FP fumicoの“Live colorfully”#13 押さえておきたいiDeCoの注意点
仕事を休んだり、辞めたりしても…
iDeCoには途中解約できないという注意点があり、基本的には60歳までは積み立てを続けられなければなりません。拠出をいったん停止したり、拠出額を減らしたりすることはできますが、その場合でも毎月の手数料はかかります。
telling,読者のみなさんは結婚や出産、親の介護やご自身の病気などで今後、仕事を休んだり、辞めたりして収入が大幅に減る可能性もあると思います。
しかし、iDeCoの拠出額は一定ですので、ずっと働き続ける前提で毎月の積立額を決めると、後に支払いが厳しくなることがあります。だから、iDeCoへの積み立ては、どのようなライフプランになっても支払える金額分のみにしましょう。
確かに掛金の控除があるので、長く続ければ続けるほど、節税メリットを受けながら老後資金を増やせます。しかし人生は何が起こるかわかりません。その際もiDeCoに積み立て続ける金額、ということです。
例外は①自身が死亡②一定以上の障害状態になった場合③一定の条件を満たして脱退一時金を受け取る、の3つの場合です。③の条件は非常に厳格になっています。
オススメは元本変動型!
iDeCoの商品には元本確保型と元本変動型の2種類あり、元本確保型の具体的商品には保険と定期預金があります。文字どおり「元本」は「確保」されるのでリスクは低いですが、商品の特性からリターンも少ない。それでも様々な手数料など諸経費は掛かりますので、個人的には推奨していません。仮に元本確保型にするとしても、金融機関によって運営管理手数料が違う▽拠出1回あたりに手数料が掛かるなどがあるので、なるべくコストを減らせるよう、選び方には注意しましょう。
telling,読者の方は、老後資金を準備するために、長い時間を掛けられます。以前もご説明しましたが、投資は長期間になるにつれ、短期間の「○○ショック」などの影響を受けにくくなり、マイナスになるリスクは低くなります。長期的に見ればややプラスに平準化されるので、元本変動型で分散投資をしながら資産を増やすことを私はオススメしますね。
思わぬ税負担の可能性にも「注意」
“限度額”についても少し解説を。「収入ー控除」が“限度額”を超えると税金が掛かるのですが、そもそも勤続年数や年齢などで、収入を得るための“必要経費”とされる控除の額が違います。
そしてiDeCoで運用した資産についても“限度額”を超えれば税金が掛かります。税金の計算では退職金などとiDeCoの積立金は合算される。つまり退職金が手厚い方が、iDeCoで運用した資産を退職金と合わせて受け取り、その金額が大きくなると、多額の税金が課される場合があるのです。
年金として受け取ると、税金に加えて社会保険料も高くなる場合があります。しかも、その影響は受け取り期間中続きますので、より一層注意が必要です。
繰り返されてきた凍結、動向に注視を!
iDeCoの運用には別の注意点も。2023年3月までは凍結(停止)になっているので忘れられがちなのですが、iDeCoの積立金には本来、年1.173%の特別法人税が掛かるのです。これまで凍結が何度も延長されてきましたが、廃止にはなっていませんので今後の動向に気を留めておいてくださいね。
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FP fumicoの“Live colorfully”は、第2・第4金曜に公開の予定です。