遅咲き上等!

打首獄門同好会・junkoさん「還暦で年齢を公表して人生が変わった」

最近は20代前半から起業したり結婚したり、早くから活躍する人が増えていますが、年齢なんて関係ない!何歳からでも人は輝ける…ということを伝えたいという思いで、新たな特集をスタートしました。今回は、ラウドロックのサウンドながら、生活に密着したユルい歌詞が人気を集めているバンド「打首獄門同好会」のjunkoさん。昨年12月のライブでベーシストのjunkoさんが還暦のお誕生日を迎えたと公表し、世間に大きな衝撃を与えました。60歳を超えてなお自分のスタイルをつらぬくjunkoさんに、じっくりお話を伺ってきました。

●遅咲き上等!

年齢を公表したことが、こんなに話題になるとは

――私は以前から打首獄門同好会の曲を聞いていたんですが、まさかjunkoさんが還暦だとはちょっと、いやだいぶ驚きました。それまで年齢は非公表でしたが、このタイミングで発表なさったのにはなにかお考えがあったのでしょうか。

junkoさん(以下:junko): 60 歳になるからといって特別な考えはなかったんですが、「junko さんお誕生日会」というイベントライブを開催し、そこで公表してはどうかという話がメンバー・スタッフ間であがり、そのまま企画として進みました。逆に、そのイベントがなかったら言ってなかったかもしれないですね。それぐらい年のことは気にしていなかったです。

――結果的にTwitterのトレンドに入ったりなど、世間がかなりざわつきました。公表してよかったと思いますか?

junko: そうですね。ずっと隠していようとも思ってはなかったし、正直、こんなに話題にしてもらえるとは思っていなくて、自分ではひとつのイベントの感じで。でも、公表したおかげで、それまであまり話すきっかけ、タイミングがなかった方たちにも気軽にお話ししてもらえるようになりました。フェスなどでお会いすると「すいませんでした!先輩!」みたいに言ってくれたり。すごく楽しいです(笑)。それから、こうやって1人でのお仕事をいただくことも、年齢を公表する前は一切なかったですね。

とにかく「バンドをやりたい」から就職もしなかった

――いまはベーシストとして活動なさっていますが、昔から音楽に関わっていらしたのですか。

junko: 3歳からピアノをやっていて、高校まで続けていました。小学校高学年ぐらいから好きな音楽をレコードやラジオで聞き始めて、弟と一緒にコンサートに行ったり、2人でフォークデュオみたいなことをしたり(笑)。常に音楽が人生の中にありました。

大学に入学して、軽音部に入りました。先輩とバンドを組むことになって、本当はギターボーカル希望でしたが、「ベースがいないからやって」と。軽い気持ちでベースを始めました。その時はベースに思い入れはなくて、本当にたまたま。でも、バンドに加入したら、「バンドが好きだ!これはやめられない!」って気づいてしまったんです。

―ー大学卒業後は、就職と音楽を両立したんでしょうか。

junko: 周りはみんな就職するようなわりと真面目な大学で、私も就職が決まりかけていました。でも、「仕事したらバンドできなくなっちゃうだろうな」と思って、就職するのをやめました。今思うと、フルタイムで働きながら音楽を続けている人だっているし、就職しても両立できたはず。でも、そのときはどうしてもそう思えなかったんですよね。自分の中で、就職かバンドかってなっちゃって、結局バンドを続けることを選びました。

――周囲が就職する中での選択、迷いや後悔はなかったですか。

junko: うーん、焦りも葛藤も全然なかったですね。まあ親にはめちゃくちゃ怒られましたけど(笑)。とにかく、ただただバンドをやめたくなくて。音楽だけでは稼げないからバイトもいろいろやりましたけど、それも「バンドに支障が出ないこと」が最優先でした。

女性失格なのかもしれない。でも……

――20代後半ぐらいになると今度は周りが結婚したり、「結婚しないのか」と聞かれたりするかと思いますが、結婚をしようと思ったタイミングはありますか。

junko: んーまあ、結婚とかそういう観点から考えると、女性失格かもしれないですよね。でも、結婚したいと思ったことって一度もないんです。

ーー今でこそ「結婚したくない」と言える風潮にもなってきましたが、当時……30年ぐらい前だと、だいぶ勇気がいったのではないでしょうか。

junko: そうですね。これも就職と同じで、今考えれば別に結婚していてもバンドは続けられただろうし、どうにでもなったと思います。でも結婚って、自分ひとりの問題じゃない。相手もいるし、相手の家族、自分の家族……いろんな人達を巻き込まなきゃいけないですよね。そういうところに神経や時間を使う余裕も自信もなかったんです。
それよりもバンドがやりたい。バンドが大事。今思い返すと、「○○しなきゃ」というのは自分の中に一切なかったなと思いますね。

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後編では、ギャル服を着続ける理由、そしてjunkoさんの「人生」への考え方を伺いました。

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朝日新聞バーティカルメディアの編集者。撮影、分析などにも携わるなんでも屋。横浜DeNAベイスターズファン。旅行が大好物で、日本縦断2回、世界一周2回経験あり。特に好きな場所は横浜、沖縄、ハワイ、軽井沢。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。
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