「若さや美貌に目を向けるのではなく、年をとった自分でも愛してくれる人がいるかが大切」歌手AIさんが考える、年を重ねるということ

いつも明るくパワフルな印象の歌手・AIさん(38)。誰とでも打ち解けてコミュニケーション上手に見えますが、意外なことに「ネガティブだし自分に自信がない」と言います。一方で、年齢を重ねていくことは何も怖がる必要がないとも話してくれました。7月8日にミニアルバム『IT'S ALL ME』(ユニバーサルミュージック)を発売したばかりのAIさんにお話を聞きました。

年を重ねても愛してくれる人がいるか

――デビュー20周年を迎え、ますます魅力を増してパワーアップし続けていますね。AIさんのように素敵な年齢の重ね方をしたいと思いつつ、若いほうがいいという意見に引っ張られる人も多いと感じます。AIさんは年を重ねることについてどう思いますか。

AIさん(以下、AI): 年齢を気にしないというか、そもそも年をとることってそんなに怖くないと思うようになりました。私もほうれい線が気になったり、白髪が増えたなぁって感じることもありますよ。美に対してストイックに向き合っている人は、自分に対して努力ができているということなので、それはとても素晴らしいことだと思います。

ただ、年齢とともに若さや美貌はなくなっていくもの。そこだけに目を向けるよりも、年をとった自分でも、愛してくれる人がいるかどうかの方が大事だと思っているんです。家族でも親でも友達でも誰でもいいのですが、どんなに年をとってもこの人とはずっと関係を続けていけると思える人、一緒に話せる人がいれば、年齢を重ねることって何も怖くないんじゃないかなって。年をとって美貌が消えて誰もいなくなった……その方が恐怖を感じますね。

また、自分だけではなく、親も友達もみんな一緒に年をとっていくということも覚えておきたいですね。

相手の期待に応えようとしていた

――AIさんは芸能界でもプライベートでもコミュニケーションが上手な印象がありますが、昔から誰とでも打ちとけられる方だったのですか?

AI: いえいえ。明るく元気なイメージで見られがちですが、実はネガティブな方なんですよ。もちろん仕事関係者や幼稚園のママ友とか、普通に挨拶もしますしお話もします。テレビでも陽気にしゃべっていますが、テレビでは話すテーマがあるから対応しているだけです。

本来は相手をよく知るまでは様子をうかがうタイプ。慣れていない人から話しかけられても微妙にガードしちゃうんですよ。昔からずっと仲良くしている友達でさえ、はじめは大人しく見えたんじゃないかな。

昔よくクラブに行っていたときも、内容がない会話をふられても「その話になんの目的があるのか……」と思ってしまい、サラッと交わすことがほとんどでした。今でもそういうクセが残っていて、初っ端から「それでそれで!」とぐいぐい相手の懐に入っていくこともしないんですよね。

――意外……と言ったら失礼かもしれませんが、誰とでもすぐに仲良くなれそうな印象がありました。AIさんから発するエネルギーやパワーを感じて、昔から常に自信に満ちあふれている方なのかなとも思っていました。

AI: 自信なんて全然ないですよ。子どものころは、自分の顔が嫌いで目も鼻も口もどうしてこうなんだろうってグチグチ悩んでいたし、ニキビもひどくて、髪の毛も普通の人より異常に多くて、頭が爆発してハート型になっちゃって(笑)。

大人になってからも歌の練習が不十分だと感じるときは自信がないし、子どもに怒った後にこれでよかったのかと気にすることもあります。

以前は相手が求めた自分になりたいと思っていました。人には「いろいろあっていいんじゃない」とポジティブな言葉をかけながら、自分自身には厳しくて、相手の期待にこたえるにはどうしたらいいか、ということを常に考えていたんです。

――それでも昔から長く続いている友人が多いそうですね。人間関係のコツはありますか。

AI: 昔から仲のいい友達にはよくも悪くも思っていることを話しますね。たとえば、友達が泣きながら彼氏の話をしてきたとしても「もうあの人は帰ってこないね」とか「それはあんたが悪いよ」とバッサリ言っちゃうんです(笑)。

