BILLIEIDLEのメンバーで、タレントとしても活躍中のファーストサマーウイカさん

憧れバトン

ファーストサマーウイカ さん「誤解されるの、嫌じゃありません」

誰しも人生で何人かはいる「あこがれた人」や「嫉妬する相手」。 「他人と比べない社会」を良しとする風潮の中で、それでも自分の中にある「羨ましい」「あの人みたいになれたら」の声に耳を傾けることで、次に頑張るべき課題や目標が見えてくるかもしれません。 今回は、2019年12月のライブを最後に解散するBILLIEIDLEのメンバーで、タレントとしても活躍中のファーストサマーウイカさんにお話を伺いました。

●憧れバトン03-1

メディアで生き抜くための方法は夢眠ねむさんから学んだ

――まずは前回の夢眠ねむさんからウイカさんへのメッセージです。

(第一回登場、ベッド・イン)ちゃんまい→ねむ→ウイカ……「アイドル界の三大“将来スナックをやりそうな女”」にバトンをつなぐのはなんだか恥ずかしいですが(笑)「憧れの、敵わない人」というワードでやっぱりウイカちゃんを思い浮かべずにはいられませんでした。
なにより顔が最高!「大阪の最高に綺麗なオンナの顔」だよね。三重の女からすると、かっこよくって憧れちゃいます。その美しい顔まんまの気風(きっぷ)の良さ(私はもちゃっと顔のまんまのねちねちなので・笑)
仲良くさせてもらっていて、研究熱心な姿を尊敬しているけど、その研究が「マス(大衆)」に向いていて、そしてその研究通りどんどんマス(テレビ業界)で活躍していっている。自分の見せ方、売り方をちゃんと考えて活躍している姿は私たちの希望の星です。
ちなみに、私が唯一芸能界でやり残した「クイズ王になる」という夢、ウイカちゃんにたくします!(笑)

――ねむさんのメッセージを受けて、ウイカさん、いかがですか。

ファーストサマーウイカ (以下、ウイカ): いやー、これもう、そっくりそのままこのメッセージをねむさんに伝えたいくらいです。私、ねむさんのビジネススタイルに憧れて、真似させていただいているんです。

BILLIEIDLEのメンバーで、タレントとしても活躍中のファーストサマーウイカさん

――どんな点を特に真似してきたんですか?

ウイカ: 「人気者になるためには、3つのキーワードでその人が思い浮かぶようにせよ」というのを、これは勝手に私がねむさんから学んだというか、盗んだようなものなんですけど。
たとえば、ねむさんなら「ねむきゅんカット」と言われるような黒髪のボブカットに、テーマカラーのミントグリーン、そして秋葉原。この3つで「夢眠ねむ」というアイドルを多くの人が思い浮かべる。
昔からねむさんとアイドルの現場をご一緒していたけど、私にはそういうものがあんまりなかったんですよね。「力強いボーカル」とか、それなりにキャラもあったとは思うんですけど、マス(大衆)に向けてとか、テレビで勝負していくときに武器になる3つのキーワードはなかった。

――テレビのオファーが増えてきて、意識を変えたんですか?

ウイカ: そうですね。かきあげ前髪、関西弁、ヤンキー……チンピラ?(笑)毒舌、とかかな、このキーワードが並んだ時に、私を思い浮かべてくれるんじゃないかと。自分の持っている中の、この3つの特徴をわかりやすくしていこうというのはねむさんから教わったと思っています。

カメラに強い視線を送るファーストサマーウイカさん

関西毒舌ヤンキー女子=今の芸能界の「穴」

――その3つの要素の中でも「毒舌」というのは、アイドルとしてのウイカさんを応援しているファンの方々からすると「昔から特別に毒舌だったというわけでもない」と思っている方もいるかもしれません。

ウイカ: そうですね、自分でも「毒舌だ」と思ったことはあんまりなかったのですが、テレビに出だしてそう言われるようになって「あぁ、世の中は、こういう発言を毒ととらえるのか」とはじめは少し驚きもありました。
多分、発言そのものではなく、その人が持っている雰囲気で言葉の攻撃力って変わると思うんです。この威圧感のあるビジュアルで、関西弁で、ものすごいスピードでまくしたてるように話しているから、相手には刃のように刺さってるんじゃないですかね。

――テレビがそのように過剰なキャラクターを求めてくることに、窮屈さを感じたりはしないですか?

