小栗旬が『日本沈没』で 11 年ぶりに日曜劇場で主演「何かに追われているような緊張感があった」
『獣医ドリトル』以来、小栗旬が11年ぶりに日曜劇場に帰ってくる。TBS系『日本沈没ー希望のひとー』（毎週日曜21時～）は、1974年に刊行された小松左京の小説「日本沈没」が原作。2023年東京を舞台に、主演・小栗旬が不朽の名作に挑む。
（2021年4月に取材したものです）
「観てくださるみなさんの希望になれば」
──11年ぶりの日曜劇場ですが、オファーを受けた印象をお聞かせください。
小栗旬さん（以下、小栗）： そんなに久しぶりなんですね。最初に話を聞いた時はコロナ禍の前でまた今とは状況が違ったのですが、覚悟がいる作品だなと思いました。難しいテーマではありますが、台本を読んですごく面白かったのでオファーを受けさせていただきました。日本で生きている上では避けて通れないテーマでしたし、震災から10年というこのタイミングはすごく意味があると感じました。みなさんがもう一度考え直すきっかけになればと思います。
危機感を持ちつつもフィクションとして楽しんでいただきたいですね。どういう風に受け取られるか不安も感じていますが、それと同時に観てくださるみなさんの希望になればと思います。
──小栗さんが演じる天海啓示（あまみ・けいし）はどういった人物ですか？
小栗： 各省庁から若手の官僚が集められた「未来推進会議」のメンバーでして、将来的には政治家転身を狙う野心家です。とにかく大きな問題が次から次へとやってきて、それでも諦めずに突き進む強い人物ですね。台本的にはそれほどしっかりキャラクターが決まってるわけではなかったので、特別な役作りはしていないです。
共演は「ザ・日曜劇場」の香川照之、“里城無双”の石橋蓮司
──小栗さんの他にも魅力的な役者さんが揃っていますね。共演者の印象を聞かせてください。
小栗： 同じ未来推進会議のメンバーだと、常盤（ときわ）役の松山ケンイチ君はものすごく魅力的な人ですね。天海も演じている僕自身もすごく助けられました。ウエンツ君は、本当に撮影を楽しんでいました。演じていた石塚もそうなんですけど、ある種の清涼剤のような、みんなが少し気を抜いて喋れる相手でいてくれたのがありがたかったです。相原役の中村アンちゃんは、謎の英語を喋るシーンがあってそこはなかなか苦戦していましたね（笑）。
杏さんは、現場でも他愛のない話をしてくれてすごく元気をもらった印象があります。演じた週刊誌記者・椎名は、最初「なんだこいつ？」みたいな感じなんですけど、回を追うごとに天海との関係性も変化していくので注目してもらいたいです。仲村トオルさんは、がっつり舞台やったこともあり、定期的にお仕事一緒にさせてもらっていてお互いによく知っています。熱い東山総理にピッタリの方ですね。
香川照之さんは、もう「ザ・日曜劇場」という方ですから（笑）。とても心強かったですよ。演じる田所博士は本当に変な人なのですが、すごく面白く演じていらっしゃいました。天海とのは核心に迫る大事なシーンがありましたが、天海にとってもリラックスできる人物になっています。石橋蓮司さんが演じた里城（さとしろ）副総理は、ストーリーが展開されるごとにキャラクターが変化していって、途中から可愛く見えてくるんですよ。それがすごく面白くて、“里城無双”って感じになってます（笑）
「笑うシーンが少ないドラマ」
──撮影を終えてどうでしたか？
小栗： この作品は笑うシーンが少ないドラマで、ずっと何かに追われているので緊張感があってしんどかったですね。それくらい力の入った作品だと思います。
編集に時間をかけるために撮影はかなり早い段階で撮り終えたのですが、美術のクオリティや、ロケをしていてもスケールの大きなドラマだと伝わってきましたし、ドラマの完成を楽しみにしています。
──最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。
小栗： 原作が生まれたのは、高度経済成長期で日本が頑張っている時代でした。だからこそ「危機感を持て！」というメッセージが込められていたと思うのですが、今は状況も考えなければならないことも変わってきています。環境問題などを考えるきっかけになればいいと思いますが、だからこそフィクションだと割り切って楽しんでいただきたいです。
■小栗旬（おぐり・しゅん）さんのプロフィール
1982年生まれ、東京都出身。子役としてデビューし、映画『クローズ ZERO』シリーズや、ドラマ・映画『花より男子』シリーズなどに出演。2022年にはNHK大河『鎌倉殿の13人』で主演を務める。
日曜劇場「日本沈没ー希望のひとー」
TBS系毎週日曜よる9時～
原作：小松左京「日本沈没」
出演：小栗旬、松山ケンイチ、杏、ウエンツ瑛士、与田祐希（乃木坂46）、國村隼、風吹ジュン、比嘉愛美、宮崎美子、吉田鋼太郎(特別出演)、杉本哲太、風間杜夫、石橋蓮司、仲村トオル、香川照之ほか
脚本：橋本裕志
音楽：菅野祐悟
演出：平野俊一、土井裕泰、宮崎陽平
プロデューサー：東仲恵吾
https://www.tbs.co.jp/nihon_chinbotsu_tbs/
