【たかまつなな】DaiGoのプレゼンに見る、相手を納得させるデータの使い方

時事YouTuberのたかまつななさんは、企業に研修の講師として呼ばれた際、親世代の参加者から「こいつが先生で大丈夫か?」といった視線を感じることもあるそうです。そんなときに頼りになるのが、「データ」だと言います。メンタリストDaiGoさんやビル・ゲイツの話し方をもとに、データを駆使して説得力を高める方法を、たかまつさんが考えました。

「こいつで大丈夫か?」を覆すテクニック

ありがたいことに、私はよく企業研修に講師として伺います。しかし私はまだ20代。研修に参加する方のほとんどが自分より年上です。親世代の方を相手にすることも少なくありません。そのため「こいつが先生で大丈夫か?」という目線を向けられることが非常に多いです。そんな時に役立つのが、データを交えて話すテクニックです。

データや実験で裏付ける手法を効果的に使っているのが、メンタリストでYouTuberのDaiGoさんです。DaiGoさんが話すと、なぜか聞き入ってしまいますよね。番組収録中もDaiGoさんが話し始めると「そうなんだ」と空気が変わる様子を目の前で見ました。

具体的に考えてみましょう。例えば、DaiGoさんが自身のYouTubeチャンネルの「脈アリ見抜く!モテる人の恋愛科学」という動画で、理想とは違う人と付き合う可能性は大いにある、という話をしていた時のことです。

「(前略)実際2006年の論文でですね、イギリスで最大級の出会い系のサイトを分析した面白い論文がありまして(中略)3600人分のデータを調べたんですね。その結果、男女の好みってのが分かったんです(中略)女性は背の高くて金持ちの男性しか好まないし、しかも男性はスリムでタバコを吸わない健康的で良い仕事についてる女性を好むと(中略)本当に理想通りだったらこれになるんですよ。
(中略)どれくらい人間の脈アリ脈ナシの理想ってのが貫かれるのか調べた研究ってのもあって(中略)全体の98%はなんと自分の理想を簡単に変えちゃったんですよ。(中略)状況次第で皆さんはいくらでも脈アリになるんですよ(後略)」

このように実験結果を交えて話すことで、納得感を生み出しているのです。DaiGoさんの場合は「リポートトーク」という用法に合わせて、研究結果を踏まえたアドバイスや実体験も入れていることが多いので、聞き手はさらに前のめりになります。

リポートトークとは?

リポートトークとは、「情報や事実を正確に客観的に話す用法」を意味します。例えば、家電量販店などで店員さんが説明してくれる「こちらのデジタル一眼レフカメラは、イメージセンサーの値が大きいので、他のデジタルカメラよりも、自分の眼でみるのと近い写真をとることができます」というような話し方もリポートトークです。商品の性能を正確に教えてくれているからです。

しっかりとした情報を話すと、説得力が増すという以外に、聞き手の安心感や信頼感を得ることもできます。自分の話を聞き手があまり納得してくれない、あまり信じてくれない、などという経験がある方は、ぜひデータをうまく話に織り込むことによって、説得力アップにチャレンジしてみて下さい。

ビル・ゲイツも使っています!

マイクロソフトの創業者で実業家のビル・ゲイツもこのリポートトークの使い手の1人です。以下は、感染症の対策が必要だと訴えた、2015年のスピーチです。

「(前略)次の疫病がエボラよりも劇的に危機をもたらすかもしれません。今年エボラが蔓延した段階を見てみましょう。およそ1万人がなくなり、ほぼ全員が西アフリカの3カ国の住人でした。これ以上に感染拡大しなかった理由が(中略)エボラは空気感染をしません。(中略)空気感染によりウイルスが広がるモデルを見てみましょう。1918年のスペイン風邪の例です。(中略)世界中に瞬く間に蔓延し、3千万人以上の感染者が死亡しました。

(中略)世界銀行は世界規模でのインフルエンザ大流行が起これば、世界の総資産は360兆円以上の打撃を受けると推定しています。加えて何百万人という死者が見込まれます。(後略)」
(TED2015「もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない」より)

情報やデータを適切に使うことにより、問題点を分かりやすくし、聞き手に対する注意喚起により現実味を出しているのが分かります。

仕事でも使える

=たかまつさん提供

企業研修に講師として呼ばれた際、私はこんな風にデータの力を活用しています。

「今まで舞台には1千回以上立ちました。テレビ・ラジオは200本以上出ました。出張授業は1年間で1万人以上の子どもたちに実施しています。また、活動初年度はお金がなかったので、ビジネスコンテストにエントリーしまくり、賞金だけで430万円獲得しました」

自分の実績を、データを使って「経験値」として伝えるのです。そうすることで、相手の信用度は上がり、講演の本題に説得力を持たすことができるのです。文章だとイメージがわかないよ、という方はぜひ、「人を惹きつけるプレゼンの作り方」を受講してみて下さい。

リポートトークはプレゼンや営業など、何かを説明する場でも効果を発揮します。また、話して説明する以外にも活用できる場があります。それが店内ポップです。

本屋、家電量販店、雑貨屋、飲食店などで、商品を説明するポップを目にすることは多いと思います。例えば本屋さんで受験生向けの参考書コーナーがあったとします。そこで東大受験を合格した方も数多く利用している参考書に対するポップを例に考えてみましょう。

「おすすめ!」
とだけ書いてあるものと、
「東大合格者の8割が利用していました!」
と書いてあるものを比較するといかがでしょう?

後者の方が受験生は参考書を書いたくなりますよね。他にも、「10万部突破!」のような情報を加えても消費者の目を引くことができるはずです。このようにその商品に合う正しい情報を加えることで、ただ抽象的な言葉を使うよりも信頼感を得やすくなるのです。もちろんこれは言葉で伝える際にも活用できるのでぜひ試してみて下さい。

値切りの第一ステップ

リポートトークは日常生活でも活用できます。例えば家電量販店で値切りを行う際です。家電量販店には、もちろんふらっと寄ることもあると思いますが、多くの場合は何を買うかある程度決めてから行くと思います。そして店員さんにおすすめを聞いて、いざ買う時、そのままの値段で購入していませんか。ここでリポートトークの出番です。このように言ってみてはいかがでしょう。

「こちらの冷蔵庫の金額は5万9千円ですが、このホームページを見ると、他のお店の同じ製品が5万4500円となっています。この金額にしてもらうことは可能ですか?もし難しければ、他のお店で購入しようと思っています」

家電量販店は他店より安値にすると掲げていることが多いので、検討してくれる場合があります。もちろん無理矢理な値下げはただの迷惑行為なのでダメですが、機会があればぜひチャレンジしてみてください。事前にある程度調べていることが前提となりますが。

●たかまつさんも登壇予定の講座案内
笑活コーディネーター認定講座
5月30日(日)と7月10日(日)、いずれも東京都内で13時~18時開催。少人数限定でプロの構成作家や芸人が「伝える力」を引き出す講座を開く。詳細は笑活協会

時事YouTuberとして、若者に社会問題を身近に伝える。若者と政治をつなぐため、株式会社笑下村塾を設立し、全国の学校へ出張授業を届けている。お笑いを通して社会問題を発信中。社会風刺ネタを寄席でやることも。著書に『政治の絵本』『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』

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