岡本玲、30歳になり頭に浮かんだ「これで楽になり、新しい自分になれる!」

2月4日から公開の映画「茶飲友達」で13年ぶりの映画主演を果たした、岡本玲さん。12歳でモデルとしてデビューし、現在は俳優として活動する岡本さんに、年齢やキャリアを重ねることについてお話を伺いました。
岡本玲さん、主演映画「茶飲友達」で抱いた共鳴する感覚 「強く生きてるふりをしてたけど…」 【画像】岡本玲さんの撮り下ろし写真

年齢との乖離を感じ、昔から背伸びして…

――現在31歳の岡本さん。30歳を前に、結婚やキャリアなどについて焦ることは「29歳問題」とも言われます。20代から30代に変わるタイミングで、不安や焦りはありましたか?

岡本: 30歳になるときに頭に浮かんだのは「これで楽になれる!」ということでした(笑)。今後は、自分への幻想や期待に諦めがついて、生きやすくなるだろうと・・・・・・。それまであった不安や焦りを脱ぎ捨てられたと感じました。

――「29歳問題」から解放された瞬間だったのかもしれませんね。

岡本: 「女性は20代のうちに○○」と、社会の目や期待を感じることはありますよね。どこでそんな考えを植え付けられたのかはわからないけれど、私も20代の頃は意識しちゃっていました。だけど節目を過ぎれば、いい意味でいろんなことを諦めて、新しい自分になれると思って。

そろばん大会用の交通費で上京

――年を重ねてしまったほうが楽になれる、と感じる気持ちには共感できます。岡本さんの場合、早くからお仕事をしていたことも影響しているのでしょうか。

岡本: そうかもしれません。女優というお仕事で、いろんな人の人生を想像して、演じようとするから、身体が年齢を重ねるよりも早いスピードで、心が大人になっていったような気がする。実際の年齢との乖離を感じて、昔から背伸びをしていました。

――年齢を重ねることについては?

岡本: 楽しみです。年齢を重ねるに従って、自分にがっかりしたり、いいところに気づいたりと、少しずつ自分自身をわかってきたから。加えて、自分がこれまで出会った人たちのことも、不思議と愛おしく感じるようにもなってきた。これから人生が、どんどん深まっていくような予感がしています。

――そもそも岡本さんは12歳でファッション誌「ニコラ」のモデルとしてデビューされました。そもそもオーディションへの参加を両親に反対されて、そろばん大会用の交通費で和歌山から上京されたとか。

岡本玲さん(以下、岡本): そうです(笑)。小1から続けてきたそろばんの全国大会と日が重なっていたので、全国大会の旅費で東京へ行って、午前にそろばん大会に出て午後にオーディションを受けました。

「甘え下手」頑張るも満たされない日々

――諦めずにオーディションを受ける方法を考えたのですね。子どもの頃から相当な努力家だったのでしょうか。

岡本: あぁ~そうですね……。努力家というよりも、私は「甘え下手」でしたね。そのままの自分では甘えることができないから、頑張って、頑張って、褒めてもらおうとした。仕事でも目標を立てて、とにかく全力で取り組みました。その貪欲さに、周りの人からは「目標が高すぎる」なんて言われたこともあります。

だけど、頑張ってもなかなか満たされない。自分はモデルには向いていないことも、中学生の時点でわかっていた。そんなときに出合ったのがお芝居でした。お芝居は、本当に難しかったんです。子どもながらに、その奥深さに魅了され、恐ろしくなるほど。そこに魅力を感じた高校生の私は「私は映画女優になるんだ」とのんきに言っていました。

――その後、ドラマや舞台にも積極的に出演し、俳優としてのキャリアを切り拓いてきました。オーディションも積極的に受けられるそうですね。

岡本: はい。今は自分のキャリアのことはあまり考えずに、出たい作品のオーディションを受けるようにしています。それから気持ちがすごく楽になったんですよ。もちろんオーディションに落ちるのは、カッコ悪い。でも、うまくいかないことを経験するたびに、色のなかった自分の生活に少しずつ鮮やかな色が増えて、目の前がカラーに見えていく気がしました。

待つだけより、とりあえず歩き出してみる。行き止まりにぶち当たったら、別の道を探す。そのことに気づいたときに、息が吸いやすくなりました。振り返ってみると、余計なプライドが自分にはあったのでしょうね。

――telling,読者の中には、「やりたいことがあっても、なかなか具体的な行動に踏み出せない」と悩む方も少なくありません。

岡本: わかります。でも、そういう時期があるのは……ダメなんですかね? やりたいことにまっすぐ突き進んでいく人の強さに憧れることはありますが、ずっと強くい続けることはできないんじゃないかな。目標には直接つながらないようなことに直面しているときに、実はその人にとっての近道になっていることもある。何かしら行動さえしていればいい、って今は思っていますね。

岡本玲さん、主演映画「茶飲友達」で抱いた共鳴する感覚 「強く生きてるふりをしてたけど…」 【画像】岡本玲さんの撮り下ろし写真

●岡本玲(おかもと・れい)さんのプロフィール

1991年生まれ、和歌山県出身。2003年、「第7回ニコラモデルオーディション」グランプリを獲得し、モデルデビュー。ドラマ・映画・舞台と活動の場を広げる。主な出演作にNHK連続テレビ小説「純と愛」「わろてんか」や映画「弥生、三月-君を愛した30年-」、舞台「熱帯樹」「森 フォレ」「ロビー・ヒーロー」などがある。

◆スタイリスト:森宗大輔
◆ヘアメイク:SHIZUE

■茶飲友達

監督・脚本:外⼭⽂治
出演:岡本玲、磯⻄真喜、瀧マキ、岬ミレホ、⻑島悠⼦、百元夏繪、クイン加藤、海江⽥眞⼸、楠部知⼦、海沼未⽻、中⼭求⼀郎、アサヌマ理紗、鈴⽊武、佐野弘樹、光永聖、中村莉久、牧亮佑、渡辺哲
製作:ENBUゼミナール
©2022 茶飲友達フィルムパートナーズ

ライター・編集者。1988年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後ベネッセコーポレーションに入社し、編集者として勤務。2016年フリーランスに。雑誌やWEB、書籍で取材・執筆を手がける他に、子ども向けの教育コンテンツ企画・編集も行う。文京区在住。お酒と料理が好き。
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。
“29歳問題”