北村まあさ連載「マヨ子が通る!~ザラザラ系女子アナの日々~」がスタート 女子アナの“ホントとウソ”…、そして本音

元テレビ金沢アナウンサーで現在、フリーとしてテレビ東京系の報道番組「WBS」(ワールドビジネスサテライト)などで活躍する北村まあささん(32)。8月19日からtelling,で漫画「マヨ子が通る!~ザラザラ系女子アナの日々~」の連載を開始します(2回目以降は毎週木曜)。作品を通して伝えたいことや、フリー転身の経緯とは--。ざっくばらんに語ってもらいました。

キラキラ・チャラチャラ?女子アナの実像は…

ーー「マヨ子が通る!」は、地方局のアナウンサー・マヨ子の日常を綴った漫画です。女子アナウンサーを描こうと思ったきっかけを教えてください。

北村まあさ(以下北村): 私は地方局もいたし、フリーとしてキー局にも出入りしています。思われているような華やかな部分だけではなく、泥臭いところも女子アナにはあるんです。キラキラやチャラチャラしているだけではないと伝えることで、特に女性に"女子アナ好き"になってもらいたいですね。

ーーご自身がアナウンサーになった理由は?

北村: 大学生のときに、就職活動の始め方が分かっていなかった。先輩に相談したら、「アナウンサーの試験が一番早いから練習になるし、向いてそう」と言われたんです。そこで大学のマスコミ対策の自主ゼミに行ったら「君はなれる!」と女子アナ研究をしている先生から薦められた。私は当時、女子アナにあまりいいイメージを持っていませんでした。ですが、インタビューをしたり、原稿を読んだりといった“仕事”を様々な人から聞くうちに、「楽しそうだな」と思うようになったんです。

ーーフジテレビや日本テレビといったキー局も受けられたんですか?

北村: 受けましたが、全然…。ただ、その過程で地方局の女子アナの道を教えてもらいました。私は横浜育ちで、ずっと首都圏にいたので、地方のテレビ局の系列とかもまったく分かっていない状態でしたが、短期でアナウンススクールに通って、いろんな地方局を受験し始めました。そして合格したテレビ金沢に2011年4月、入社。面接の雰囲気が特に良かったわけでもなかったので、入れた理由はまったくわかりません(笑)。

テレビ金沢に決まった瞬間を振り返ると、うれしい気持ちと慣れ親しんだ土地から離れる不安の双方がありました。友人もいないし、当時は北陸新幹線も通っておらず、心理的・物理的に距離が遠かった。でも「とりあえず行ってみるか」という気持ちで向かいましたね。

入社して知った泥臭い仕事!石川県警の担当も

ーー入社後、それまで抱いていた女子アナ像との違いはありましたか?

北村: まったく違いました。キー局の番組を見て育ってきたので、進行したり、ニュースを読んだりといったイメージでしたが、実際は泥臭い仕事が多くて――。
1年目は記者とアナウンサーの仕事が半分ずつといった感じで、途中までは石川県警の取材も担当していました。深夜に現場に行ったり、裁判の傍聴をしたり。その後もニュースを読む一方、取材に行って原稿を書くということをしていました。

次第にロケや中継が増えてきて、3年目からは平日夕方のニュース・情報番組のメインMCを私と同期の男性アナとすることになりました。先輩もいる中だったので少し気まずかったですね。退社するまで2年半、その番組のMCが仕事の中心でした。

新幹線が金沢まで開業、そして転機は訪れた

ーー5年目に金沢から離れる決断をされます。

北村: 仕事自体は楽しく、街自体も歴史があって美しいし、食べ物もおいしい。本当にいいところでしたね。一方で、金沢で培ってきたことや、自分のキャラクターが東京という大舞台で、どこまで通用するか試したくなったんです。出会いもなくて、「このままでは結婚できない」とも感じていて…。東京は出会いがたくさんある!と信じてたんですけど今思うと、そうとは限らない(笑)。

MCを2年半務め上げたということと、15年3月に新幹線の東京―金沢の開通があり、その時期になりました。「新幹線で金沢の街が変わる瞬間を見届けてから東京へ」と思っていたからです。15年の10月にテレビ金沢を退社しました。

ーーフリーとして東京の放送局で仕事をするようになりました。

北村: 東京はスタジオの大きさも全然違いますね。「ちっちゃいんで、あまり使っていない」と言われたスタジオの広さが、金沢のメインスタジオと同じくらいでビックリしました(笑)。

フリーだとスタッフの方との関係もビジネスライクになりました。一期一会で、その時々でお互いに最高のパフォーマンスをして別れる。5年目を迎えたWBSでは、会社にいた時と近い感覚で、楽しくやらせてもらっています。

連載が始まる「マヨ子が通る!~ザラザラ系女子アナの日々~」

マヨ子のモデルは本人?それとも……

ーー連載の主人公のマヨ子の設定と北村さんが、かぶって見えてきます。

北村: 性格や志向を受け継いでる部分は絶対あると思うんですけど、私の中では別の人です。マヨ子のまわりで起きる出来事は、私や周囲が体験したことでもあるし、完全に創作の部分もある。虚実ない交ぜで、女子アナの実像を描いていきたいです。

ーー意気込みを改めてお願いします。

北村: 漫画が大好きで2017年末から、WBSの裏話をSNSで描き始め、様々な漫画から構図や作画を学んできました。次第に上達してきましたがこれまでは手書き。今回からペン型のマウスを使ってデジタルで描くので一からの挑戦になります。

舞台は「とある県」です。みなさんの実家や愛着のある地方を想像してもらい、マヨ子が地方局でもがく様子や、成長を見守ってくれれば本当に嬉しいですね。

●北村まあさ(きたむら まあさ)さんのプロフィール
1988年横浜市生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒業後の2011年、テレビ金沢にアナウンサーとして入社。2014年から月~木の夕方のニュース・情報番組「となりのテレ金ちゃん」のメインMCを務めた。15年10月に退社しフリーアナウンサーへ(生島企画所属)。現在はテレビ東京系の報道番組「WBS」やTBSラジオ「蓮見孝之 まとめて!土曜日」に出演するなど幅広く活躍している。

ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。
マヨ子が通る!~ザラザラ系女子アナの日々~