バービーさん「失恋して買った北海道の一軒家。結局ひとりなら老後の夢を今やってしまおうと思った」
――下着プロデュースやYouTubeの開設など、自分の言葉を新しい形でどんどん発信するようになったバービーさん。20代と30代で心境の変化があったのでしょうか?
バービーさん(以下、バービー): 20代は芸人としていただいた仕事はなんでもがむしゃらにやらせてもらいました。そんな生活を経て30代になり、行き詰まったというか……半ば自暴自棄というか……「全部手放してしまえ!好きなことをなんでもしてしまえ!」って思ったタイミングがあったんですね。
その時から、「好きなこと」を大切に、優先するようになりました。
――20代の頃はどんなマインドでお仕事をされていたのですか?
バービー: 「芸人たるや」みたいなことにとらわれすぎていたんだと思います。芸人という仕事は芸能界の中でも、特に美学の強いジャンル。たとえば酒とタバコとギャンブルをしてなんぼとか、どんな時でも「明石家さんま」は「明石家さんま」だ、どんなことでも笑いに変える、という神様みたいな存在がいらっしゃったり。
そういう美学にどっぷり浸かろうと頑張っていた20代。でもやっぱりどうしても、「そうなりきれない自分」がいました。
――その結果、どう変わろうと思ったのでしょうか?
バービー: 「そうじゃない自分」を許してあげようと思ったんですね。“芸人・バービー”じゃない気持ちも尊重してあげようと。
「世間の思う芸人像とかけ離れているのではないか」「こういう振る舞いや言動は芸人らしくないんじゃないか」と押し殺していたことを、テレビとは別の場所を持つことで解放していく方法を身につけたというか。
――プライベートでも何かきっかけはあったのですか?
バービー: そうですねぇ……失恋も……したかな(笑)。失恋をして、人生設計が一気に狂ったんですよね。「あ、この人と結婚しないのか」ってなった時、「結局ひとりだったらやりたいことやっちゃおう!」って思ったんです。
それまで、将来は山をひとつ買って、自分のステキなお庭にする夢を公言していたんですけど。ふと「なんで、“いつか”とか“将来”なんだろう」って。“今”でいいじゃん、って気持ちに変化が訪れたんです。
――先延ばしにしていた夢を、叶えることに踏み切ったんですね。
バービー: 「老後の夢」を今叶えちゃったら、もっと大きい夢に出会えるんじゃないかって思いました。それで地元北海道に一軒家を買い、町おこしなども手伝うようになって。
お金につながらないことでも、やりたいことをやっているとめちゃめちゃ充実感があって楽しくて、“芸人・バービー”の方とも良いバランスがとれるようになってきました。拠り所みたいなものができたことで自分をコントロールできるようになって、芸人としての現場でもより弾けられるようになった。「勝負だ」とか「爪痕を残すんだ」と肩肘を張らずにいられるようになった感じですね。
今は、美味しいものを食べて楽しい場所に行くだけでお金をもらえるなんて、なんて素敵な仕事だろう!と思えるように(笑)。
――いろいろなことを始め、発信しているバービーさんに業界内外から「どうしちゃったの?」「どこへ向かってるの?」と声をかける方もいたそうですが。
バービー: 時代の流れ的にはいろんな活動をすることが不思議じゃない世の中にはなっていると思うんですけどね。
でも、自分の出自が芸人であることは忘れないようにしなくてはとは思っています。“芸人・バービー”を楽しんで笑ってくれてた人たちを裏切ることはないようにしたいです。
ただ、どうですかね……数年後すごい方向にいっちゃってたとしたら、その時はその時でみなさん笑ってください(笑)。どこにハマっちゃうかわからない人間なので。
●バービー(フォーリンラブ)さんプロフィール
1984年北海道生まれ。2007年、お笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成しデビュー。男女の恋愛模様をネタにした「イエス、フォーリンラブ!」の決め台詞で人気を得る。日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」、TBS「王様のブランチ」等、多数出演中。
≪レギュラー≫
SUT「バービーのしずおかごはんがもっと食べたい」第3土曜日17:00〜
FOD「バービー&村上佳菜子の編集長 私イイ女になりたいの」
MBSラジオ『バービー・郡司の深夜教室Q組』毎週火曜日 26:00~26:15
YouTube「バービーちゃんねる」
下着プロデュース「ピーチジョン×バービー」
「女性にもっと自分のカラダを好きになってほしい」という想いを追求し、ピーチ・ジョンとのコラボで下着をプロデュース。
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