女子アナの立ち位置。

古谷有美式、お正月太り対策。「ちょっと身体を意識するだけでも、変われる」

ミレニアル世代ど真ん中のアナウンサー・TBS古谷有美さんによる、テレビとはひと味違う本音トーク。いよいよ2020年も本格スタートのこの時期、皆さん、お正月太りしていませんか?「やってしまいました」と体重増を告白する古谷さんですが、バレエの経験などから編み出した独自の対策法を持っているとのこと。さて、その方法とは――?

●女子アナの立ち位置。

お正月太り、してません?

あけましておめでとうございます! 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
仕事はじめから少し時間が経って、みなさまいかがお過ごしでしょうか。お正月太りなんて……していませんか?

私は年が明ける前から、じつはやってしまいました。年末に10日間のイタリアロケに行っていて、パンやパスタ、ピザといった小麦系の食事ばかりしていたら、ぽよん。帰国してすぐ出かけたジムのトレーナーさんに「古谷さんも太るんだね。お腹、乗ってるよ」と言われてしまったんです。

見つめる古谷有美さん

カリカリに痩せていた10代から、体重はほとんど変わってないけれど

子どもの頃は、カリッカリの体型でした。痩せているというよりも、ただただ細くてメリハリがない。バレエをずっとやっていたから筋肉はついているんだけど、どうにも華奢だったんです。バレエは芸術でありながら、立派な全身運動。姿勢を正し、自分のコアを意識しながら身体を動かすスポーツなので、知らぬ間に引き締まっていたんだと思います。

15歳でバレエを辞めてからは、高校でチアリーディング部に入部。週5回みっちり練習をしていたので、これまた太りません。夕食どきには平気で「ごはん3膳!」なんて食べていたけれど、そのぶんしっかり運動でカバーできていました。

大学生で運動をしなくなり、一人暮らしで食生活も乱れはじめると……顔がふっくら。だけど、20代なかばでなんとなくまた顔の肉が落ちて、いまに至ります。体重計の数字だけでみれば、学生時代からいままで、ほとんど変わっていないんですよね。

とはいえ、30代に入って、やっぱり“重力”を感じるようになりました。たとえ体重は同じでも、身体のラインや感触が変わってくる。

子どものころにおばあちゃんと手をつないで「ふにゃふにゃでやわらかくて、気持ちいい手だなぁ」なんて思ったりしたけれど。あれ? 私の身体も、なんだかやわらかくなっている……! 圧力鍋で何時間も煮込んだ鶏肉のように、するするほぐれそう(笑)。つまりこの状態を、きっと「ハリがない」と言うんでしょう。

ほんのちょっと“身体を意識する”だけでも、変わる

私は「ちょっと太ったかな?」と思っても、特別な対策はせず、自然に元の体に戻るのを待ってしまうタイプ。だけど、日々の暮らしのなかでいつも、ほんのちょっとだけ身体に“意識”を傾けています。

たとえば、たるんだなと思ったときこそ、ヒップのラインがごまかせないパンツを履いて、戒める。体重が増えてしまったら、いつもよりきれいな姿勢を心がけたり、スニーカーを履いて大股で歩いたりする。そうすればわざわざ時間をとらなくても、日常生活がちょっとしたトレーニングになります。

スニーカーと古谷有美さん
スニーカーと古谷有美さん

もともとバレエをやっていたおかげで、そういう感覚を持つ下地があるのかもしれません。背筋を伸ばすときは「頭のてっぺんを1本の糸で引っ張られているように」、つま先を伸ばすときは「親指のもう1本先まで足があると思って」などなど……ぜんぶ、昔バレエのレッスンで言われていたこと。そうやって身体を意識するだけで、なんだかちょっとラインが変わってくる(ような気がする?)んです。

ありのままの自分を愛せたら、もっといい

先日、歌手のリアーナが手がけるランジェリーブランド「SAVAGE X FENTY」(サヴェージフェンティ)のショードキュメンタリーを観ました。そのショーには、いろんな体型のモデルさんがたくさん出ていて。ぽっちゃりさんにガリガリさん、タトゥーがたくさん入った方、片足がない方、妊婦さん……とってもバラエティ豊か! 日本の“美しいモデル”といえば、基本的には細くて色白で、顔が小さくて足が長い方ばかりですよね。そんな概念と思い込みが、見事にくつがえされるステージでした。

ショーに出ている方々は、誇らしげにこんなことも言います。
「本当の美しさって、ありのままの状態を愛することにあるから。私はここがたるんでるけれど、このたるみがすごくセクシーだと思ってるの」

なんだかすっごく、かっこいいですよね。自分がその境地にいくにはまだ時間がかかりそうだけど、一般的には欠点ととらえられるような部分だって、チャームポイントだと思えたら最強。ちょっとふっくらしたら「おしりにボリュームが出たから、デニムがかっこよく履けるかも?」なんて思っちゃえばこっちのもんです。「いまの自分だから魅力的」「いまの私だからできることがある」という視点を、忘れないようにしたいと思います。

以前、天海祐希さんが出演したテレビ番組でその若々しさを褒められたとき「細胞はみなさんと同じように年をとっていますから」というようなことをおっしゃっていました。たしかに細胞は、生まれたときから着実に年齢を重ねているんですよね。天海さんのようにお美しい方から聞くと、身が引き締まる思いでした。

つまり、なにが言いたいかといいますと……お正月太りなんて怖くない。日々の意識で体型はきっと戻せるし、戻せなくてもありのままに愛すればいい。確実に変わっていくこの身体と、今年も上手に付き合っていきましょう。

1988年3月23日生まれ。北海道出身。上智大学卒業後、2011年にTBSテレビ入社。報道や情報など多岐にわたる番組に出演中。特技は絵を描くことと、子どもと仲良くなること。両親の遺伝子からかビールとファッションをこよなく愛す。みんみん画伯として、イラストレーターとしての活動も行う。
ライター・編集者 1987年の早生まれ。雑誌『走るひと』副編集長など。パーソナルなインタビューが得意。紙やWeb、媒体やクライアントワークを問わず、取材記事やコピーを執筆しています。趣味はバカンス。好きなバンドはBUMP OF CHICKENです。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。