ハヤカワ五味さん「ファンシーだけじゃない。生理用品も多様化の時代へ」
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生理用品にも多様性を
「今の生理用品は文房具屋さんでボールペンしか売っていないようなもの。鉛筆や万年筆を使いたい人も、ボールペンしか選択肢がない」とハヤカワ五味さんは語ります。
たとえば生理用品のパッケージ。“女の子だから”とピンクや花柄など似たようものばかり店頭に並ぶ現状に違和感を覚えたと言います。
イルミネート(illuminate)デザイナーのMinaさんは、自分自身がアロマンティック(=性欲があるが恋愛感情を持たないセクシュアリティ)。トランスジェンダーの友人が多く、普段からフェミニズムやLGBT、体が女性でも心が男性など、セクシュアリティについて考える機会があったそうです。
「人間の多様性はもちろん、生理用品に関しても色々な選択肢があってもいいと思いました。花柄が好きな人もいますし、シンプルな色合いを好む人もいる。“生理の日も元気”!でもありだしそうでなくてもいい。私たちも“生理をひけらかそう!”とか”堂々としろ!とうたっているわけでもないんです。生理を隠したい気持ちも尊重するし、ささやかにしなやかに、かたわらに寄り添うようなデザインができたらと思っています」
生理用品って一つじゃない
今回のポップアップは、今まで手に触れる機会が少なかった月経カップや布ナプキンも展示されています。
「タンポンの8時間に対して、月経カップは12時間使用可能と言われており、生理ポーチを持ち歩きにくい人や、ゴミを出さないメリットもあります。いきなり使用することに抵抗がある人も、まずは生理用品の選択肢があることを知ってもらえたら」(ハヤカワ五味さん)
また、フェミニズムに関する本とともに、偏った意見にならないよう男性優位な書籍も置かれています。イルミネート(illuminate)のロゴが入ったバッグやポーチなども販売されており、商品を通して生理の会話のきっかけも生まれそうです。
生理のインフラを目指す
生理用品が急に必要になって焦った経験がある人は多いはず。駅のトイレでも生理用品が置いてあるところとないところがあったり、キヲスクに尋ねたら都市伝説のように後ろからサッと出てきたりする……。ハヤカワ五味さんは
「生理は恥ずかしいモノと教育されてきた価値観も見直していきたいですね。また、今後オリンピックが開催されて、海外からきた人にも困らないように発信もしたい」と語ります。
さらに最近では、「生理は隠すものでも恥ずかしいものでもない」という考えのもと、“紙袋いりません”と言う選択肢をもつことを推進するユニ・チャームのプロジェクト「#No Bag For Me」にも携わっています。
「紙袋を持たないことがカッコいいと伝えたいわけではなく、隠したい人も隠したくない人もいていい。SNSでも議論にもなっていますが、議論すること自体は悪いことではないと思います。まずは色々な人の意見を聞きながら進めていきたいです」(ハヤカワ五味さん)
男性こそ生理の痛みを知るべきだ、という意見もありますが、女性の中にも意外と自分のからだのことを知らない人が少なくない。当事者がまず自分のからだを知り、その次の段階でまわりの人が理解していく、想像しあえるようにしていくことが大切だとハヤカワさんは考えます。
人それぞれ体質は異なるもの。風邪を引きやすく40度近くの熱が出やすい人は、体調管理をさぼっているのではなく、熱を出しやすい体質だという可能性もあります。
生理も同じように、軽い人もいれば重い人だっているわけです。
「自分とは違う人もいるのだということに、想像を働かせていける未来をつくれたら」
思いをこめて語ってくれました。
<ポップアップショップ今後の予定>
6月20日~7月29日、東京・青山ブックセンター
7月31日~8月6日、 大阪・大丸梅田店
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