出会ってすぐに結婚観をフル開示。恋愛にも効くハヤカワ五味のマイルール【後編】

『私だけの選択をする22のルール』(KADOKAWA)を出版した、株式会社ウツワの代表取締役・ハヤカワ五味さん。世の中の課題とニーズをいち早くつかみ、ソリューションを生み出していくその行動の背景には、彼女ならではのマイルールがありました。生き方が多様化した昨今、何を選択すればいいのかわからないミレニアル世代に向けて、惑わされない自分だけの選択を見つけるためのヒントを教えてもらいました。

【前回はこちら】

“フツウ”の定義はないから、自分らしく生きよう

――選択肢が増え、生き方も多様化してきたことにより、同世代でも共通項が少なくなってきたと感じます。早川さんはこの状況をどう思いますか?

ハヤカワ五味さん(以下、ハヤカワ) 平均的になろうとするのが難しい時代だなって思います。フツウからはみ出したくないと思っていたとしても、そもそもフツウの定義がない。だからこそ、自分の好きなように生きていけばいいのではないでしょうか。それこそ今はインターネットが普及してニッチな趣味でも繋がれる。自分の好きなものを突き詰めていく方がフツウというか。

――これといった好きなものが明確にある人ばかりではないと思うのですが、どうやったら好きなことが見つかるでしょうか。

ハヤカワ 好きなものがないと思っているのは、心に余裕がない時か、“好き”のハードルを自分で上げている時か、どちらかのような気がします。「ご飯はこれが好き」とか「芸能人はこの人が好き」とか、なんでもいいと思うんですよ。「こんな程度で好きと言っちゃいけない」と自分でストッパーをかけてないか。かけてない上で好きなものがないならそれでもいいと思います。

一生寄り添えるパートナー探しのルール

『私だけの選択をする22のルール』出版イベントの様子。

――これだけは譲れない、パートナーに求めるルールはありますか?

ハヤカワ 最近パートナーができたのですが、出会って早々、私の結婚観を延々1時間、語ってみたんです。価値観が合わず元カレと別れた理由や苗字を変えたくないこと、出産のタイミングは自分で決めたいし、結婚前提じゃなければ付き合うつもりはないなど、私の価値観を提示しました。その上でお付き合いに至ったので、理解を持って向き合ってくれていると感じます。

いきなり結婚観ってヘビーに思うかもしれませんが、「自分はこう思っている」というのを伝えるのが大事だし、それを言って嫌われるくらいならいつかは嫌われちゃうわけだし。そういうのを言い合える間柄ってヘルシーですよね。

――相手からの条件はありましたか?

ハヤカワ 仕事観や人生観についてはありましたけど、結婚や出産に対してはそこまで強いリクエストがなく尊重してもらえています。だからお互いに譲れるところがマッチしていました。フルオープン作戦でいったら意外と交際まで早かったし、お互い目線もあっていて足並み揃っている感じがします。先々のことはどうなるかわからないですけどね(笑)。

――恋愛にもハヤカワさんらしい独自のスタイルがあるのですね。過去の恋愛から学んだことはありますか?

ハヤカワ 実は今の恋愛の前に、私を大きく成長させ、今の私の指針の一つになった恋愛がありました。3年前の話です。私は早い段階で小さくはありますが成功してしまって、人から指摘を受けづらくなっていました。たまに指摘されると、自分を否定されているように思えて、なかなか聞き入れられなかったんです。あと、可愛いと言われても言葉通りに受け取れなくて……。そんな時、彼に「俺のことを信用しているなら受け入れて」と言われて、尊重すべき相手からの助言や褒め言葉は素直に受け入れてもいいんだと考えられるようになったんです。そから私は、人に対して優しくなったし、オープンになったと感じています。

私たちがマイルールを見つけるには

――公私ともに、精力的に活動されているハヤカワさんですが、モチベーションを上げるために意識していることがあれば教えてください。

ハヤカワ よく寝てよく食べること。忙しくても毎日7時間は寝ています。だって化粧品にいくら使っても、見た目のコンディションは体の内側から現れてきます。また、それによって起きるメンタルの不調も防ぎたいので、不足しがちな鉄分やタンパク質を意識的に摂っていますね。ベースに健康があるからこそ、湧いて出てくるのがモチベーションなのかなと思います。

――最後に、自分のルールを見つける方法を教えてください。

ハヤカワ 自分が直感的に大切にしていることを思いついたまま紙に書き出してみる。そうすると内在化されているものが可視化され、何を大切にしたいのかがわかってきます。ちなみに私は「愛」でした。

きっとそれも健康がないと見えてこないのかもしれません。まずは自分のルールを持ちうる肉体や精神をつくらないと。健康があって、はじめて余裕が生まれる。だから人のことも考えられるようになるし、自分らしい選択も見えてくるのではないでしょうか。

<関連リンク>
https://www.amazon.co.jp /dp/4040640683/

<ハヤカワ五味さんプロフィール>
1995年東京生まれ、多摩美大卒業。課題解決型アパレルブランドを運営する株式会社ウツワ代表取締役。 大学入学後にランジェリーブランド《feast》、2017年にはワンピースの《ダブルチャカ》を立ち上げ、Eコマースを主として販売を続ける。2018年にはラフォーレ原宿に直営店舗《LAVISHOP》を出店。AbemaTV『Abema Prime』、TOKYO MX『モーニングCROSS』などの番組に出演中。現在は生理用品の新プロジェクト「イルミネート(illuminate)」を推進。女性をエンパワメントするために幅広く活動している。

フォトグラファー。岡山県出身。東京工芸大学工学部写真工学科卒業後スタジオエビス入社、稲越功一氏に師事。2003年フリーランスに。 ライフワークとして毎日写真を撮り続ける。
東京都出身。デザイナーを経て、オウンドメディアの編集長や出版社のWEBディレクター、雑誌のライターなど。女性の生き方について思考するのと、鳥を愛でるのと、お酒を飲むのが好き。