共感することも大事ですが、相手のことを本気で思っていたらこちらも本気で伝えないといけない。そのときはきついと思われても、絶対"愛"は伝わると思うんです。ずっと長く続いている友達は、はじめは「この人好きだな」から始まって、その後相手をどんどん知っていくと「嫌い」になるような一面を見て、それでもケンカをしながら乗り越えて「さらに好きになる」パターンが多いですね。

金色に輝くものを持っている私たち

――今回のアルバムのコメントに「自信がある人もない人も、心を裸にすればみんな金色に輝くものを元々もっている」とありますが、どうやったら心を裸にできるのでしょうか。

AI: 一番心を裸にしていないのは私かもしれないです(笑)。でも、こういうことだと思うんです。今こうやってインタビューで話を聞いてくれるあなたは優しそうだし笑ってくれるから、なんかうれしいなと思って心を開いちゃいますよね。相手によるものも大きいですが、自分からどんどん心を開いていくと、心を裸にできる人が絶対どこかにいるはずなんです。誰か一人でも二人でもいいので、自分の心をこじ開けて話せる人をみつけてほしいです。

――今回のアルバムはジャケットのアートワークがとんだ林蘭さん、収録曲「ギフト」のリリックビデオのイラストがChocomooさんが担当されていてとても素敵に仕上がっています。『IT'S ALL ME』というタイトルは、「全て私?これも自分?」というように、全てひっくるめて本当の私という意味でしょうか?

AI:  こうやって外で喋っているときもあれば、お風呂から上がって何も着ないでウロチョロしている自分だったり(笑)、ビシッと決めている自分もいたり、母親としての自分や恋人としての自分であったりとか、いろいろな自分があると思います。そのどれもが自分であるのは間違いないんです。なかには、普段の本当の自分が出し切れていない人もいると思いますが、そんなときでもこのアルバムで本当の自分を愛してほしいというメッセージを送っています。

音楽にもさまざまなジャンルがあって、私はヒップホップも好きだし、R&Bも好きだし、クラッシックもロックも好きで、バラードからアップテンポのものまであり、どれかひとつのスタイルに統一しろと言われても難しいんですね。曲も「ハピネス」から「Story」だけでも全然違いますし、自分の曲でもひとつだけだと自分じゃない気もします。これもあって、あれもあっての自分。今回のアルバムタイトルにつけた『IT'S ALL ME』のように、いろいろな自分も全て愛してほしいな思っています。自分が思っているより、あなたは最高!

 

■AI(アイ)さんのプロフィール
1981年アメリカ合衆国ロサンゼルス生まれ。鹿児島県鹿児島市育ち。ゴスペルクワイアーで鍛えた本格的な歌唱力。L.A名門アートスクールで学んだダンス・センス。完璧な英語、バイリンガルでラップもこなせるストリート感覚。アンダーグランドからオーバーグラウンドまで支持を得る唯一無二の存在である。安室奈美恵やEXILE ATSUSHIなど国内トップアーティストはもとより、クリス・ブラウンやスヌープ・ドッグ、ザ・ジャクソンズ、チャカ・カーンなど国境を越えた数々のレジェンド・アーティストとのコラボレーションも多数。これまで3度のNHK紅白歌合戦出場、第59回日本レコード大賞・優秀作品賞の受賞を果たす。

20th Anniversary Mini Album『IT'S ALL ME - Vol. 1』

AI

価格:1,760円 (税込)

■AI - 「ギフト」Music Video
https://youtu.be/icbmIDeRroo

■AI「#AIギフトぬりえ」キャンペーン
https://smarturl.it/AIGIFTnurie

<AI Information>
AI Official Site:http://AImusic.tv/
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UNIVERSAL MUSIC AI Official Site:http://www.universal-music.co.jp/ai/

東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。