グラデ世代こそ、いまを映す鏡

10月5日からtelling,で、連載「グラデセダイ」が始まる。グラデ世代?? 実はこの連載に合わせて考えた造語。telling,が「グラデセダイ」を通して伝えたい、熱い想いを書いてみた。
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ファッションから始まるジェンダーフリーの波

流行の最先端を反映するファッション業界では、ジェンダーレス化が止まることをしらない。
主要メゾンをはじめ、コレクションを男女共催にするブランドも多い。これによって、ウィメンズ、メンズで同じブランドメッセージを発信できることはもちろん、どちらでも着られるファッションを世界に発信できる。

最近ファッション誌では、一時期盛んに使われていた「フェミニン」や「マスキュリン」といった性差を表すワードは積極的には使われなくなっているそうだ。

ファッションにおける男女差は、かなりあいまいになっているのは間違いないだろう。

またつい先日、自由に性別を変更できるジェンダーフリーのバービー人形が発売され話題になっている。男女の身体的特徴をなくし、「こうあるべき」を排除することで、好きなように人形をカスタマイズできるのだという。

世界中で人気のゲームアプリ「ポケモンGO」では、ローンチ当時から、トレーナーを選ぶときに「性別」ではなく、「スタイル」から選ぶという新たなアプローチ方法をとっていると、渋谷区ダイバーシティ推進担当課長の永田龍太郎さんに教えてもらった。

結局、ジェンダーフリーとは、自分らしくいられること

国際的なジェンダーフリーの波を受けて、今の日本はどうだろうか。
LGBTの意味を知らないという人は約3割とだいぶ少なくなっているし、カミングアウトをされても、「そういう人もいるね」と認め合える空気にもなりつつある。

一方で、まだまだ偏見も根深い。

電通ダイバーシティ・ラボの「LGBT調査2018」によると、 LGBT層に該当する人の割合は8.9%と、日本人のAB型の人の割合(約9%)や左利きの人の割合(約10%)とほぼ変わらない。
むしろ偏見を持っている人がマイノリティなのではないだろうか。

私にとって、日本でジェンダーフリーの波を感じるのは、ランドセルの色だ。
私が子どもの頃はランドセルといえば「黒」か「赤」しか選べなかった時代。

余談だが、私は公立小学校に「黒」ランドセルを背負って通っていた。黒を選んだ理由は、男とか女とか関係なく、おしゃれだと思ったから。両親があまり「女の子らしく」と育てなかったこともあるだろうし、友達からいじめられた記憶もないので、今まで何とも思っていなかったけれど、やはり選択肢が2つというのはあまりにも少なすぎる。

時代は進み、今ではランドセルの色もさまざまだ。ピンク、ブルー、パープル、イエロー……どんな色でも好きな色を選べる時代。自分らしい色が選べるなんて素敵だなと思う。

グラデ世代とは、「ありたい私」を尊重する人

telling,では創刊時から「あるべき私」ではなく「ありたい私」を見つけられるメディアを目指している。

「こうあるべき」というプレッシャーは、世の中にあふれている。
でも、どんな選択をしても間違いなんてないのだ。
性別も、選択肢も、本当は十人十色の”グラデーション”がある。
そんな当たり前のことに、私たちは気付き始めている。

そこで、悩みながらも多様な生き方を尊重する人たちを「グラデ世代」と名付け、新たな連載を始めてみようと思い立った。

これからグラデ世代を代表するであろう4人を選び、原稿をお願いしたところ、みなさん快く引き受けてくれた。

第1土曜
Hirakuさん(中村キース・ヘリング美術館プログラム&マーケティングディレクター)

第2土曜
かずえちゃん(YouTuber)
youtube/ Twitter

第3土曜
小原ブラスさん(タレント・コラムニスト)
youtube/ Twitter

第4土曜
でこ彦さん(会社員)
Twitter

さらに印象的なタイトルイラストを描いてくれたのは、新進気鋭のイラストレーター・オザキエミさん。もやもやのなかから出ているのは、さまざまな人の手。この世代の悩みや葛藤をコミカルに描いてくれた。

彼らが何を考え、何を変えようとしているのか。
どんな視点に気づかせてくれるだろう 。

これからの時代を作るのは、いまこの時代を生きている私たちだ。
ぜひ、この新しい「世代」を応援してほしい。

「グラデセダイ」第1回 Hirakuさん「生涯で出会った女性たちへ」はこちら

年間70回以上コンサートに通うクラオタ。国内外のコレクションをチェックするのも好き。美容に命とお金をかけている。
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