ウイカ: 最初はどこに言っても毒舌キャラを求められて、めんどくさいというか、「私をそういう人間に仕立て上げたいんだ」って、ちょっと不信感のようなものを抱いたこともありました。
でも、ある時気付いたんですよね。「あ、これ(芸能界の)穴」なんだ、って。

――「穴」ですか?

ウイカ: テレビに出ると、SNSとかで「誰々さんみたいだ」って書かれたりするんです。でもそこで挙げられる女性タレントさんたち、メディアに出るまで似てるなんて言われたことのない方々ばっかりでした。派手な見た目、とか、関西弁であるってこととか、共通点があるのはわかるんですけど。ずっと何年もこの感じでやってきているのに、誰からも指摘されたことがないんです。
今までステージでのパフォーマンスで言われたの、泉谷しげるさんとかですもん(笑)

BILLIEIDLEのメンバーで、タレントとしても活躍中のファーストサマーウイカさん

――かなりいぶし銀な……(笑)。

ウイカ: だから、はじめは「誰々さんみたい」が並ぶSNSを見て、「なんで!」って思ったんですけど、ビジネスに落とし込んだ時に「あ、今、この“毒舌関西弁派手めなネーチャン”っていう席、私とこの方しかいないんだ」って気付いたんです。さらに私には「現役アイドル」っていう肩書きもあって、そこを面白がってもらえてるんじゃないか?って。

――悪い意味の「〜〜みたい」じゃないかもしれない、と感じたんですね。

ウイカ: ここが旨味かもしれないって思うようになりました。
ただこれが、今回BILLIE IDLEを解散するにあたって、アイドルという肩書きはなくなるわけですよね。そうなるとまた番組に呼ばれるポジションも変わってくるかもしれない。人生のターニングポイントになるのかなとは思っています。
今は29歳ですけど、これをあと何年か続けていくと「派手でおもろい関西弁」が「痛くてやかましい」の方にすりかわっていくかもしれないし。
じゃあこの先、もっとインテリジェンスさを足していくとか、あるいは削ぎ落としてスタイリッシュにしていくとか、同性・異性へのアピールの仕方を変えていくとか、30代に向けてどうしていくかを考えることもありますね。

私をブレさせない軸があるから、怖くない。

――本当の自分とは少し違うように世間に受け取られることは、怖くはないですか?

ウイカ: テレビで私を知ってくれた方から、ダイレクトメッセージが来たりするんですよ。「かわいいですね〜飲みに行きましょう」みたいな。当然お返事はできないですよね。そうすると「無視ですか。芸能人だからってお高くとまってますね」とかさらに送られてくる。でも、その2つのメッセージだけでもう、私という人間を全然知らないってことが理解できるんです。クソ熱くて、仲間と一緒にやったるで!っていう体育会系のファーストサマーウイカをちゃんと知っている人だったら「お高くとまるような女だ」なんて絶対に思わないから。

――不快には思わないですか?

ウイカ: 「お、私を“そういう目(飲みに行きたい女の子)”で見るような人も出てきたぞ。これ、グラビア界にも進出できちゃうんじゃない?」とか、勘違いしちゃいます(笑)だから、私を誤解して受け止める人がいても、嫌だと思うというよりは、今こうして、テレビの世界でいろいろと(キャラクターを)重ね着をしていて、元の私が見えない状態の自分のことも、気になるっていう人がいてくれてるんだなぁぐらいにしか思わないんです。

カメラに強い視線を送りながらほほえむファーストサマーウイカさん

――いろいろな人が自分に対して全然違う印象を持っていることに、居心地の悪さを感じたりはしないですか?

ウイカ: テレビで知ってくれた方、アイドルファン、学生時代の友達……。出会ったタイミングでみんなが持つ印象は違うだろうけど、それでいいと思ってます。だからこそ、ねむさんの背中を見てきて感動していた「3本柱をブレさせない」というところが、周りにとってだけじゃなく、自分自身にとっても大事になってくる。みんないろんな入り口から入ってくるから私自身も迷子になりそうになるけど、この3本柱が私をブレないでいさせてくれるから。拠り所みたいなものですかね。

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後編では、ウイカさんの独特の「嫉妬観」について。後輩のBiSHへの思いから、BILLIE IDLE解散後の今後なども伺いました。

後編はこちら:ファーストサマーウイカさん「黒歴史も全部、旨味になりました」

現在肩書き無し。30歳の夏、港区での彼氏との同棲を解消、同時に8年マネージャーとして勤務した芸能事務所を退社する。ライター業ではお笑いやサブカルチャーに関するコラムをwebサイトに寄稿など。
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