。