telling,の取材に応じ笑顔を見せる元乃木坂46の生駒里奈さん

生駒里奈さん「泣いた日々があったからこそ、笑顔をつくる人になりたい」【後編】

5月から主演を務める舞台「-4D-imetor(フォーディメーター)」に臨む生駒里奈さん(24歳)。乃木坂46卒業からもうすぐ2年。インタビュー後編では、今だから語れる卒業決断の理由から、気になる恋愛・結婚感まで、率直に語っていただきました。

「もうこの恵まれた環境に甘えていてはいけない」

――乃木坂46を卒業して、あえて違う世界に飛び込むというのはかなり勇気や決断が必要だったのではないでしょうか。

生駒: とても難しい話になりますが、あのままグループに残るのはみんなと一緒にいられて楽しいし幸せなことですが、自分が乃木坂に対してプラスに出来ることは少ないと思ったんです。

後輩の3期生、4期生が前面に出ていかないと新しい風が循環しないし、グループを引っ張る他のメンバーもいる。あとは、これは一種の甘えなのかもしれないですが、私はグループのデビューシングルでセンターまでやらせていただいていて、もうこれ以上、この恵まれた環境に甘えていてはいけないなって。卒業を考えたときに、最初に思ったのはそれでした。

――とはいえ、環境が大きく変わることに不安はなかったんですか?

生駒: なかったですね。むしろ目の前に課題や高い壁があって、「どうしよう、できない!」っていう状態が楽しいと思えてしまうので。これまでのグループでの経験が濃かったので、そういう環境を体験してこられたことはありがたいと思っています。

――ピンチが楽しい!どうすれば、そういう心境になれるんですか。

生駒: 高校1年生のときに乃木坂46のオーディションに合格して秋田から出てきて、これまで恵まれた環境にいられたことはとても感謝しています。そのうえで、グループを経験したからこそ見えた答えは、結局良いこともそうでないことも、ご飯を食べて寝て起きれば、あっという間に過ぎてしまうということ。失敗してもしなくても時が流れるんだから、そこでくよくよしている時間はない。それなら、失敗しても楽しいって思いなさいって、自分に自己暗示をかけています。

――そう思えるきっかけがあったのですか?

生駒: 当時、不甲斐なさや自分の力不足を感じて、泣いたりする日もあったんですよ。でも、泣き疲れるまで泣いたはずなのに、不思議とその辺りの記憶が曖昧で。母親に「あのときよく泣いていたよ」と言われても、あまり思い出せない。そんな覚えていないような時間を過ごすより、辛いことでもちゃんと覚えている時間を過ごしたいと思ったんですよね。

これまで色々なことを経験して、笑顔を作り出す産みの苦しみを知っている分、世の中に笑顔があったほうが絶対にいいと思いました。だから、私を知らない人が私を見ても、「この子、なんかいいな」って、笑顔を与えられる存在になりしたい。絶対にそういう役者になりたい、というのが目標です。

telling,の取材に応じた元乃木坂46の生駒里奈さん

「好きです!」と言えるようになるのが今の課題

――ところで話は変わりますが、卒業後はプライベートも時間も増えたのではないかと思うのですが、ズバリ!恋愛への願望はありますか。

生駒: もちろん、彼氏は欲しいです。ただ……、今は彼氏が欲しいと思いつつ、「今日は1キュンもらった」と思って満足してしまうのも確かです。いろいろな人と出会える世界で、この人すごいなあ、と思うことはたくさんあるんですが、恋愛に移行する前に、その人への興味だけで終わってしまうんですよね。女優だから恋愛もした方がいいと思っていますし、今の自分の課題として、「好きです!」と言えるようになるまで頑張れ、って思っています(笑)。

――理想の男性像は?

生駒: 私はアニメが好きだし、漫画も好き。共通の趣味があればなお楽しいですし、同じ空間で各自好きなことをしている時間にも憧れます。それに、好きな人とディズニーランドにも行ってみたい。今まで出来なかったことがうんとあるので、それに一つ一つ付き合ってくれる人が理想ですね。

――結婚については、どう考えていますか?

生駒: 結婚もしたいし子どももほしいって思っていますが、一方で今がめちゃくちゃ楽しいので、せめて30歳までは許してほしいなって思っています。「お母さんごめん、30歳までは自分のこと考えたいです」って。

お母さんからは「子どもを産むっていうのはすごい経験で、産める運命があったらそこは従ったほうがいい」って言われていて、本当にそうだと思います。だから、偶然そういう出会いがあったら、その時結婚しちゃうかもしれない。こればっかりはわからないことですが、今は、自分の中では仕事に集中していきたいと思っています。

ほおづえをついて遠くを見つめる元乃木坂46の生駒里奈さん

●生駒里奈(いこま・りな)さんプロフィール

1995年、秋田県生まれ。女性アイドルグループ乃木坂46の元メンバー。2011年8月に乃木坂46の1期生としてオーディションに合格。デビューシングル「ぐるぐるカーテン」から5thシングルまでセンターを務めるなどグループの中心メンバーとして活躍。2018年5月に乃木坂46を卒業。女優・タレントとして映画やドラマ、舞台、バラエティ、CMなどに活躍の幅を広げている。

ヘアメイク/スズキユウジ
スタイリスト/津野真吾(impiger)
衣装/ジャケット、パンツ(ともにVIVIANO SUE)、その他スタイリスト私物

  • ※「- 4D -imetor」は公演中止となりました。詳細は公式サイトにてご確認ください。
  • https://enxgeki.com/
東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。