Dr.尾池の奇妙な考察

【Dr.尾池の奇妙な考察15】異性をいやらしい目で見てしまう件について

化粧品の開発で、それまで縁のなかった「女性の美」について考えるようになった、工学博士であり生粋の理系男子である“尾池博士”。前回、いやらしさゼロで女性を見ることをあきらめたと書いた博士。その真意を聞いてみたところ、性のグラデーションが新たなステージへと発展。

●Dr.尾池の奇妙な考察 15

いやらしさはゼロにできない

男性でも女性でも、強さとはいったい何なのか、考えることがあると思います。腕力が強さに直結しがちですが、柔よく剛を制すという言葉もあります。武道は心技体を重んじ、なによりも礼を求めます。静寂の向こうに本当の強さがあるような気はしますが、それ以上のものはつかみどころがなく、辿り着く気配もありません。

開発においても時折この強さが決め手になることがあります。何事もそうですが苦渋のあきらめの先に思いがけない突破口が見えてくることもあり、静かな決断に強さが求められます。もしかしてあきらめるって、明らかにしてからやめること? 先人の妙味に驚いたり、自分の足りなさに落胆したり。そして明らかになったデータの中のヒントにひとまず安堵し、見えていた(と思い込んでいた)道をあきらめて別の道を行く。

私のあきらめ遍歴の中で特に救いのヒントとなったものは、女性をいやらしい目で見ないなんて自分には不可能だ、というあきらめでした。

性の波

それまでは女性の「いやらしい目で見られた」とか、「〇〇(芸能人)は全然いやらしくない」という言葉を聞くたびに、「俺はいやらしい目をしていないだろうか」と自分の目の見た目を過剰なまでに気にしていました。

まずいやらしい目がどういう目のことを言っているかがぜんぜん分からない。お風呂の鏡の前で、下向き加減に「こうかな?」とか、斜め目線で「こうかな?」とか、片方の口角だけ上げて「こうかな?」とか、いろいろ試しますが、いやいや、こんな目はさすがにしていないだろう。たぶん俺はぜんぜん分かっていない。女性が感じているいやらしい目というものを。そもそも女性がいやらしい目をしているところを見たことがないから一方的すぎる。考えようがない。

俺はいったいどんな目をすればいいのか。そんな男子中学生みたいなことで悩み続けていたとき、逆に自分が女性に対して感じている印象に「波」があることに気が付きました。普段意識していない女性がある日はとても美しく見えたり、街ゆく女性が皆、魅力的に見えたり。

自分の見た目をコントロールするなんて限られた俳優にしかできないこと。さらには性的な欲求をゼロにすることも、限られた修行僧にしかできないこと。もしかしたらそんな高度な仕草の問題ではなく、知らなければならないことが他にあるのかもしれない。

性の振動

そしてtelling,で性のグラデーションについて考察するに至り、ようやく気が付くことができました。性のグラデーションについてはこちらの記事をご覧ください。性に横軸があるなら、当然、縦軸もあるはず。性の横のグラデーションに交差するように、性的高揚が縦に振動している。

3Dの波に浮かぶ尾池ロボ

これを自覚したとき、やっと「いやらしい目」から解放された気がしました。横に広がる性のグラデーション上に自分が位置する性があり、その性特有の縦揺れがある。まずはその振動を自分のこととして理解しなければならない。

気分が高揚しているときに女性を見れば、当然、いやらしい目、いやらしい雰囲気をまとう。だから気分が高揚している時は控えめに行動すればいい。しかし逆に積極的に行動すべき時もある。縦揺れをそのタイミングに合わせればいいのではないか。

性の共振

性のグラデーションは平面に広がり、そこに立体的に重なる縦の振動が波打っている。私たちはたぶん、ブラックホールと中性子星が織りなす微弱な重力波のように、宇宙に漂う波として存在しています。無数の様々な波が漂い、時にぶつかり、打ち消し合う。しかし上手く気分が重なった時、二つの波は共振し、合体する。この共振と合体こそが恋愛であり、セックスなのではないでしょうか。

共振したければ、相手の振動のリズムに合わせなければならない。それが少しでもずれれば、相手の波を打ち消してしまう。相手の波長と振動数を尊重しなければ共振などできないし、合体なんてとても不可能。ぴったり一致したときだけ、共振し、合体し、二人は巨大な波となる。

今回のまとめ

横に広がる性のグラデーションには、縦揺れの振動が重なっている。それぞれの性に、それぞれの振動がある。異性に感じる気分の高揚とは縦の振動。そして他の振動との共振こそが、恋愛であり、セックス。相手の波長と振動数を尊重しなければ、共振なんて不可能。まずは相手をよく知り、ぴったり合わせること。それが共振の第一歩。

<尾池博士の所感>
人間以外の生物や星って、なんで堂々と合体できるんだろう。

工学博士/1972年生まれ。九州工業大学卒。FILTOM研究所長。FLOWRATE代表。2007年、ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞受賞。2009年、PD膜分離技術開発に参画。2014年、北九州学術研究都市にてFILTOM設立。2018年、常温常圧海水淡水化技術開発のためFLOWRATE.org設立。
イラストレーター・エディター。新潟県生まれ。緩いイラストと「プロの初心者」をモットーに記事を書くライターも。情緒的でありつつ詳細な旅ブログが口コミで広がり、カナダ観光局オーロラ王国ブロガー観光大使、チェコ親善アンバサダー2018を務める。神社検定3級、日本酒ナビゲーター、日本旅のペンクラブ会員。
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