Ruru Ruriko ピンク

性差別に立ち向かえなかった話[Ruru Ruriko ピンク77]

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、性差別について。いまイギリスに住むRurikoさんは、日本で働いていたときに、嫌な思いをしたけど言い出せなかったことがあったと振り返ります。

●Ruru Ruriko ピンク 77

ハラスメント対処法のトレーニングで気持ち悪くなった

先日、友人との会話で、大人になったら道端で性的な声かけ等をされることが少なくなったという話が出ました。

私の場合はここ数年で服装も変わり、コロナの影響で出掛け先も変わったので、年齢による変化かは分かりませんが、思い出せば20代前半は毎日のように道端でキャットコール(性的な呼びかけやナンパ)をされていたと思います。

最近ビューティーブランドのロレアルが立ち上げた、ストリートハラスメントへの対処トレーニングプログラムを知り、早速10分の無料デジタルトレーニングを受けてみました。

トレーニングは、「ハラスメントを目撃した場合」と「ハラスメントの被害に遭った場合」の2つからなるプログラム。「被害に遭った場合」では最初に「次のコンテンツではフラッシュバックを引き起こす可能性があります」と警告がでます。
ここで自分は大丈夫と思っていましたが、過去にあった不快な出来事を思い出し、予想外に少し気持ち悪くなってしまいました。


ここ数年、本当は嫌だったけど我慢していた、嫌なことを言い出せなかった時期がありました。

私がフェミニズムについて発信し始めたのは、イギリスで大学に通っていた時です。周りには同じ意見の女性やフェミニストも多く、自分の意見や体験を発信することやフェミニストを名乗ることに抵抗を感じたことはありませんでした。

しかし、大学を卒業し日本で働き始めてからは、以前より発信しにくく感じ、会社の人にこのコラムや自分のSNSがバレていないか少し気にしてしまうようになりました。

一つの大きな事柄ではなく、「今日はスカートなんだね」といったコメントのような小さな居心地の悪さや不快感を日々抱くことも。
嫌だと感じたことに対しても、「どこからがセクハラなんだろう?大したことじゃない、気まずくなるのも面倒」と考えるだけで結局ハッキリさせないまま。友達に話してストレス発散(結局できてなかったけど)して終わらせていました。

知らない男性からの失礼な言動にハッキリ言い返したり、他の人が被害に遭う場面でアクションを起こしたりしたこともあります。私生活では「NO」を表明できていたけど、仕事の場では難しかったです。

性差別体験を話すことは心の負担に

私は今イギリスに住み、現地企業で働いています。入社してすぐ「会社ではセクハラや人種差別などは許しません。誰かが貴方に居心地を悪くさせるようなことをしたら、すぐに人事に教えてください」と話があり、そのように言ってくれるだけでも安心だと思いました。

しかし、イギリスにも性差別はあります。今年は女性が警官に殺された事件がありましたし、公共交通機関でのセクハラはコロナ以降増加していると報告されています。私自身、イギリスでセクハラを受けた回数は両手では収まりきりません。

イギリスのいいところは、性差別に関わらず、被害者が声を上げやすいシステムがあること。日本では、どこに相談したらいいかわからない、相談した場所でさらに被害(セカンドレイプ等)に遭う心配もあり、声を上げにくいと思います。性差別体験について話すこと自体、精神的にとても疲れることですし、安心できない環境で話すことは被害者の負担がとても大きいです。

イギリスは私にとって外国であり、人種問題もあるので、日本とイギリスどちらが安全とは言えませんが、会社や公共機関、行政が声を上げれるようなシステムを作っているのは大きいのではないでしょうか?

日本での嫌な経験は、もう1年以上前の話。今も思い出してモヤモヤするなんて、本当に嫌だったんだなぁと今更ながらに思います。

フェミニズムの発信を始めてから、沢山の友人やSNSのフォロワーさんから相談を受けました。本当に多くの人が性差別、性被害の体験をしています。

多すぎて当たり前みたいになってるけど、おかしいですよね?やっぱりまだまだ変わっていかなくちゃいけないのです。

モヤモヤしたときにパワーをくれる、フェミニズム関連の本とポッドキャスト[Ruru Ruriko ピンク76]
18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。