Ruru Ruriko ピンク 45

「田舎の小さな家で平和に暮らしたい」中東パレスチナ出身25歳ダナのつぶやき

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、パレスチナ出身のダナさん(25)のお話。繰り返される戦争や70年以上にもわたる難民生活など、パレスチナの人々は常に試練に直面し続けています。ニュースではよく話題になるけれど、なかなか身近に感じられないことも多い中東の話。パレスチナの女の子ってどんなイメージですか?

●Ruru Ruriko ピンク 45

私はダナ。パレスチナ出身の25歳。

私は子どもの時から海外に興味があって、自分は周りの友だちとは違うと感じていた。パレスチナ出身だけど、パレスチナがホームだとはずっと感じられなかったんだ。そして私は今どこにも家がない。それに、どこにも属していると感じられない。
今の私はどこ行くにもビザがいるし、パレスチナに帰るのにも入国するには、書類を申請して許可をもらわなくちゃいけないんだけど、それも1ヶ月くらいかかる。
18歳でエジプトに留学、そこからイギリスに移って今はどこにも住んでない。

パレスチナを出てから、もう8年近く海外に住んでいるせいもあるのか、親はまだパレスチナに住んでいるけど自分はもう自国に居場所がないと感じている。8年の間に2回パレスチナに帰ったけど、ホームだとは感じられなかったし、自分の服や物もほとんどパレスチナの家には残ってないんだ。

パレスチナに住むことはできるけれど、去年(2019年)も戦争があったし、次いつ戦争になるかわからないから出入国が大変。友達と出かけるには、レストランで食事するかドライブするかくらいしか遊ぶところはないし。

今はどこにも住んでいないような状況。大学に通っていたイギリスと、叔父と叔母が住んでいるドイツを行き来しているけど、今の私は観光ビザしか持っていないから、自分では家は借りられないし働くこともできない。今はロンドンで友達の家に居候させてもらっていて、次は2月から3ヶ月またドイツに行くことになってる。

ロンドンは観光ビザでも半年滞在できるし、親友の家に住まわせてもらってるから、割と「自分の家」って感じはしてるし居心地はいい。でもつねに、次ビザが取れなかったらどうしようってすごい心配。
子どもの頃から親戚のいるドイツに住むことが夢だったけど、今はもうドイツじゃなくてもどこでもいいからビザが欲しい!って感じ。これから先の未来が不透明だし、将来どこに住むんだろう? 市民権は取れるんだろうか? 仕事は見つかるかな? とかが頭から離れない。

大きくて豪華な家に住みたいとかは全然なくて、田舎の小さな家で、戦争とか国を出られなくなるかもしれないとかそういうことを心配しないで、平和にハッピーに生きたいな。私、そんな大それたお願いはしてないでしょう?(笑)

友だちや家族は世界中のいろいろなところに住んでいて、みんなバラバラ。誰かと親しくなっても、私か相手のどちらかが外国や自国に引っ越してしまうことはよくあって、その度に悲しくなる。私は人見知りで、誰かと親しくなるのに時間がかかるし、仲良くなったら本当に好きになるから困っちゃう。
移動し続けるのに疲れたし、どこかに落ち着いて暮らしたいと願ってるの。誰かに「どこに住んでるの?」って聞かれるたびに返事にも困ってるし。(笑)

今は2年くらいボーイフレンドがいないんだけど、それで孤独とも感じてる。最近はもう誰とも付き合えないんじゃないかって思うこともある。ヨーロッパでは事実婚が増えているし、結婚しない人も多い。もともと結婚願望はないんだけど、私はイスラム教で宗教上の理由から誰かといっしょになるには、結婚しかないからプレッシャー。
私が好きになる人は、大体は私と同じ宗教じゃない人が多いから、デートしても私は結婚するまでセックスしないのが相手にとってオッケーか心配になるし、転々と引っ越すから長期で誰かとデートしたり、知り合ってから仲良くなるのも難しい。
元カレたちはみんなそれでも平気だったけど、私自身が2人の関係に何かが欠けていると感じてしまって、交際を100%楽しめていない気がした。ロマンチックな恋愛小説が好きで、たくさん読んでるから恋愛に対する妄想や期待値はかなり高めなの。(笑)

今はドイツの3年制のトレーニングスクール(勉強しながら実際にも働く学校)に入れるようにドイツ語を勉強してる。今年は一旦パレスチナに帰ってドイツの学生ビザを申請する予定なんだ。

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。

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