家計の点検、まずはココから! キャッシュレス決済や家計簿の注意点は
20年ぶり新札発行!も、出番が減りゆく現金
20年ぶりに新札が発行されたものの、前回の改刷(お札の絵柄やデザインを変えること)時に比べると、それほど大きな話題にはならなかったように感じます。それもそのはず、国は2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にするという目標を設定しており、経済産業省によると23年の同比率は39.3%となるなど、現金の出番は徐々に減っています。
実際、私が初めて新札を手にしたのは改刷から3週間以上経った7月下旬。旧札と比べてカラフルで数字も大きく、なんだかお札ではないみたい……と不思議な気持ちになりました。
旧札も引き続き使用できるけれど……
旧札も引き続き使用できることは、日本銀行法という法律で保障されています。とはいえ、将来的には自動販売機などが旧札に対応しなくなる可能性もありますから、記念に取っておくのであれば、数枚だけにしておく方がよさそうです。
古いお金についてはこんな笑い話も。夫の曽祖父が「100円玉貯金」として旧100円玉をたくさん貯めていたのですが、受け継いだ夫が銀行に持って行ったところ、経年による汚れのため預け入れを断られてしまいました。色々と調べた結果、トイレ掃除に使う洗剤で汚れが落ちるとの情報を得て、事なきを得ました。
ただし、100円硬貨は自宅に置いておけば、何十年経っても「100円」のままで、利息も付きません。銀行へ預け入れたり株式への投資に活用したりしていれば、何倍もの価値を生んでいたかも………と考えると少しもったいなく感じました。
キャッシュレス決済は注意点を押さえて
元々、東京五輪・パラリンピックなどで訪日外国人が増えることを見据えて推進されたキャッシュレス決済ですが、コロナ禍を経て私たちの生活にすっかり定着しました。
キャッシュレス決済の中でも存在感を増しているのが、スマホアプリでQRコードやバーコードを読み取って支払いをするコード決済。実際、財布を一度も開かない日はあっても、スマホを触らない日はないという方も多いのではないでしょうか。
便利さから手放せなくなっているものの、実はきちんと管理できていないという方もおられるかもしれません。
キャッシュレス決済の注意点については、♯5(「キャッシュレス決済ここに注意!」)でもお話ししています。
支払履歴を確認するのは、万が一の不正利用に備える意味でも重要です。財布を落とせばすぐに気付きますが、キャッシュレス決済の不正利用は確認していなければ分からない場合も。なるべく1週間に一度、少なくとも1か月に一度は履歴を確認するようにしましょう。
チャージもなるべくこまめに、使い切れる額を意識して行うのがポイント。財布の中のお金が減らないからこそ、現金以上に「使う必要のあるお金かどうか」を考えるようにしましょう。
株価の乱高下、投資初心者の心構えは?
ところで、7月末から8月にかけて、為替や株価が乱高下し、不安に感じた方も多かったのではないでしょうか。
アメリカの景気後退懸念が高まったことに加えて、日本銀行が追加利上げを発表したことで日米の金利差の縮小が意識され、一気に円高・ドル安に。日経平均株価は8月5日に過去最大の暴落、そして翌日には過去最大の急騰を記録しました。
新しいNISAのスタートをきっかけに投資に踏み出し、初めての荒れ相場に動揺して「やっぱり投資は怖い」と感じてしまった方もおられたかと思います。
細々とではありますが、20年以上投資を続けてきた私がこの乱高下の中で思ったのは、「また来たか……」と、「安くたくさん積み立てできてラッキー!」という2つ。
度重なる○○ショックも、長い目で見ると
相場が大きな下落に見舞われたのはこれが初めてではありません。
最近でいうと20年の“コロナ・ショック”。それ以前にも数年ごとに〇〇・ショックと呼ばれるような暴落がありました。時にジェットコースターのような動きをしながらも、長い目で見ると株価は経済の成長とともに上昇してきています。
もちろん、過去の動きが将来を約束するわけではありませんし、“失われた30年”と呼ばれた日本のように長く株価が低迷する場合もあります。それでも、歴史は繰り返すものと考え、大きな心配はしませんでした。
それに、我が家のメインは投資信託の積立投資。♯48(「新NISA開始へ 資産運用の3大原則を知ろう」)でお話しした通り、積立投資は「ドル・コスト平均法」の仕組みによるメリットを受けやすいのですが、それは基準価額という投資信託の“値段”が安くなり、たくさん買える時期があってこそ。今回の暴落も、平均購入単価を下げるチャンスがやってきた!と前向きに捉えていました。
積立投資をしているのであれば、一時的にマイナスになっても投資をやめないことが何よりも大事。この点は、必ず押さえておきましょう。
投資は「明日より、10年後どうなっているか」
為替や株価の動きを予想するのは困難ですが、私たちにできることもあります。それは、自分のリスク許容度(受け入れられる値動きの振れ幅)の範囲内で、長期・積立・分散投資という基本ルールを守った投資を淡々と続けること。
今回の急落で動揺してしまった方は、リスク許容度を超える投資をしていたのかもしれません。ドキドキして寝られない、株価の動きが気になって仕事や日常生活が手に付かないのであれば、「超えている」というサインになります。
投資をする時に大切なのは、「明日はどうなっているか?」ではなく、「10年後にどうなっているかな?」という気持ちでいることです。家計管理と同様、“未来の視点”を持つことで、短期間の値動きに一喜一憂する必要はなくなりますよ。
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