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ノートで学ぶマネーの「常識」 FP fumicoの“Live colorfully”#56

【FP fumico】どうする?物価高、住宅ローン。超円安・金利上昇、暮らしへの対策は?

久しぶりに海外旅行に行きたいけれど、円安が進んでとにかく旅行費用が高い……。そんな声も聞こえてくる夏休みシーズン。ここまで円安が進んだ理由とは? 円安や金利上昇が実際の暮らしに与える影響とは? 「マネー」に関するインスタグラムへの投稿で主に20~40代の女性から支持を集めるFP(ファイナンシャルプランナー)のfumicoさんが、インスタでもお馴染みの手書きのノートとともに解説します。
【FP fumico】定額減税スタート。気をつけるべきポイントとは? 【FP fumico】我が家のNISA活用法“公開”します

 海外旅行が“高い”! 円安が進んだ理由とは?

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コロナ禍が落ち着いて2度目の夏を迎え、海外を訪ねる旅番組もよく見かけるようになりました。日本では見ることのできない景色や、その土地ならではの料理にこころ躍るものの、円換算した物価の高さに驚いた方もおられるのではないでしょうか。一方、日本に来て豪華な海鮮丼を食べたり、高価なブランド品を購入したりする外国人観光客の姿がニュースになるなど、海外旅行は“高く”、日本への旅行は“安い”コトになってしまっています。

ここまで円安が進んだ大きな理由が「金利差」。
日本はマイナス金利を解除したとはいえ、いまだ低金利国。一方、日本以外の多くの国は金利を上げています。他にも理由はありますが、「お金を増やしにくい国」として敬遠された結果、日本の通貨の価値が下がってしまっているのです。

物価上昇に直結。投資には“追い風”も

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円安で、最初に私たちの暮らしに影響があるのが、輸入品の値上がりです。日本は食料自給率が低く、牛肉やチーズ、とうもろこしに小麦など多くの食料を輸入しています。ガスや電気といったエネルギーも輸入に頼る部分が大きいため、円安は物価の上昇に直結し、私たちの暮らしにとって“向かい風”となります。
一方で、輸出企業が多く、円安が進めば一般的には株価が上がりやすい。また、今年始まった新しいNISAでは、米国株を始めとする海外の株式に投資する投資信託が人気を集めています。これらの株式や投資信託を持っていれば、円安を“追い風”と感じることもできます。

歴史的な円安水準を受け、財務省はドルを売って円を買う為替介入を行っていますが、効果は一時的なもの。実際、4月末から5月頭にかけて過去最高と言われる9.7兆円もの為替介入を行いましたが、わずか2か月で元の水準まで戻りました。7月11日と12日にも為替介入を行ったのではないかと言われていますが、大きな効果は期待できないように感じます。
また、本来は受給のバランスで決まる為替市場に国が介入することを快く思わない国も多いため、何度も取れる方法ではありません。

預金金利も住宅ローン金利も上がる

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金利は「その国の景気の状態が過熱しているか、停滞しているか」のバロメーター。景気が過熱している場合、行き過ぎるとインフレが起こって物価がどんどん上がってしまうため、中央銀行が政策金利を上げる(金融引き締め)ことで企業や個人がお金を借りづらくなり、経済活動を落ち着かせてインフレを防ぐ。逆に景気が停滞している場合、政策金利を下げる(金融緩和)ことで企業や個人がお金を借りやすくなり、経済活動のエンジンを掛けられるよう後押しします。まるで、乗馬で馬の手綱をピンと引いたり緩めたりするようなもので、力加減を誤れば、私たちの生活に思いもよらぬ悪影響を与える可能性もあります。

マイナス金利の解除をきっかけに、メガバンクを中心とした金融機関が普通預金の金利を引き上げたことも話題になりました。とは言っても、これまで年0.001%だったものが0.02%になっただけ。「20倍!」と聞くと大きく感じますが、100万円を1年間預けて10円だった利息が200円(税金を引かれる前)になったという程度です。昨今の物価高を考えれば、“焼け石に水”と感じる方も多いのではないでしょうか。
一方、変動型の個人向け国債については7月発行分の初回利率が0.69%まで上がってきており、お金の置き場所としてのメリットを感じます。

予測できないからこそ、複数パターンの対応策を

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為替と金利の動きは予測できないことも多い。
だからこそ、さまざまなケースに備えて、「この場合はこうしよう」と何パターンか対応策を考えておくことが重要です。
たとえば、外貨建て資産を持つことは円安が続くことへの備えになりますが、既に持っている場合は、今後、金利差が小さくなって円高になることも考え、一部を利益確定(売却)しておくこともひとつの選択肢になります。

住宅ローンについては♯50(「家は買う or 借りる? 選択する前に考えたいライフプランと購入時のポイント」)でもお話ししたように、これまでは金利の低い変動金利型を選ぶ方が多かった。繰り返しになりますが、「これまで」は「これから」を保証するものではありません。
物価高が続く中、金利が上昇して住宅ローンの返済負担まで増えることになると、家計が立ち行かなくなるおそれもあります。変動金利型で借りている場合は、どれくらい金利が上がれば繰上返済をするか、またそのためのお金をどのような運用方法で準備するかなど具体的に考えておくことが望ましいといえます。

私たちは今、まさに歴史の転換点に立っています。10年後には、「2024年はすごいことが立て続けに起こり、歴史が大きく動いた!」と振り返ることになるはず。
為替や金利といった難しい話は自分には関係ないコトだと思いがちですが、日常生活にも深くかかわっています。どのような影響があるのか考えながら学べば、日々の暮らしにも役立ち一石二鳥となりますよ。

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FP fumicoの“Live colorfully”の次回は、8月30日に公開の予定です。

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CFPⓇ保有のファイナンシャルプランナー。 大学卒業後、生命保険会社や市役所での勤務を経て、2017年12月より「お金」に関するInstagramへの投稿を始める。社会保険や税金・資産運用といった学ぶ機会がなく、話題にも上りづらいコトを身近に感じてもらえるよう、解説の投稿は手書き。趣味は起床後すぐの15分ヨガと、株式投資。