「歩くパワースポット」湘南乃風SHOCK EYE〈後編〉必読・運気up法
小さな習慣を積み重ねる大切さ
――telling,世代の女性は、仕事、転職、結婚など「大きな」トピックで悩むことが多いです。でもSHOCK EYEさんの本を読んで、タイトルにもあるように「小さな」習慣こそが大切なのかなと感じました。
SHOCK EYEさん(以下、SHOCK EYE): 自分が何に悩んだり不安に感じているのか、漠然としていて正体がわからないという方、多いのではないかと思っています。そういう人ほど、小さな習慣を積み重ねていって欲しいです。
たとえば、一見無関係に思える仕事の悩みと恋愛の悩み、どちらかのほんの小さな部分が解決すると、ほかの悩みも何となくラクになったりして、悩みって意外と、自分の心の奥深くではつながっていたりしませんか。
そんなふうに複雑に絡み合う不安の全部はわからないから、目の前のことから解決していくのが大事だと考えています。今、目の前にある小さいノイズを取り除いていくイメージです。
――具体的には、どんなことから?
SHOCK EYE: 本では、「スマホの画面にひびが入ったらすぐに修理する」という話を紹介しました。一日に何度も見るスマホが、割れた画面では、見るたびに少しイヤな気分になりますよね。そういう小さなノイズをできるだけ取り除いていったほうが、心穏やかに過ごせると思うんです。
――小さな不快や違和感をそのままにしないで、きちんと対処するということですね。たとえば上司の意見に違和感を持ったら、「間違ってます!」って伝えてみるとか?
SHOCK EYE: いやいや、それはハードルが高すぎる。僕、ムリですよ。
正面切って異を唱えるといった一足飛びの挑戦ではなく、もっと小さなことからです。気さくに挨拶するようにしたり、職場の掃除を率先してやってみたり。そういう小さな積み重ねで、まわりから信頼されたりして、結果上司に意見をいいやすくなる。そんなふうに「流れ」って生まれていくんじゃないのかな。
――SHOCK EYEさん自身は、「歩くパワースポット」に見合う人間になろうと思った時、何からはじめたんですか?
SHOCK EYE: パワースポットと聞いてなんとなく「神棚かな」と思い、ネットで神棚を買いました。それで毎朝手を合わせてみたら、なんだか気分がいい。だから続けることにしたら、一日をすっきり氣持ちよく始められるようになっている。さっきの話と同じで、小さくてもいいから実際にできることから行動してみたんです。そこがすごく大事だったんだと、実感しています。
悩みはなくならないから、上手に付き合う
――本の中には「荒波が来た時に自分をホールドするブレない存在がない人が多いのでは」とありました。自分をホールドするよりどころを見つけるためには、どんなことに取り組めばいいでしょう?
SHOCK EYE: やっぱりそれも、目の前のことにちゃんと向き合って、小さな積み重ねが大事だと思います。それに、よりどころが欲しい、つまり不安があるっていうのは、ちゃんと考えている証拠。悩みがあるからその先に、じゃあどうしようと考えたり、学んだりできるわけですから。
僕自身も、不安はずっとありましたよ。曲がヒットした時でさえ、有頂天になるどころか、焦りや恐れもありました。
――不安や恐れは、なくなるものではないのですね、どう整理していけばいいでしょう?
SHOCK EYE: 人の不安は「もしかして間違ってるかも?」というところから生まれるのだと思います。それって、損得勘定が裏にある。間違いたくない、失敗して損(嫌な思いを)したくないっていう。
そうではなくて、眼の前にあることを一生懸命やって、「やりがいがある」「楽しいと」思えたら、それはもう不安や恐れを超えているんじゃないのかな。
音楽を始めた当初、まわりには「うまくいくわけない」と思われていたけど、僕は音楽と向き合う時間が楽しかった。どうしたらうまくいくだろうという不安を解消するために、目の前の小さな工夫を重ねてきた結果、今があります。
小さな成功体験を重ねていくと、「次はこうかな」「こっちかな」というのが自分の中から自然と出てくるようになったんです。それでいつの間にか、大きな一歩を踏み出せるようになってきた。
先のことは、考えすぎないほうがいい。損得ではなく、自分の感情で動いてみる。
そうやって、大きな一歩を踏み出せるようになることが、「運気が上がる」ということなのかもしれません。
●SHOCK EYE(しょっく・あい)さん プロフィール
1976年生まれ、神奈川県出身。RED RICE、若旦那、HAN-KUNとともに「湘南乃風」を結成。2003年、アルバム『湘南乃風 ~REAL RIDERS~』でデビュー。これまでに19枚のシングルと7作のアルバム、ベスト盤2タイトルをリリース。11年にはポルノグラフィティの新藤晴一、サウンド・クリエーターの篤志と「THE 野党」を結成。また、近年は℃-uteやジャニーズWEST、YouTuberのフィッシャーズなど幅広いジャンルのアーティストに楽曲提供を行う。19年春、初の著書『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』を上梓。
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