インフルエンサー千葉由佳さん、難病になって気づいた“無敵さ”。「#ちばゆか買い」って?

コスメの情報をインスタグラムで発信している美容家の千葉由佳さん(33)は、フォロワーを13.5万人持つインフルエンサー。4月に出した初の著作となる『遅咲きちばゆか』は、発売直後、Amazon人気度ランキング1位になりました。SNS上で「ちばゆかファミリー」や「ちばゆか買い」などのハッシュタグが生まれるほど人気の千葉さんですが、過去には仕事で自信を失ったり、大きな病気になったりしたこともあるのだそう。悩んだ日々のこと、仕事への向き合い方などについて聞きました。

「誰にも選ばれない」悩んだ読モ時代

――千葉さんならではの視点で美容や生き方を伝える「遅咲きちばゆか」。どんな思いを
込めたのでしょうか。

メイクやファッション、旅など女の子が大好きなテーマをぎゅっと詰め込んでいます。本はずっと出したいと思っていて、やっと実現することができました。タイトルにもあるように、「人生が花開くタイミングに遅いことはない」という思いを込めました。
30歳前後の女性は、「もう自分は若くない」や「何か始めたくても、もう遅い」などと、限界を感じたり悩んだりしやすい時期だと、私は思うんです。
本を手にとって、「自分にも何かできるかも」と思うきっかけにしてもらいたいですね。私のように誰にも選ばれなかったような人間でも、本を出すことができたのですから。

――大学生の時からファッション誌の読者モデル(読モ)として、とても活躍している印象がありました。「誰にも選ばれなかった」とはどういうことでしょうか?

小中学校時代にいじめられた経験があるため「人に好かれない人間なんだ」と思っていて、もともと自分に自信がありませんでした。
私が読モになったのは大学4年のとき。比較的デビューが遅く、周りにはすでに活躍している読モばかりでした。後発だったうえ特別な個性があるわけではない私は、全然目立てなかったんです。
例えばブログ一つ取っても、他の方とは雲泥の差。閲覧数を増やしたくて1日7回更新したこともありましたが、人気読モの足もとにも及びませんでした。
企業からPR案件などの仕事を頼まれるには、数字がすべての世界。ブログの更新頻度を上げて、依頼された仕事はすべて受けていたけれど、声をかけてもらえること自体が少なかったですね。だから読モになってからも自分に自信がなく、くすぶっていました。

片目が見えなくなる難病になって

――千葉さんでも自信がないときがあったのですね。そのあと、大きなご病気をされています。

病気になったのは2017年の始めで、「インスタライブ」が流行り始めている時でした。
ある日突然、片目だけ文字が歪んだり、チカチカしたりするような見え方になったんです。スマホの画面も見られないし、自撮りしてみても、片目だけ焦点が合わない。
病院に行って検査したら、難病にかかっていることがわかりました。そのとき、このまま目が見えなくなる可能性があることや、最悪の場合突然呼吸が止まることもあると告げられたんです。
これまで私はファッションや美容に関する仕事しかしてこなかったので「目が見えなくなったら人生が180度変わる」と思いました。今までのような仕事はできなくなるだろうし、大好きなファッションにも関われなくなるかもしれない。
とにかく落ち込みましたが、ある人から「変化を楽しむ」という言葉をいただき、どんな自分でも受け入れようと思いました。
まずは治療に専念しようと決め、入院しました。

――病気になったことによって、千葉さんの考え方に変化はありましたか?

すごく変わったと思います。
入院中は片目しか使えないため目が疲れて、テレビもスマホもほとんど見られませんでしたし、外出や入浴も制限されていたので、リフレッシュできずにストレスが溜まりました。
仕事も初めてキャンセルせざるを得なくなり、不安でしたね。自分がいままで出来ていたことが出来なくなる――それが、すごくつらかったです。
これまで「普通」だと思っていた自分は、実はすごく自由で幸せで、何でもできる無敵人間だったんだと、このとき気づきました。

幸い、まわりのサポートもあって目は順調に回復し、1カ月で退院できました。
いままで不自由だったぶん、退院してからは爆発したように欲張りになった気がします。それまでもやりたいことはたくさんありましたが、より行動したり努力したりするようになりました。
大好きなファッションブランドとコラボして洋服をつくりたいとか、コスメを自分でプロデュースしたいとか。本を出すのもその一つ。27歳の時も28歳の時も、ずっと「いつかやりたい」と思っていました。でも、「いつか」と言っていても、自分が動かなくては誰も叶えてくれません。

「自分らしさ」SNSで発信するように

――病気になったことで、考え方が大きく変わったんですね。やりたいことをやるために
、どんなことをしましたか?

