ノートで学ぶマネーの「常識」

FP fumicoの“Live colorfully”#23 始める前に知りたい 株主投資の“キホン”

「マネー」に関するインスタグラムへの投稿で、20~30代の女性から支持を集めるFP(ファイナンシャルプランナー)のfumicoさん。お金に対する苦手意識を克服する方法や、ちょっとした工夫などをfumicoさんのインスタでお馴染みの手書きのノートでお届けする、23回目です。今回は株主総会が本格化する時期でもあり、株式投資についてfumicoさんが解説します。
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株主総会シーズンの到来

株主総会は一般に6月下旬に行われます。株主になると「必ず出ないといけない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、出席せずとも株主総会を通して経営に参加(議決権行使)することができます。“議決権を行使する”と聞くと難しい気もしますが、提示された株主総会の議案・議題について、ハガキやQRコードから遷移したリンクなどから、賛否を示せば問題ありません。

ですので、忙しい方や、株式を持っている会社から遠方にお住まいの方でも意見を表明することはできます。ただし、一般の個人が持てる株式数では、議決権における割合は高くはありません。

2021年の法改正でオンラインのみでの株主総会の開催は一定の条件を満たせば可能になりましたが、会社法では引き続き株主総会の招集にあたって場所を定めなければならないため、コロナ下ではリモートと会場参加のいずれかが選べる“ハイブリッド”での開催が、増えたようです。

耳にする「日経平均」「TOPIX」とは?

株に関しては普段のニュースなどで「日経平均」や「TOPIX」という言葉を耳にされる機会も多いと思うので、改めてこの意味をご説明したいと思います。

日経平均(株価)とは“グローバル企業”の目安とされる東京証券取引所プライム市場に上場の会社の中から代表的な225社の株価を平均したモノです。プライムに上場の企業は約1800社あるので、その8分の1程度しか日経平均に含まれていません。しかし、1949年から計算され続けているので過去からの推移を見るのには適しています。

※東京証券取引所の市場は4月に大幅再編され、グローバル企業中心のプライム、実績のある大企業や中堅企業中心のスタンダード、新興企業向けのグロースの3つの新市場となっている。

日経平均とあわせてニュースなどで紹介されるTOPIX(東証株価指数)。TOPIXは日経平均と違い、旧東証1部に上場の全社を対象とした指数です。一定の計算方法によって数値化したもので、株価に加えて株式数も計算に含まれます。日経平均よりも“薄く広い”と言われますが、日本の株全体の動きを把握するのに向いています。このTOPIXは前述の再編のため2022年の10月31日から移行を開始。25年1月末に新TOPIXに移行が完了する予定です。この点も押さえておいてもいいでしょう。

ちなみに日本の証券取引所は東京だけかと思いがちですが、名古屋、札幌、福岡にもあります。

※証券会社によっては、単元未満株の取引サービスがあることも。ただし、一般的な取引とは価格の決め方などが少し違うので注意しましょう。

「投資」はすれど「投機」はしない

株価といえば18年の12月に「ソフトバンク株が上場初日の終値で1282円」などとニュースになったように、特定の銘柄が高かったり、低かったりした場合によく報じられます。ですが、株価は一瞬一瞬変わる。必ずしも、その値段で買ったり、売ったりできるわけではありません。

私が大切だと考えているのは「投資」と「投機」の違いです。投資は株式の場合だと、成長を応援したい投資先の会社の株式を買うことで、成長の果実を自分も得るということ。一方、投機はワンチャンスを狙って、短期的な値動きでもうけを得ようとすることです。

投資の場合は長期にわたってお金を投じることになるので、コロナ禍や○○ショックといった短期的な上げ下げの影響を一定程度は吸収できます。しかし投機はギャンブル的要素があり、一度うまくいったとしても、継続して成果を得るのは難しい。
しかも、株式は知識も資金量も少ない素人と投資を専門とする金融機関などの玄人が、同じ土俵で勝負することになる。だから普通の投資初心者は株式で投機をしようとすると、大やけどをする可能性があるので注意が必要です。

「分散投資」への意識を強く!

株については気がかりなことがあります。それはインフルエンサーの方などが、SNSで米国株をすすめていることです。推奨している方は、米国株のリスクを知ったうえで投資をしていると思うんですが、影響を受けた一般の方で、米国株への投資を始めたケースがあるようで……。
米国株の注意点は大きく二点あります。まずは価格が大幅に動くこと。ストップ高・ストップ安という言葉を聞いたことがある方もおられるかと思いますが、日本には株価の一日の値動きの幅を制限する仕組みがあり、過度な変動はありません。一方、米国には、そのシステムがないので非常に大きく動く可能性がある。また、時差の関係でアメリカの市場は日本時間の夜に動くので、朝起きたら株価が大幅に下落している可能性もゼロではありません。

停滞している日本株ではなく、成長傾向の米国株に投資したい気持ちはわかります。しかし大きな注意点がある。ご自身の知識や経験、生活状況に照らして、米国株の購入がふさわしいか否かを、きちんと考えるようにしてくださいね。

仮に米国株を購入する場合でも、分散投資を意識し、余剰資金の一部を投じることをオススメします。分散投資については、これまで重要性を繰り返し強調していますが改めて。分散投資とは、投資先の地域や商品を複数組み合わせ、投資する時期をずらすことで、リスクを減らすことです。

また、一般NISAでは株式は買えますが、つみたてNISAでは購入できませんので、この点も留意してください。

株式は実際に買わなくても、購入したシミュレーションするだけでもすごく面白い。たとえばある業界の株を少額、買った状態をイメージするだけで、新聞の経済面に興味が湧いたり、業界全体に関心が向いたり、仕事で得た知識とつながったりします。想像するだけで楽しいし、ご自身の勉強にもなると思いますよ。

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FP fumicoの“Live colorfully”は、第2・第4金曜に公開の予定です。

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CFPⓇ保有のファイナンシャルプランナー。 大学卒業後、生命保険会社や市役所での勤務を経て、2017年12月より「お金」に関するInstagramへの投稿を始める。社会保険や税金・資産運用といった学ぶ機会がなく、話題にも上りづらいコトを身近に感じてもらえるよう、解説の投稿は手書き。趣味は起床後すぐの15分ヨガと、株式投資。
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。