ホラードラマ「あの子が生まれる・・・」主演の森田望智さん。『全裸監督』の体当たり演技を経て今、感じる” 挑戦することはリスクではない”

女優の森田望智さん(23)は、Netflixで配信された『全裸監督』のヒロイン役で、大きな話題を呼びました。現在はFODで毎週金曜24時に最新話が配信されるドラマ「あの子が生まれる…」で自身初となる主演を務めています。この作品は『リング』や『らせん』の原作者として知られる鈴木光司さんが書き下ろした新作。作品や女優としての今後について、お話を伺いました。

鈴木光司さん原作と聞いてゾッと・・・

――鈴木さんの新作での初主演。鈴木さんについてはどのような印象でしたか?

森田望智さん(以下、森田): 私が小学生のころにホラーブームがあって、『リング』や『らせん』、『着信アリ』などを「怖い怖い…!」と言いながらも、父と一緒に観ていました。日本のホラー作品の王道を学んだ気がします。
特に『リング』の貞子が井戸やテレビから出てくるシーンは今、思い出しても強烈。現実では起こりえないはずのことを、リアルに感じて恐怖心を抱いたことが、忘れられません。

――その鈴木作品に主演が決まりました。

森田: あの鈴木さん…!と聞いて、少しゾッとする感じはありました。
ホラーは怖くて苦手だと思いましたが、それ以上に初めてドラマの主演を任せてもらえるありがたさの方が大きく、身の引き締まる思いでしたね。

――「あの子が生まれる・・・」は映像の色合いや物音だけでも、恐怖心や不安を煽られるますね。

森田: そうなんです! 撮影中も監督の演出で、台本にはないおかしな音が鳴ったり、いるはずもないところで誰かの気配を感じたりと、驚かされる場面が何度かあって・・・。素の私の反応が、そのまま使われています。

友達付き合いに迷走した学生時代

――舞台は、次第に歯車が崩れ始めた郊外のとある病院。森田さんが演じる看護師の今泉菜央は高校時代にトラウマがあります。

森田: 菜央は、闇の部分を抱えたまま生きている人。もちろん、誰にでも振り返りたくない過去はあるでしょうし、私にもトラウマがあります。

学生のころ、ちょっとしたことが原因で亀裂が入った友人関係の修復が出来ずに終わってしまったことがある。「もっと自分が素直になれば良かった」とか「もっと心を開いていたら、また違った結果になっていたのかも」と考えることはありますね。

――森田さんには明るい印象があります。

森田: 基本的には明るいタイプだとは思いますが、中学生のときは全然、友達がいなかった。その反動なのか、高校生になるとすごく明るく元気になった一方、少し強がりの部分も出てきました。どうしたいのか、迷走していた時期かもしれません。

それでも、芸能活動は始めていたので、新しい世界を知る機会も多くあって、「自分の小さな枠の中だけで悩まなくてもいいかな」と感じるようになりました。人と人との関係って結局、何をしても合わないケースがある。無理をする必要もないかな、と徐々に思えるようになったんです。

――日テレ系のドラマ「トップナイフ」に続いての看護師役です。どんなところを意識していますか。

森田: 医療の技術や知識を表現することも大切。ですがフォーカスしているのは、演じている人物が看護師をめざしたり、続けたりしている理由や、一番嬉しいことといった内面ですね。
見学した際の看護師さんは、自分のことを後回しにして患者さんとお医者さんの間に立っていたし、パワーや思いやりも感じました。自分のことばかり考えていては、できない職業ですね。

「トップナイフ」は舞台が都心の総合病院だったので、看護師さんたちがテキパキ動きながら次から次へと患者さんに相対しているイメージでした。一方「あなたが生まれる…」の病院は地域密着型。看護師さんの内に込めた優しさや奥ゆかしさもイメージしながら演じています。

全裸監督に出演して見えた景色

――大ヒットした昨年のNetflixのドラマ『全裸監督』では、主人公の村西とおるの運命を大きく変える、ヒロインのセクシー女優を体当たりで演じられました。配信後は公私で変化はありましたか。

