Ruru Ruriko ピンク

モヤモヤしたときにパワーをくれる、フェミニズム関連の本とポッドキャスト[Ruru Ruriko ピンク76]

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。女性差別にモヤモヤしていたRurikoさんがパワーをもらっているという、フェミニズム関連の本とポッドキャストを教えてくれました。
女の戦い方[Ruru Ruriko ピンク75]

●Ruru Ruriko ピンク 76

初心者にもおすすめ、フェミニズム関連の本とポッドキャスト

9月に入り、私の住むイギリスはもう既に秋冬の訪れを感じますが、早くもクリスマスグッズが売られています!

今回は、前回のコラムでもお知らせした通り、モヤモヤしたり、どうしたらいいか分からなくなった時にパワーをくれる、フェミニズム関連の本とポッドキャストをご紹介します。

まずは書籍から。最初にご紹介するのは『ハヨンガ:ハーイ、おこづかいデートしない?』(チョン・ミギョン著/ajuma books1,980円)。

韓国で実在した巨大アダルトサイトをオンラインフェミニスト集団「メガリア」たちが力を合わせて閉鎖に追い込んだ実話を基に書かれた小説です。

このサイトは、一般女性を盗撮したもの、性犯罪動画などが公開されているなど無法地帯。これを多くの男性が鑑賞しているという事実など、読み進めるのもつらい描写が多々ありました。どれだけの女性が被害に遭い、今も被害に遭っている女性が世界中にいるかと思うと、メンタルがしんどくなりますね……。

しかし、韓国のフェミニストの力強さには元気をもらえましたし、力を合わせたら巨大な敵(性犯罪サイト)を閉鎖させることができるんだと希望を持てた一冊です。

 

2冊目は、SF小説『ビンティ-調和師の旅立ち-』(ンネディ・オコラフォー著/早川書房/2,420円)。

フェミニスト小説として紹介していいのかはわかりませんが、女の子が戦い、成長していくストーリーで、とてもおもしろかったのでおすすめします。

主役は、ヒンバ族(ナミビアに実在する民族)の少女ビンティ。複雑なストーリーなのであらすじは割愛しますが、SFファンタジーの中に人種問題も描かれています。

 

3冊目は、99%のためのフェミニズム宣言』(シンジア・アルッザ、ティティ・バタチャーリャ、ナンシー・フレイザー共著/人文書院/2,640円)。

フェミニズムは、一部のエリート女性が男性と対等になることではなく、それ以外の多くの女性を含んだ全ての女性について考えなくてはならない、と宣言する一冊です。みなさんは、インターセクショナルフェミニズム(人種、性的指向、階級など全ての属性を含んだフェミニズム)を聞いたことはあるでしょうか? フェミニズムは一部のエリート女性の運動や思想を中心に話されることが多いのですが、近年はそれだけでは問題は解決しない、差別がある社会システム自体を変えなければという方向に変わってきています。まだ読んでいる途中ですが、最初からうんうん!と頷いてしまいました。

次は、ポットキャスト。最近、日本でもポットキャストが増えてきましたが、私は電車の中や料理中によく聞いています。「フェミニストステーション」(Apple Podcast)はフェミニストの会社「アジュマ」の経営者で作家の北原みのりさん、翻訳者の大島史子さん、フェミニストコメディアン「ハッカパイプス」のアキオさんの3人が月1回、さまざまなフェミニズム関連の話題について話します。

これがとっても笑えておもしろい!!バスの中や歩きながら聞いている時は、いつも1人でニヤニヤしてしまいます。1冊目で紹介した『ハヨンガ』は、大島史子さんが翻訳されており、このポットキャストでもハヨンガや韓国フェミニズムについてお話しされています。

オンラインで学びの場を探してみよう

コロナ感染拡大により、オンラインイベントが以前より活発になりました。私は人見知り+家が都心まで時間がかかるので、勉強会・イベントに参加するのは、かなり気合いが必要なことでした。しかし、オンライン視聴できるイベントが増えたおかげで、参加ハードルが下がり、いろいろな講座を聴けるようになったのです。

今年はフェミニズム関連のトークショーや、南米アートとフェミニズムの講座などを受けました。家で何のプレッシャーなく学べる機会が増えるのは、とてもありがたいなと思っています。

日本でもフェミニズム関連のメディアはどんどん増えていますが、私はInstagramで松尾亜紀子さんが代表を務める、フェミニズム専門の出版社「エトセトラブックス」をフォローして、気になる本や次に読みたい本を探しています。みなさんも本、映画、ドラマ、ポットキャストなど、おすすめがあれば是非教えてください。

女の戦い方[Ruru Ruriko ピンク75]
18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。