【連載#最終回:松村未央の毎日が末広がり】夫(陣内智則さん)と結婚6年、可愛げよりも強さの今 

報道番組などを担当するフジテレビアナウンサーの松村未央さんは、2017年にタレントの陣内智則さんと結婚。翌年に第1子となる女児を出産しました。陣内さんとの夫婦関係や、キャリアと家事・育児の両立――。松村さんが日々、感じたり、考えたりしていることを率直に語るコラムを、毎月第4土曜日にお届け。最終回は、パートナーとの向き合い方や人生の分岐点での選択について語ります。
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変わりゆく夫婦関係で気をつけていること

年明けに始まったこの連載も今回が最終回。2023年ももう半年たつんですね。時の流れが年々速くなっていくように感じます。

夫と結婚してから、この6月で丸6年です。付き合っていた頃、結婚した頃、子どもが生まれてから。その時々で、夫婦の関係は変わっていきますよね。接し方やしゃべる内容、言葉遣い、態度や表情も変わっていると思います。

それはよい意味で変わったということばかりではなくて。付き合っている時や新婚時代は、やっぱりよく見せようとか、可愛い自分でいよう、というのは誰にでもあると思うんです。でも今は、時間に追われて、子どもの世話や家事にいっぱいいっぱい。余裕がないと夫に冷たい態度をとってしまっていることもある気がします。

新たに守るべきものができて、母親としても色々なことを気にかけなくてはいけなくて、気を張っていないと物事がうまく進まない。今は可愛げより、強さかな。母になって強くなったと思います。スマホのメモに毎日「TO DOリスト」を書いていて、それがだんだん片付いてくると、ちょっとスッキリして心の余裕ができてきます。

付き合っていたころと変わらないLINEのやり取り

夫婦間に限らないことですが、相手に思いやりを持って接することはすごく大事だと思っています。相手が今どういうふうに思っているか、自分だけでなく相手の気持ちを考えて、行動して、言葉を発する。私がとても大切にしていることです。

夫は、毎日のように娘を保育園に送ってくれたり、気付いた家事をやってくれたり、可能な限り協力してくれます。家事や育児で夫に頼みたいことがあると、「なんでしてくれないの」という強い言い方はせず、「洗濯物を畳んでくれると嬉(うれ)しいな」「畳んでおいてもらえると助かる」とやわらかくお願い形式で伝えるようにしています。

もしモヤモヤが生じたとしても、いったん自分の中で消化して、言葉選びに気を付けて、伝える。私は喧嘩(けんか)が苦手なので、そうなる前に防いでいるんです。喧嘩して仲直りするという夫婦もいると思うのですが、うちはお互いに喧嘩したくない平和主義なんです。

それでも、よっぽどイライラしている時は、感じ取ってほしいと思って、夫の前でため息をつくこともあります。家に1人でいる時は、ぶつぶつ独り言を言うこともあります。ちょっとこわいですよね(笑)。そうやって自分の中で浄化して、ストレス発散しているのかも。人にぶつけるというよりは空間にぶつけてスッキリする。隠し撮りされたら大変です(笑)。

やっぱり夫婦間の会話は大事ですよね。2人の時間がとれるときは、一緒にランチしながら色々と話しています。夫は自分からは仕事の話はしません。少し落ち込んでいるのかな?と思っても、こちらからあまり深掘りはしません。本人が話したかったら話してくれると思うので、話したいことがあれば聞くし、なければ放っておくというスタンスです。

夫が忙しくてあまり家にいない分、LINEはよくしています。夫は付き合っている時からマメで、連絡はしょっちゅう来るタイプ。結婚してからもそれは全然変わらなくて、毎日連絡は頻繁に取り合っています。仕事中の癒やしになればと思って、私は娘の写真や動画をよく送っています。

娘はとにかく褒めて、自信を育てたい

4歳半の娘は、最近では自分の身なりに気をつけるようになりました。髪形にこだわったり、メイクをしたいと言い出したり、おませなんです。いまだにベビーカーに乗りたがる幼い一面もあるのですが。

