【古谷有美よりtelling,読者のみなさまへ】結婚・妊娠のご報告
●女子アナの立ち位置。
先日、私のInstagramでもご報告させていただいたとおり、このたび結婚をし、お腹に新しい命を授かりました。
2020年に入って、本当に厳しいニュースが続いています。そんな社会情勢のなか、いち会社員でありながら私事をお話することには、迷いもありました。
けれど、支えてくださったみなさま方への感謝や、しばらくお仕事を離れるご挨拶を、きちんとお伝えしたい。そんな思いからご報告させていただいたことを、ご理解くださいましたら幸いです。
telling,のコラムでは、これまでもさまざまな思いの丈を綴ってきました。
そこで、公式発表よりもほんのすこし肩の力を抜いて、みなさまに私の近況をお伝えできたらと思います。
結婚しても妊娠しても、変わりありません
そもそも結婚や出産については、タイミングのものだと思っていました。
「いつかは」とそれなりに興味はあったけれど、気楽な独身生活も、仕事もとっても楽しい。だから「いますぐ」「いつまでに」といったこだわりは、ずっとなかったんです。
でも、よいご縁とタイミングを得て、収まるところに収まったことは、とてもありがたく感じています。
子どものころは「お嫁さんになる」なんて、一生の中でもとびきりドキドキする場面だと思っていました。でも実際にそのときを迎えてみると、結婚したからといって、何かが大きく変わることはありません。20歳を迎えたとき「大人になるってこんな感じかぁ」と思った感覚に、すこし似ていました。
お腹も、じつは少しずつ大きくなってきています。
普段から衣装も私服もゆったりとしたシルエットが多いので、そう思って見なければ、わからない方がほとんどでした。太ると顔に出るタイプなのですが、今回はまだ、お腹のほかにはお肉がついていないようです。
幸い。つわりや大きなトラブルもなく、赤ちゃんは順調に育ってくれています。
妊娠・出産については、もちろん知らないことばかり。ふと「これって大丈夫?」と、不安になることもあります。
でも、小さなときから理科が好きで「サバンナに生きる動物の仕組み」なんてトピックは大好物。こうして新しい命を授かり、生命の神秘や人体の不思議をしみじみと味わえる日々を、興味深く過ごしています。
納得いくところまで、お仕事を続けられました
お仕事をいつまでどのように続けるかは、上司とも慎重に相談していました。
体調はすこぶるいいし、臨月まで働いていた先輩方もたくさんいらっしゃるから、もう少し現場にいたい思いもあります。けれどこのコロナ禍で、人前に出る仕事を続けることは、見てくださる方々にご心配をおかけしてしまうかもしれない。もちろん、自分や赤ちゃんの健康も守らなければなりません。
TBSとしても「妊娠している社員はリモートワーク」という方針を出しているなか、私の意志で今月まで仕事を続けさせていただいたことには、深い感謝でいっぱいです。
本来なら、4月か10月の番組改編期を区切りにするのがスムーズ。けれど、なかなか収まる気配のない新型コロナウイルスを踏まえ、8月からお休みをいただくことにいたしました。
今は身体を第一に、ゆったり過ごしたいと思っています。
大きなキャンバスと絵筆を用意したので、これまではiPadでばかり描いていたイラストも、もっと楽しめたらいいな。自分の子どもに読み聞かせる絵本がつくれたら……なんて夢も、じんわりふくらんでいます。
これからも自分で考えて、人生を選び取っていきたいです
人生の転機に直面して、これからの人生をどんなふうに生きるか、どんなことに時間やエネルギーを使っていくか、とてもよく考えるようになりました。
このコラムでの私は、いわば「働く30代女子」のひとり。女子アナという立ち位置から、日々感じているさまざまな思いをお伝えしてきました。いまの自分の考え方や価値観は、仕事をしてきたからこそ得られたものです。
それほど大きな軸だった仕事をいったん手放すことには、不安もあります。でもそれと同じくらい、楽しみもあって……。
自分で選んだ道です。この人生をベストなものにしていくために、夫と支え合いながら、これからの時間を重ねていきたいと思っています。
これまで、このコラムを読みながらいっしょに頑張ってきてくださったみなさまへ。
結婚しても出産しても、私の根底にあるものは変わりません。誰かに選択をゆだねることなく、これからも自分で考えて、人生を選び取っていきたいと思っています。
だからどうか、これからも変わらずお付き合いをしていただけたら、こんなにうれしいことはありません。
テレビやラジオの現場からは少々おいとまいたしますが、今後とも、古谷有美をどうぞよろしくお願いいたします。