元乃木坂46で女優、タレントとしても活躍の場を広げる生駒里奈さん

生駒里奈さん「覚悟を決めた乃木坂46卒業。自分主体の今が楽しい」【前編】

乃木坂46を卒業して2年目となる生駒里奈さん(24歳)は、5月から主演を務める舞台「-4D-imetor(フォーディメーター)」に臨みます。積極的に演技にチャレンジし、役者として着実にキャリアを積んでいる生駒さん。「国民的アイドルグループ」から個人へという大きな決断は、彼女にどんな変化をもたらしのでしょうか。お話をうかがいました。

仕事を続けていくのが、私の人生の目標

――5月からの舞台『-4D-imetor(フォーディメーター)』では、主役である「謎の少女」・ノア役で出演されます。役への印象はいかがですか?

生駒里奈さん(以下、生駒): 「ノア」は、記憶喪失でありながら、誰かのため行動できる強さと繊細さを持ち合わせている少女です。ものごとの捉え方が大人で、自分と比べてみると、少し先を進んでいるような感じ。そこに引っ張ってもらうような感覚で、私も頑張らなきゃなと思っています。

私はこれまで天真爛漫なタイプの役をやらせていただくことが多かったのですが、今回はまた新しいタイプの役を演じられて役者として幅が広がるチャンスですし、自分を磨ける役に出会えたと感じています。

今回の作品は舞台自体がアトラクションエンターテイメントと謳っている通り、お芝居だけでなくイリュージョンもあったりして、ジェットコースターに乗っているように楽しめます。是非、劇場に足を運んで見ていただきたいです。

telling,の取材に応じた元乃木坂46の生駒里奈さん

――今回の役が発表された時の生駒さんのコメントで、「もうひとつ成長しなければ届けられない。でも、必ずそこに到達したいと思いました」という言葉が印象的でした。どんな面で成長したいと思っていますか?

生駒: まずは、お芝居の技術をもっと磨きたいと思っています。演じていく中で、その日のコンディションなどによって同じセリフでも伝わり方が変わってきたりするんですが、そういうブレをなくしていきたい。それに、舞台って立ち方や見え方だけでも感情が伝わるので、そういった面でも成長したいです。本当の意味で自分が核となって引っ張っていけるような役者になっていければいいな、と思っています。

――役者としても多くの作品に出演して経験を積んできていると思いますが、人間としての成長を感じる瞬間はありますか?

生駒: スマホならアップデートすれば一目でわかりますが、人間はそうもいかないので難しいですよね。でも、たとえば目の前で人が転んだ時にそのまま見放すのか、立ち上がらせてあげるのか、さらにハンカチを出して膝を拭くのか、そこからまた飲み物を買って差し出すのか。そういったことが出来るかどうかの違いが、人間の成長なのかなって思うんです。そういった気遣いだったり、人としての優しさだったりを増やしていけたらなって思います。

と言っても、実はプライベートでの素の自分は、そこまで気を張っていません。舞台で良いパフォーマンスに繫がるようなことはしたいと思っていますが、「もっとプライベートを充実させれば仕事も充実する!」みたいには考えていなくて。仕事を続けていくことが私の人生の目標。仕事の中で高められた分だけ、きっと自分自信も成長しているのかなと思っています。

ほおづえをついて考え事をする元乃木坂46の生駒里奈さん

乃木坂46卒業は、「次に進む為の大きな決断」

――2018年5月に乃木坂46を卒業後して、グループから個人へと活動の場を移されましたが、どんな変化がありましたか?

生駒: それが、あまり大きな変化は感じないんですよね。「笑顔を与えられる人になりたい」という仕事への考え方はそれまでと一緒なので。強いて言うなら、自分が仕事に対して真面目に考えている部分はもっと真面目になったし、頑固で曲げないところはもっと曲げなくなった面はあるかもしれません。

グループにいた時と違って、今は失敗しても成功しても自分に降りかかります。でも、逆にそれがわかりやすくていい。自分が下した決断だからこそ、自分のために全力が使える今の状態は楽しいです。

自分のことを一番わかっているのはやっぱり自分だと思うので、一時の感情でなく2年後、3年後に自分がこの世界で生きていけるよう、現段階で何をすべきか考えて行動するようになったと感じています。

――卒業は生駒さんにとって、「次に進む為の大きな決断」だったんですね。

生駒: そうですね。当時はちょうど22歳になる歳で、同年代の多くが就活する年齢。決断するなら今しかないな、って思って。

ただ、当時よく「一からのスタートですね」って言われたんですが、それは少し違うのかなと思っていました。年齢から考えたらそうなんですが、私はあくまでも今までやってきたものの上にプラスして活動していきたいと思っていました。今までの積み重ねがあった上で、今度は自分主体で考えて、皆さんにエンタメを届けていければと思っています。

telling,の取材に応じた元乃木坂46で女優・タレントの生駒里奈さん

●生駒里奈(いこま・りな)さんプロフィール

1995年、秋田県生まれ。女性アイドルグループ乃木坂46の元メンバー。2011年8月に乃木坂46の1期生としてオーディションに合格。デビューシングル「ぐるぐるカーテン」から5thシングルまでセンターを務めるなどグループの中心メンバーとして活躍。2018年5月に乃木坂46を卒業。女優・タレントとして映画やドラマ、舞台、バラエティ、CMなどに活躍の幅を広げている。

ヘアメイク/スズキユウジ
スタイリスト/津野真吾(impiger)
衣装/ジャケット、パンツ(ともにVIVIANO SUE)、その他スタイリスト私物

  • ※「- 4D -imetor」は公演中止となりました。詳細は公式サイトにてご確認ください。
  • https://enxgeki.com/
\n
東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。