ノートで学ぶマネーの「常識」

FP fumicoの“Live colorfully”#31 副業“新時代”の到来~押さえるポイント、生かすメリット

「マネー」に関するインスタグラムへの投稿で、20~30代の女性から支持を集めるFP(ファイナンシャルプランナー)のfumicoさん。お金に対する苦手意識を克服する方法や、ちょっとした工夫などをfumicoさんのインスタでお馴染みの手書きのノートでお届けする、31回目です。今回は“安いニッポン”を生き抜くために必要な「副業」について解説します。
FP fumicoの“Live colorfully”#30 「安いニッポン」への自己防衛、その方法は?

“物価上昇、賃金は横ばい”で副業も選択肢に

前回、物価は上昇する一方で賃金が上がらない中、“使える制度は使いきる”ことで支出を抑えたり、積極的に投資をしたり、副業を検討したりといった対策をする必要がある、とお話ししました。

その中の副業について、まず押さえたいのは日本では副業や兼業についての公的な規制が最近まで、無かったということです。
副業・兼業の促進に関するガイドラインが策定された2018年。つまり、それまでは1社で従業員として勤務するか、フリーランスとして働くかの選択肢しか事実上ありませんでした。

それが、ガイドライン策定に加えて、コロナ禍で時間ができたり、賃金が下がったりで、急速に副業が広まった経緯があります。一方、国も22年にガイドラインを改訂するなど副業推進に本腰を入れ、企業側には副業が可能か否かの公表や、副業自体を認めるように要請をしています。
こうした状況を踏まえて、私たちも企業も意識を変えて、“副業をするのは当たり前”となる必要があります。

ところで副業をめぐっては、世代の問題もありそうです。
ソーシャルメディアなどに日常的に接する若い世代は、ネットを通じて単発の仕事を引き受ける「ギグワーカー」などに抵抗感はないでしょうが、中高年層には想像しにくい働き方でしょう。加えて、年配になれば働いている会社への忠誠心が強いですし、今さら違ったことは始められない、という心理もあるようにも感じます。

telling,世代の方は、副業に抵抗感は少ないでしょうし、将来的に転職を視野に入れているも多いでしょう。

転職する際にも副業を探したり、副業で実際に働いて得た情報が参考になったりします。そして、これから副業は拡大する一方だと思われますので、仮に転職する際にも、その会社が副業を認めているか否かも確認した方がいい。学生の方など、これから就職をされるという方も、希望の就職先の副業の可否をチェックするようにしてくださいね。

副業詐欺、手続きなどの負担増も…

しかし、留意点も複数あります。

まず、副業が広まるにつれて増加している詐欺。「簡単に稼げる」という触れ込みで、実際はまったく儲からない情報商材を購入させられたり、「売れる商品を提供するから」と事前に代金を支払わせ、後に業者と連絡が取れなくなったりするよう……。
新しい動きが広がれば、こうしたモノはつきものです。本業に関することなら慣れていたり、会社の規約などから慎重になったりするので、変な業者や広告には騙されにくい。しかし、副業だと個人で判断する局面も多い。注意するようにしてくださいね。

また、社会保険や税金については、日本では1社で勤める前提の制度のままなので、複数企業で勤めたり、会社員と自営の双方の形態で働いたりすると、手続きが面倒。確定申告や副業分の経費管理などの事務作業も自身で行うことになります。

知識や経験も“商品”に?

形態としては、普段働いている会社と違う組織で働くことを副業と思いがちですが、必ずしもそうではありません。

例えばハンドメイドのアクセサリーをサイトで販売するなども立派な副業です。ミシンが得意な方でしたら、小物やシャツなどを売るのもいい。「売り物にはならない」と趣味にとどめている方も多いでしょうが、意外と需要はあるものです。

知識や経験を伝えるという方法もあります。かくいう私も、本業の会社経営の手伝いの傍らで、これまでの生命保険会社や市役所の勤務での経験や、FPとして得た知識をインスタグラムに投稿。telling,でもみなさんにお伝えしています。

次の留意点は当然のことですが、たまにソーシャルメディアで違った情報を目にするので一言。
副業をするにあたっては、お勤め先が認めているかどうかは必ず、確認するようにしてください。

ツイッターなどでは「会社にバレずに副業する方法」といった投稿を見かけますが、会社が副業を認めていない場合に行うと、就業規則違反になります。ペナルティーで減給されたり、出世しづらくなって昇給できなかったりと、副業をすることによって総収入が、マイナスになるということにもなりかねません。100%バレない保証もありませんし、すべては自己責任。

ですので、怪しい情報を鵜呑みにして、認められていない副業を、コソコソするくらいなら、副業を認めるように堂々と会社に働きかけをする方が、よっぽど前向きだと思います。また、副業が許されている場合でも、会社によってその範囲などは違いますので、労働組合や人事のセクションに確認するようにしてください。

副業の利点は収入だけじゃない

副業をすることのメリットは、収入を増やせることだけではありません。

タイムマネジメントのスキルは必ず上がりますし、本業を俯瞰して見ることができるようになります。例えば本業でメーカーでお勤めの場合に、消費者の立場で副業した時には、本業の会社の短所・長所が見えるでしょう。
副業で経営的なことに携わると、マネージャー的な視点から本業を見つめ直すことができるようにもなりますよ。

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FP fumicoの“Live colorfully”は、第2・第4金曜に公開の予定です。

FP fumicoの“Live colorfully”#30 「安いニッポン」への自己防衛、その方法は?
CFPⓇ保有のファイナンシャルプランナー。 大学卒業後、生命保険会社や市役所での勤務を経て、2017年12月より「お金」に関するInstagramへの投稿を始める。社会保険や税金・資産運用といった学ぶ機会がなく、話題にも上りづらいコトを身近に感じてもらえるよう、解説の投稿は手書き。趣味は起床後すぐの15分ヨガと、株式投資。
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。
FP fumicoの“Live colorfully”