2025年のマネープラン、幸せなお金の増やし方・使い方とは？
ポイントは計画性と持続可能性
「幸せ」の定義は人それぞれで、「いくらお金を貯めたら幸せになれる」という絶対的な基準はありません。見ようとしなくても情報がどんどん目に入り、焦ってしまうことも多い時代だからこそ、自分軸を持っておくことが大切です。
誰もが“億り人”になる必要はありませんし、見知らぬ誰かと比べて「私はまだまだお金を増やせていない」と悲観する必要もありません。
幸せを感じられるかどうかは自分次第であることを、まずは押さえておきましょう。
その上で、計画性や持続可能な方法といったところはポイントになります。毎日生活を切り詰め、睡眠時間を削って働きお金を増やそうとしても、心身に負担が掛かれば続けられません。想定外だったり、予算や目的意識なくずるずると使ってしまったりすれば、せっかく大切なお金を使っても満足感は得られません。
支出を減らすより、収入を増やす・お金を働かせる
「お金を増やす」ための方法として、私たちは真っ先に「支出を減らす」ことを考えてしまいがち。ですが新年早々、食料品やガソリン、公共交通機関の値上げがニュースになるなど昨年に続いて物価が上がる中で、支出を減らすのは至難の業です。
物価の上昇は私たちの力では何ともできませんから、生活費は多少上がってもやむを得ないと考えておきましょう。それに食費や日用品費を切り詰めて、QOL（生活の質）を下げてしまっては元も子もありません。
だからこそ、支出を減らすことよりは、収入を増やす・お金を働かせる方法を考えたいところです。
ただし、固定費と“悪いラテ・マネー”は削減の余地があります。
ラテ・マネーについては♯4（「家計管理のキモ！＆“ラテ・マネー”って何？」）でご説明しました。忙しい日々のモチベーションアップに繋がる“良いラテ・マネー”は予算を決めた上で使っても構いませんが、目的意識がないのに惰性でつい使ってしまう“悪いラテ・マネー”は極力0にしましょう。
今年は「賃上げの定着」が目標とされており、賃金アップが期待できるという方も多いかと思います。一方で、所得税に関する103万円の壁は引き上げが決まり、社会保険に関する106万円の壁は数年内に撤廃される方向です。 “壁”がなくなることを知らずに働き方を抑えてしまうと、得られるはずの収入をみすみす失い、物価高のデメリットだけを被ることになりかねないので注意が必要です。
なお、103万円の壁が引き上げられることにより税負担が軽減される効果は、25年に関しては年末調整の時期まで感じられないことも覚えておきたいところです。
増やす仕組みを作ったら、“果報は寝て待て”
貯金や投資にまわす額について、「収入－支出」、つまりお給料から生活に必要な額を出して、もし余ったら貯金や投資に充てよう……と考える方も多いでしょう。しかし、本来はその逆が望ましい。お給料を受け取ったらまずは貯金や投資にまわす額を確保しておき、残った額を生活費などに充てる「先取り貯蓄」にすれば、着実にお金を貯めることができます。
積立投資も、口座の開設や投資先の選定など、頑張るのは最初だけ。仕組みを作ったら、“果報は寝て待て”スタイルがオススメです。
マネープランといっても、難しく考える必要はありません。スケジュール帳や家計簿などに、ノートに書いたような項目をメモしておくだけでも構いません。大事なのは、ご自身の状況を定期的に確認することです。
投資について、「まだ知識が十分でないから始めるのが怖い」、「何を買えばいいか分からないから、とりあえず様子見」と立ち止まっている方が多いことは、個人的にはとてももったいなく感じます。♯48（「新NISA開始へ 資産運用の3大原則を知ろう」）でお話ししたような、最低限知っておきたいコトはありますが、それよりも“習うより慣れよ”で少しでも早く一歩踏み出した方が、「時間」という最大の武器を味方につけることができます。
難しく考え過ぎず、シンプルで構いません。立ち止まって悩むよりは、ゆっくりでもいいので歩きながら考えることをオススメします。
目標、まずはスモールステップで
今年の目標はできれば複数、必ず達成できそうな小さな目標と、少し頑張らないと達成できない大きな目標を考えてみるのがオススメです。小さな目標をクリアすることで達成感を味わうことができ、大きな目標へのやる気にも繋がります。ジョギングをする際、「まずは次の信号まで走ってみよう」、「信号まで走れたら、次はあの建物の前まで頑張ろう」とスモールステップで目標を設定することで走り続けられるのと同じです。
アンテナを立てて変化を見逃さない！
今月下旬、日銀による追加利上げが行われました。昨年7月の利上げ時は“サプライズ”と受け止められて為替と株価が乱高下し、大きな混乱が起こりました。今回は事前に利上げの可能性がアナウンスされたこともあり、前回と比べれば落ち着いて受け止められるのではないかと思います。
金利が上がったことの影響は実生活にも表れ始めています。昨年は預金金利が上がったことが話題になりましたし、我が家には先日、住宅ローンの変動金利が上がる旨の通知が来ました。これを受けて早速、夫婦で話し合い、借入額の一部を繰上返済することに。
もちろん、家計の資産状況によって繰上返済すべきかどうかは異なりますが、大事なのは変化を見逃さないこと。
忙しい毎日の中でも、「住宅ローン」「教育費」など、ご自身に関係するキーワードだけでもアンテナを立てておけば、変化に対応できます。
昨年に続き、多くの方にとって数十年ぶりのこと、初めてのこと、そして想像もしていなかったことが起こっています。正しい知識を持っていれば、自分らしい人生を送るための進むべき道が見えてきますよ！
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