発信力のある人間になることが大切だと思い、とにかくSNSの更新をしました。
みんなと同じ事をしていてもだめだと思ったので、投稿にトレンド感を入れ込むことや写真の撮り方、アップする時間など、戦略的に考えるようになりました。
また、今まではファッションという文脈で仕事をすることが多かったのですが、インスタグラムでは美容に関する質問や相談が多いことに気づき、ここに目を付けました。
ファッションに合わせたメイクや肌トラブルの解決法、年齢に合わせたアンチエイジングなどは、私にとっては当たり前のこと。でも、この「私の当たり前」にフォロワーの方々が興味を持ってくれたので、発信していくことにしました。
そして、美容の情報を発信するからには勉強のためにも第一線の媒体に出たいと思い、2年前に美容雑誌「MAQUIA」の専属モデル「マキアビューティーズ」に応募しました。現在も活動しています。

SNSにおいてのフォロワーの方々との「距離感」も変わったように思います。
私はもともとSNSでマイナスな発信をすることにすごく抵抗がありましたが、病気をブログで公表したことをきっかけに、等身大の自分を出すようになりました。良いことも悪いことも含めて「自分らしさ」を出す事が、大事だと気づきました。
それからはすっぴんでインスタライブを配信したり、彼氏と別れたことをオープンにしたり。そうするようになってから、フォロワーとの距離感がぐっと縮まったように感じています。

行動が変わったことで色々なことが実現するようになりましたね。大好きなファッションブランド「Chesty(チェスティ)」とのコラボ服や、私のコラボレーションブランド「and Cherim(アンドシェリム)」の立ち上げ、そして本の出版――すべて病気のあと、欲張りになってから叶ったことです。

「ちばゆかファミリー」ファーストで生きます!

――千葉さんファンは「ちばゆかファミリー」と呼ばれ、SNSでは、千葉さんをまねして商品を購入する「ちばゆか買い」というハッシュタグまで生まれました。

「ファミリー」や「ちばゆか買い」ができたのは、2019年の始めですね。フォロワーさんがインスタグラムに投稿してくれたストーリーズから自然発生的に生まれました。
去年の2月にちばゆかファミリーの方々を招待して初めてフリマを開いたのですが、フォロワーさんから「会いたい」と言われて、「じゃあイベントしよう!」って自分で企画しました。病気を経験して自分が無敵人間だと気づいたからこそ、行動できたことですね。誰かがやってくれるなんてことはないし、私もフォロワーの方たちに会いたいと思って動きました。
すごく大変だったけど、私はファミリーがいるおかげで叶えられたことがたくさんあるので、ファミリーファーストで生きようと決めました。これからも、喜んでもらえるようなことをどんどんやっていって、女の子にハッピーを届けたいです。

●千葉由佳さんのプロフィール
1987年、東京生まれ。大学4年のときファッション誌の読者モデルになり、現在はインスタグラムのフォロワー13.5万人を抱えるインフルエンサー。美容家、コスメセレクターの肩書で、「アラサーだけど可愛く」をキーワードに配信するメイクライブが人気。「美人百花」(角川春樹事務所)、「andGIRL」(エムオン・エンタテイメント)、「MAQUIA」(集英社)などの女性誌を中心に活躍、今年からはコラボレーションブランド「andCherim」を立ち上げ、ブランドプロデュースも行っている。

「遅咲きちばゆか」

著者:千葉由佳

発行:エムオン・エンタテイメント

価格:1,300円(税別)

1989年、東京生まれ。2013年に入社後、記者・紙面編集者・telling,編集部を経て2022年4月から看護学生。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理、銭湯。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。