子どもに対する親の態度や言葉は、すごく大切ですよね。成長に直結していると思うので、心がけていることはたくさんあります。例えば、娘といる時は、「ながら」ではなく、ちゃんと話を聞いて、隣でよく見てあげること。スマホに仕事の連絡が来ることもあるので、つい見てしまうこともあるのですが、そうすると娘から「携帯置いて!」って言われるんです。自分のことをちゃんと見てほしいんですよね。

褒めることも大事。「できた」っていう経験がまた成長につながると思うので、絵を上手に描けた時や、ひらがなの練習をしている時、「すごい!」「天才だね!」「なんでそんなに上手なの?」って、たくさん褒めてあげます。褒められると、娘は本当に嬉しそうな顔をします。最近は、「保育園でお野菜全部食べたよ」と自慢してくるんです。その自信をどんどん次に繋げていってほしいですね。

自分自身も小さい頃、何かが得意だということが、知らず知らず自信に繋がったと思います。私は運動が得意で、幼稚園から高校までずっとリレーの選手でした。海外に引っ越した小学生の頃も、言葉がそんなに話せなくても、足が速いというだけでクラスのみんなから「すごいね」と言われて、仲間に入れてもらえたことがありました。自分を認めてもらえたようですごく嬉しかったです。

娘にも選択肢をたくさん用意してあげたいと思います。勉強でも運動でも歌でも絵を描くことでも、なんでもいいですが、一つ自信を持てることがあるといい。それを見つけてあげたいです。

「世界は広いのだから、なんだってできる!」

telling,読者世代の方は、結婚や仕事などさまざまな分岐点に直面しますよね。私は、選択するときは直感で選ぶタイプ。迷ったとしても、最終的には直感の道へ行っています。周りがどう思うかよりも、自分の素直な気持ちに従う。周りの言うことが正解という場合もあるかもしれませんが、それに従って「ちょっと違うな」と思った時、私だったら後悔すると思うんです。「やっぱり自分を信じればよかったな」と。

だから、自分で決めた方に進んだら、後悔はしません。後悔するよりも、自分が決めた選択に自信を持つ。決めたのは自分なんだから、あとはもう突き進むだけ、という強い気持ちを持ちます。ずっとそういうふうに生きてきました。

もし選択に迷うことがあったら、その道を行く先輩や信頼する人に話を聞いてみるのもいいと思います。想像しているだけではぼんやりしてしまうので、その選択をしたら具体的にどういう状況が待っているか、良いところも悪いところも書き出してみる。その上で選択をする。

旅行で気分転換をして考えるのもいいですよね。私の場合は、海外旅行先でぼんやりと海を眺めたり、ご飯を食べたりしている時、「世界はこんなに広いのだから、なんだってできる気がする!」と謎の自信が芽生えることが多かったんです。仕事でつまずいた時や悩んでいる時、なんでこんなにちっぽけなことで悩んでいるのだろう、と気づかされました。

ハワイ島のビーチでサンセットを見ながら、スペインでパエリアを食べながら、クロアチアのフヴァル島という大好きな島で、海風を感じてご飯を食べながら。いつも「大丈夫だ」と前向きな気持ちになれた。また時間がとれるようになったらどこかに行きたいです。一人旅もいいですね。

昔は、年を重ねるのが嫌だと思うこともありました。でもいざ自分が30代後半になってみると、今ここにいるのが不思議なくらいあっという間だった。10代、20代の頃と比べると視野が広がり、色々なことを受け入れられるようになりました。もちろん顔や体に年相応に気になる部分も出てきたのですが、嫌だなという思いで年を重ねていくのはもったいない。いつまでも若々しく前向きに、わくわくするような年の重ね方をしていきたいです。

【連載#5:松村未央の毎日が末広がり】夫(陣内智則さん)のライブを初めて見た4歳娘の反応は
横浜市出身。慶応大学法学部卒業後の2009年、フジテレビに入社。現在は「めざましどようび」内のニュース、「FNN Live News days」(土曜)、「めざまし8(ナレーション)」などに出演している。趣味はテニスやゴルフ、カフェ巡りなど
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。