Ruru Ruriko ピンク 67

ホクロを取ろうと思っている話[Ruru Ruriko ピンク67]

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。顔のホクロを取ろうか考えているというRurikoさん。自分の顔や体はその人がしたいようにすればいい。他人の尺度で自分を美しさを測らないためには?

●Ruru Ruriko ピンク 67

顔の大きめのホクロが嫌いだった

自分の見た目を変えるとしたら、どこを変えたい?
もしそう聞かれても、絶対ここを変えたい!と思うほど変えたいところは今の私にないのですが、半年ほど前からホクロを取ろうかなと思っています。

私はホクロができやすい体質なのか、歳を重ねるごとにどんどん増えています。あれ?こんなところにもできているな、なんて思うこともしばしば。大きいものから小さいもの、盛り上がってるものまで、個性豊かでいろいろな形のホクロたち。

特に、顔に2つ大きめのホクロがあって、そのうちのひとつを取ろうとしています。
おそらく私の顔を見た人がすぐに気付くのが口元の上にあるホクロ。実際に出会った人から「ホクロが印象的で覚えている」と言われたことも数回あります。

今では私の顔の代表のような存在になっているこのホクロ、子どもの頃はイヤでイヤで仕方ありませんでした。学校では男子たちからからかわれましたし、「汚い」「ウンチみたい」なんて言葉を笑いながら言われたことや、ひどいものでは「将来整形した方がいいよ(笑)」と言われたことも。子ども特有の残酷なからかいは自分の顔を嫌いになるには十分でした。

中学で女子校へ進んだこともあり、そういったからかいはなくなりましたし、むしろ好意的なコメントをもらうこともありました。ある時、アメリカ人歌手のクリスティーナ・アギレラにもホクロがあるのを見つけました(今思えば多分つけボクロ)。すごくセクシーで美しくポーズを決めている写真を雑誌で見て「顔にホクロがあってもこんなに素敵になれるんだ!」と衝撃を受けたことを覚えています。
当時は雑誌にもTVにも私と同じように顔に大きなホクロがあるような女の子はいなかったので、「ホクロがあるのはきれいではない」と思っていました。

その後は、顔のホクロがセクシーで有名なマリリンモンローの存在や、英語でホクロはビューテースポット(Beauty Spot)ということを知り、「ビューティーだって!?」とまた衝撃を受けました。
今まで取り除く必要があると感じていたホクロが美しさにもなると知ってからは、私自身、お気に入りになりました。

ホクロ除去も整形手術も恥ずべきことではない

長くなりましたが最初に話を戻すと、除去手術をうける予定なのは今話したホクロではなくもうひとつの方で、数年前にできたものです。ホクロに対しての悪いイメージはなくなりましたし、自分の個性にもなると受け入れています。ただ、もうひとつのホクロは何だか邪魔だなあと感じていました。ふと顔を触った時に、ホクロが盛り上がっているのがどうも気になって、つい触ってしまいます。同じホクロでもビューティーでチャームポイントになることもあれば、ただのホクロであることもあります。

ホクロ除去だけでなく、整形手術も恥ずべきことでも何でもないと思います。個人の顔、体なのだから、その人がしたいようにすればいいし、整形したからと言って自分を受け入れていないわけではないでしょう。手術をすることが自分にプラスになると感じるならすればいいし、他人に意見されるべきではありません。そしてそれを他人に説明する必要もないと思います。

自分の体について何か決める時にいちいち他人に説明をして、許しをもらう必要はないのに、なぜかいまだに言い訳のような説明をしなければいけないような気持ちになることがあります。

「好きじゃないから変えたかった」のは全く悪いことではありません!
もうひとつのホクロのように、コンプレックスと感じていた部分を好きになれたら、それももちろん素敵、でも絶対に好きにならなきゃいけないわけでもないのではないでしょうか?

セルフケアにはいろいろな形があると思います。「メイクしなくてもかわいいよ」なんて言葉は、メイク好きな人には余計なお世話でしょう。自分にとっての最適な「ケア」のひとつにホクロ除去や整形手術があってもいいのではないでしょうか。

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。