生理用品開発担当「第3次生理ブームで生理用品が変わる。憂鬱な日を変えるキッカケに」

大王製紙株式会社 ホーム&パーソナルケア マーケティング本部・本 彩さん(27歳) ダークブラウンのシンプルなパッケージデザイン。部屋のインテリアにもすっとなじむエリエールの生理用品「エリス Megami(メガミ) 素肌のきもち」のネット通販限定デザインの開発にも携わったのは、入社5年目になる本彩(もと・あや)さん。営業から商品開発に異動になり、プライベートでも自分自身の変化を実感しているといいます。
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生理用品は時代の流れを反映している

入社して5年目。現在は、商品開発から商品仕様、パッケージなどを作り、どのようなプロモーションで世の中に伝えていくかなど、一貫して担当しています。新卒入社後に営業職として2年間働き、3年目からはリサーチ部門に配属。アンケートやインタビューなどを通して、その人に合った商品はどんなものだろうと考えています。

生理用品は時代によって、大きく変わってきました。昔だったらピンクや花柄などかわいらしいパッケージが主流でしたが、今はナチュラル、シンプルなものも好まれています。ファッションもユニセックスなデザインが増え、世の中全体がその流れになってきていると実感しています。今の流行を踏まえつつ、この先どんなものが求められるようになるのかを考えながら、商品を開発しています。

生理用品を開発するときに、ターゲット層だけを軸に考えると今ある商品が基準になってしまいます。最近では海外のトレンドやファッション、コスメなどの最新情報も集めるようにしています。生理用品は自分で使うものなので、商品を買うときの気持ちはファッションやコスメと似ているのかなと思うのです。私自身も好きなデザインや触り心地のよいものを選ぶので、それと同じ感覚です。

最近は、あまり物を持ちたくないという傾向があり、荷物もコンパクトになってきています。吸収性や品質機能については、もうある程度高いレベルで満たされているので、これからはコンパクトさやデザイン性などを重視していきたいなと思っています。

ピンクや花柄から“大人らしくシンプル”なデザインに

私が商品を開発しているブランドは、「エリス コンパクトガード」と「エリス Megami(メガミ) 素肌のきもち」です。「エリス Megami(メガミ) 素肌のきもち」は、昨年10月にダークブラウンのシンプルなパッケージデザインにして、ロハコのECサイト限定で販売しました。これまでの生理用品は、ピンクやブルーなどかわいい感じのものが多かったのですが、もう少し大人っぽいものがあってもいいなと思ったんです。落ち着いていて暮らしになじむ、大人の女性向けの商品を考えた時に、シックなものがあったらと思いつきました。

生理中の憂鬱。デザインが変わるだけで気分が変わる

「エリス Megami(メガミ) 素肌のきもち」のネット通販限定のダークブラウンのパッケージデザインは、想定以上に好評です。吸収性や肌触りなどの機能性はもちろんのこと、個包装のパッケージも同色にしたことで、使用後のナプキンを包む際にも中身が見えづらいという利点があります。人によって生理は重くてつらいものだったり、憂鬱に感じる人も多いと思いますが、ナプキンのデザインが変わることで、選ぶ楽しみができるかなと思っています。

日本ではナプキン本体に色を付けてはいけないという決まりがあるため、すべて白で統一されていますが、ヨーロッパでは色付きのものがあったり、極薄タイプのものが好まれます。パッケージデザインも、ヨーロッパではオレンジや青などはっきりした色が多かったりと、国によってさまざまな違いがあり、それを見るだけでもおもしろいですよ。

今、第三次生理ブームと言われていて、ここ最近、友達同士でも生理について話すことが増えるなど、私自身も変化を実感しています。生理はとても身近な存在だからこそ、もっといろいろな人と話せた方が情報交換もできるし、いい変化だと思います。今後、日本でもいろいろなタイプのナプキンが作られるようになったら、もっとナプキン選びが楽しくなるのではないでしょうか。いつでもすぐに対応できるように、今からさまざまな色やデザインのものを考えています。

自分の考えをわかりやすく伝えられるようにしたい

私は昔から、どちらかというとあまり人に興味を持っていないタイプでした。プライベートではいまだに内向的な性格ですが、仕事柄、人前で話をする機会が増えたので、積極的にいろいろな人とコミュニケーションを取るようになりました。学生時代の友達からも「よく話すようになったね」と言われて、性格が変わって前向きになれているのを実感しています。

とはいえ、これからの課題はもっと「伝える力」を身につけること。社内にいるとどうしても専門用語を使ってしまいがちですが、私たちが伝えたい相手はお客様です。できるだけ社外の人とたくさん会って、伝え方が上手だと思う人の話し方を積極的にまねして身につけたいと思っています。

プライベートでは、海外を旅して、いろいろな国の文化に触れてみたいです。海外でもその国のドラッグストアに寄って、生理用品を視察してしまうと思うのですが(笑)。さまざまな国のトレンドについて、身をもって体験することで、商品開発にいかしたいです。

私は今、27歳。今以上に仕事をがんばりつつ、この先は結婚して子どもを産みたいと思っています。私自身、兄が2人いる3人兄妹なので、子どもは3人ほしい。できれば30歳までに1人、33歳で2人、35歳で3人目を産めたらいいなと考えています。

●本 彩さんのプロフィール
大王製紙株式会社。ホーム&パーソナルケア マーケティング本部フェミニンケア・ブランドマーケティング部フェミニンケアグループ。22歳で大王製紙株式会社に入社し、2年間営業に携わる。現在は商品開発やマーケティングなどに携わる。

明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。
熊本県出身。カメラマン土井武のアシスタントを経て2008年フリーランスに。 カタログ、雑誌、webなど様々な媒体で活動中。二児の母でお酒が大好き。