ノートで学ぶマネーの「常識」

FP fumicoの“Live colorfully”#8 つみたてNISAで「分散投資」を味方に!

「マネー」に関するインスタグラムへの投稿で、20~30代の女性から支持を集めるFP(ファイナンシャルプランナー)のfumicoさん。お金に対する苦手意識を克服する方法や、ちょっとした工夫などをfumicoさんのインスタでお馴染みの手書きのノートでお届けする、8回目です。
FP fumicoの“Live colorfully”#7 増やし過ぎ注意! 口座&クレカ

つみたてNISAでドル・コスト平均法の利点を享受

投資手法の一つにドル・コスト平均法というものがあります。これは、値段が上下する金融商品を定期的に決まった「額」だけ購入することで、平均購入単価を抑える仕組みです。値段が高い時は少し、安い時は多く買うことで購入額を抑制できます。
投資信託をつみたてNISA口座で購入することで、ドル・コスト平均法と”非課税”の、2つのメリットを享受できます。

一般的な株などの金融商品は、株価の変動に応じて、売ったり買ったりするタイミングを考えなければいけません。一方、つみたてNISAでは購入は定期的で一定額。売買について考える必要はありません。だから、つみたてNISAは、相場をチェックできない忙しい人に向いています。

投資信託は“オススメセットを買う”イメージ

投資信託の仕組みは、まず、私たちのような投資家一人ひとりから集めた少額のお金をまとめます。それを運用の専門家が、自身が選んだ複数の株や債券などに分散投資。得られた利益が投資家に還元されるのです。私は投資信託を「プロが選んだオススメセットを買うようなイメージ」と説明しています。株に投資をしようと思ったら、どの株を購入するかといったことから自分で判断しなければいけません。しかし、投資信託ではその必要はない。

「国内の株式に連動して投資」「世界の主要国の国債に投資」といったパッケージ(オススメセット)から購入したい分野の商品を選べば、後は専門家が行ってくれます。

つみたてNISAで購入できる商品は全部で200弱ありますが、実際に購入できる商品のラインアップは金融機関によって異なります。またつみたてNISAではETF(上場投資信託)の一部も購入可能。ETFなども含めた投資信託については次回以降に改めてまとめようと思っています。

凸凹があっても最終的には…

投資一般に当てはまることですが、“目的を限定すること”は控えてください。たとえば「この投資(商品)で3年後に得たお金を、マンションの頭金にする!」といったようなことです。相場状況を悪化させる「○○ショック」のようなことが3年間で起こる可能性はありますから。そうなると出るのは利益ではなく損失。事前に決めた用途に使えなくなります。

ご自身の中で「プラスになっていたら、○年後くらいにマンションの頭金に使おう」「マイナスになっていたら、定期預金の一部を頭金に回そう」などの複数の選択肢を用意しておくようにしましょう。限定すると、損失が出た場合の対処が難しくなります。

つみたてNISAの特徴を、もう一点。それは投資が長期間になればなるほど、マイナスになるリスクが低くなる傾向にあるということ。短期間なら「○○ショック」などの影響を受け、損失となる可能性がある一方、長く行えば凸凹があったとしても、ややプラスに平準化されるからです。

単語に分解&読み下しで専門用語を「攻略」

資産運用を行うにあたって、専門用語を知っていた方が有利。分からない場合は、ノートでも説明したように分解して読み下してみてください。多くは言葉の順番通りで理解できますが、位置を入れ替えればわかる場合も。たとえば「投資信託」は「信」じて「託」す「投資」、「確定拠出型年金」は「拠出」が「確定」している「年金」となります。

苦手意識のある方には克服法として、よく見かける専門用語を2つ~3つ、ピックアップすることをオススメしています。その意味を覚えることから始めて次第に広げていく。すると、投資一般の理解が広がっていきますよ。

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FP fumicoの“Live colorfully”は、10月に再開します。

FP fumicoの“Live colorfully”#7 増やし過ぎ注意! 口座&クレカ
CFPⓇ保有のファイナンシャルプランナー。 大学卒業後、生命保険会社や市役所での勤務を経て、2017年12月より「お金」に関するInstagramへの投稿を始める。社会保険や税金・資産運用といった学ぶ機会がなく、話題にも上りづらいコトを身近に感じてもらえるよう、解説の投稿は手書き。趣味は起床後すぐの15分ヨガと、株式投資。
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。