Ruru Ruriko「ピンク」37

男の子の方が、女の子より冒険心があるってほんと?

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。女の子が世界に羽ばたく理由は、いつだって男の子がきっかけ?それってほんと?

●Ruru Ruriko「ピンク」37

「生まれ変わったら、男の子と女の子どっちになりたい?」

「生まれ変わるなら男の子と女の子どっちになりたい?」

知人男性にこんな質問をしました。彼の答えは
「男の方が女の子より冒険心があって楽しいと思うからまた男になりたいかな」。

その時はモヤモヤしつつも、ふーん、と返答しましたが実は数ヶ月経った今もそのことを度々思い出しては何だかムカついていました。

私はイギリスとフランスに住んだ経験があるのですが、その事を男性に話しすと
「へ〜旦那(彼氏)の仕事で行くの?」「彼氏がいるからイギリスに住んでたんだ?」
と言われることが何度もありました。その度に冷静に自分の目標のためだと訂正しつつ、心の中では、なんだかな〜と思っていました。

勿論、パートナーのお仕事や結婚などで海外や地方に引っ越す人もいますし、それは悪いことではありません。でも女性(私)の決断が私自身の為でなく、男性の為だと決めつけて発言してくる男性は未だにたくさんいます。女性は全員、男性(恋愛、結婚)中心に行動してるとでも思っているんでしょうか?

好きな人と一緒にいたいと思うのは普通だと思うし、キャリアや元の生活を諦めて引っ越す人、新しい場所に引っ越せてラッキー!と思う人もいるでしょう。私も遠く離れた国に住むパートナーと一緒に住みたい!と毎日のように切望しています。パートナーの為に見知らぬ土地に引っ越すことは簡単なことではありませんから、そのような決断は勇気があることだと思いますし、自分のキャリアや夢のために世界へ飛び出す女性もいます。本当に私たち女の子は冒険心がないのでしょうか?

幼い頃から海外に興味があった私は、中高時代から「大人になったら世界中を旅したい!ひとり旅がしたい!」と言ってきました。
多くの人から「女の子がひとり旅なんておかしいよ、危ないよ」と言われました。当時はまだ子どもだったので実際にひとり旅をするのは大学生になってからになりますが、その後も「女の子が1人は危ない、やめた方がいい」と何度も何度も、耳にタコができるくらい聞かされてきました。

女性のひとり旅は、どこかで制限をかけている

「冒険」といえば様々なことが思い浮かびますが、そのひとつが「旅」。留学、ひとり旅、海外ボランティア活動などをしてきた私ですが、旅をする際に女性であることを意識し、制限をかけている部分があるのも事実です。
例えば、全く未知であるアフリカ大陸はずっと憧れがありましたが、1人で行くのは怖く、今年やっと母と2人でモロッコに行きました。
実際にひとり旅の滞在先で夜に男性から声をかけられたり、勝手に肩に手を回されたり、腕をつかまれたりして、怖いと思ったことは何度もあります。

多くの女の子は小さい頃から「気をつけなさい」「危ないからやめなさい」と幾度となく言われてきます。女の子たちはそんな中で、「私は女の子だから気をつけなければいけない」と思うようになり、気づいたら自分に制限をかけるようになります。

私は今まで何度も男性に生まれていればよかったと思ったことがあります。
それは「男性」として生きたいということではなく、どこかに恐怖や不安を抱きながらではない「冒険」をしてみたいという気持ち。
映画『モーターサイクルダイアリーズ』みたいにバイクで南米を横断したり、小説『オンザロード』や『荒野へ』みたいにアメリカ中を自由に旅してみたい。女性でもそのようなことをしている人はいますし、できないことはないのですが、「怖い」という思いがあるので自分にストップをかけてしまいます。

男女平等が進む世の中といっても、まだまだ女性は物理的に不安に感じることが多いと思います。身体を鍛えたり、護身術を学ぶのも身を守る手ですが、言語や知識をつける事も自分の身を守ってくれ、不安を減らす大事な要素ではないでしょうか?

女の子だって冒険やチャレンジをするし、男の子より大人しいなんて全然思いません。最近、ジャッキー・フレミングの『問題だらけの女性たち』という本を読みました。19世紀のイギリスの今では考えられない女性観について書かれた本ですが、コルセットを身にまとうとこからしてもう、「それじゃあ元気に外に出て冒険なんてしてられないよね」と改めて思ったのでした。

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。