121位の私たち

#Ku Tooの石川優実さん「こうしたいからこうする」が当たり前の世の中に

世界経済フォーラムが毎年発表する、世界各国の男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」2019年版で、日本は過去最低の121位になりました。前年の110位より順位を下げ、先進国の中でも最低レベルでした。そんな中、日本のジェンダー格差をなくすために立ち上がり、内外のメディアに頻繁に登場する日本人女性がいます。#KuTooと呼ばれる運動に取り組む俳優の石川優実さん。慣習やバッシングと闘いながら、2019年には英BBCの「世界の100人の女性」にも選出されました。彼女は今、格差解消を具体的にどう進めていくのか、胸に秘めた思いを聞きました。

かつてアルバイトをしていた葬儀場で、ハイヒールをはかされて足を痛め、「なんで足を怪我しながら仕事しなきゃいけないんだろう、男の人はぺたんこぐつなのに」とツイートしたのが、#KuTooを始めたきっかけです。

職場では男女平等なのに、女性と男性で義務づけられる服装が違うのはおかしい。それが素朴な疑問でした。だから、女性が好んでハイヒールを履くのは否定しません。

同じような問題意識を持つ女性が多かったようで、2019年1月にツイートしたら大きな反響がありました。半年で1万8000以上の署名が集まり、ジェンダーハラスメントなので法律や規制で対応してほしいという要望書とともに厚生労働省に提出。法規制には時間がかかりそうなので、まずは企業(雇用者)に向けたパワハラに関する小冊子に、このような事例が「パワハラ」に当たると記載してもらうことを目指しています。

私が怒りを込めて声を上げたことに「怒ってもいいんだと気づいた。ありがとうございます」という女性からの反応もありました。運動を通じて、非正規として働く多くの若者たちが労働者の権利を知らず、何が問題か分かっていない実態も見えてきました。どんな人も一人残らずよくなったと思える成果を目指さないと意味がないと思っています。

職場では謎のビジネスマナーがたくさんあります。男性がネクタイや革靴を強制されている場合があるなら、変わっていくといい。男性も困っているなら声を上げてほしい。「こうしなければ」ではなく「こうしたいからこうする」が当たり前の世の中にしていきたい、そう考えています。

署名集めを手伝ってくれた人やパンプス着用で大変な思いをした女性、実際に女性の靴をつくっている人など男女12人で「#KuToo Wave of Action」というチームも立ち上げました。正直この1年はバッシングも1人で受けて精神的にもきつかったのですが、チームができてすごく助かっています。みんなで話し合っていろいろな計画が動きだそうとしています。

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