森田: 私自身はそんなに変わったつもりはないですが、たくさんの反響を頂いて、周りの環境もすごく変化しました。今になってあの作品に出演したことは、すごく大きな意味を持つものだったと実感しています。
『全裸監督』に出演するまでは、露出が多い役は少し敬遠したり、自分とは切り離して考えていたりした部分があったんです。しかし撮影が始まって、洋服を着ているか否かは、映像をつくることにおいて全然関係ないんだな…!と思えました。自分が捉えていた世界がいかに狭かったかと、痛感しましたね。

――女優として森田さんは地に足が着かれている印象です。一方、若い女性の中には「やりたいことがない」という悩みを抱えている人もたくさんいます。

森田: やりたいことがないっていうのは本来、あまりないんじゃないかなって思うんですよ。寝たい時間もあるはずですし、夜ご飯に何が食べたいかも日々、選んでいますよね。大きなものでなくても、小さいことを積み重ねれば、自分が”したいこと”に気づいていけるような気がします。

自分の気持ちに噓がつけない

――芸能活動では、オーディションに通らなかったりといった経験もあると思います。モチベーションはどう保ちましたか。

森田: 「頑張っていればいつか、誰かが見つけてくれるだろう」という確信がなぜかあって、オーディションに落ち続けても絶望的な気持ちにはならなかったんですよ。落ち込みながらも、次があると思ってずっとやってきました。
ただ『全裸監督』もですが、オーディションを受けるときはこれが最後のオーディションだ、というくらいの覚悟をもって挑んでいましたね。

――リスクを考えて、「やりたいことがあるのに踏み出せない」人もいます。

森田: 私はそもそもチャレンジすることはリスクだとは考えていないです。もし3年後にうまくいっていなかっとしても、それは頑張りが足りない――。私の場合は純粋にそう思いますね。どこかで「頑張った3年後は絶対大丈夫」という謎の確信があるんですよね。

改めて感じますが、やりたいことがあるのはすごく幸せなこと。私は安定よりも自分の気持ちに嘘がつけないタイプなので、やりたいことを続けた方が人生を振り返った時に幸せと感じると思うんです。仮に失敗したとしても、努力の過程で見える新しい世界は、プラスでしかない。

人にはそれぞれのスピードがある。芸能界は風のような速さで売れる人もいますが、私のスピードは多分、ゆったり。それは演技にいかされているし、苦労した経験がなかったら、今のお芝居はできていない。人生のすべてを意味のあるものとして捉えています。

「あの子が生まれる・・・」より=フジテレビ提供

――ドラマの見どころをお願いします。

森田: サスペンスの要素もあり、日本の現代ホラーの新境地を開いた作品になっていると思います。照明一つとっても、カッコいい。ストーリーと共に背景も楽しんで貰えたら嬉しいですね。素直な感情で見て欲しいですね。とことんリアルを追及した作品ですから。

●森田望智(もりた みさと)さんのプロフィール
1996年、神奈川県生まれ。2011年にCMに出演し、女優としての活動を開始。映画では『一週間フレンズ』(17年)、『世界でいちばん長い写真』(18年)、ドラマは「パパ活」(17年)、「賭ヶグルイ」(18年)などに出演。2019年8月からNetflixで配信の『全裸監督』に出演し、第24回釜山国際映画祭アジアンフィルムマーケットで「アジアコンテンツアワード」にて最優秀新人賞を受ける。21年に配信開始の『全裸監督 シーズン2』にも出演。

■「あの子が生まれる・・・」
2020年7月17日(金)より配信開始/毎週金曜24時に最新話が配信開始(全10回予定) 
FODはこちら
出演/森田望智、小倉優香、松本大志、市川九團次、山下容莉枝、芦名星、羽場裕一 ほか
原作・脚本/鈴木光司
You Tube公式

東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。

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