編集部コラム

結婚式だけが主役になれる場所じゃないでしょ

ずっと結婚、特に結婚式についてもやもやを抱えてきました。正確には「なんか変じゃないか!」と思ってきたのです。この「なんか」を解明すべく、まず、「なぜ結婚式をするのか」を考えてみました。ついでに、代案も考えたので聞いてください。

●編集部コラム

家族のかたちも多様化してるのに

「なぜ結婚式をするのか」。まずは結婚式の存在意義……とされているものについて、考えてみました。

①両家のお披露目

結婚式のそもそものルーツは、「これから、この子が我が家の嫁になるんでよろしくな!」という親戚への顔見せだったそうです。なので、結婚式場には「○○家」「○○家」という言葉が並ぶわけであります。

だがしかし、時は2019年。家族の形も多様になっています。「家制度」なんて古い、古すぎる。「家」を選んだのではなく、「パートナー」を選んだと思って、結婚する人が大半なのではないでしょうか……。だから「嫁」として、「家」にきたと思われるような儀式はいやだなあ。少なくとも私は拒否。

離婚した方がハッピーになる人もいると思うのです

②離婚の抑止力になる

結婚式をした夫婦と、していない夫婦を比べると、した夫婦の方が離婚率が低いそうです。まわりを見ても「ご祝儀ももらって、お祝いしてもらったのに、離婚するのは申し訳ない……」と言う声はよく聞きます。結婚式は離婚の抑止力になっている、というのは肌感覚としてもわかるような気がします。

だがしかしですよ。
私のまわりで、離婚して不幸になっている友達は、一人もいない。逆に、我慢して結婚生活を続けている友達の方が、大変そうな気すらします。もし、自分が言った「おめでとう」や、3万円のご祝儀のせいで「申し訳ない」と、離婚に踏み切れないのであれば、そんなの気にしないで幸せになってくれよ!!!!!と思ってしまうのです。

永遠の愛なんて誓わなくていい

バツイチの友達は、友達の結婚報告には「おめでとう」ではなく「頑張れ!」というようにしていると言っていました。納得。もはや「結婚おめでとう」は「永遠に別れんじゃねーぞ」という呪いの言葉になる危険性すらあるのだから。

離婚は悪いことじゃない、と私は常々思うわけです。だからこそ、結婚式で、多くの人の前で愛を誓うことが、離婚の抑止力になってしまうなら、永遠の愛なんて誓わなくていい。そう思います。

「自分が主役」は結婚式だけ?

③人生で一度、主役になれる場所

ブライダル関連で働く知人によると、今の大学生の中にはすでに結婚式でどんなドレスを着るか、まで考えている人もいるそうです。なぜなら「結婚式は、自分が主役になれる場所だから」だそうな。

結婚式は間違いなく、誰でも「自分が主役」になれる場所です。
「他人から3万円をもらって、自分を祝ってもらうことが許される=自分主役券」を使っていいのなんて、人生で一度しかない。だから、結婚式を自分の人生のハイライトと位置づけるのも納得な気がします。

だけど、この「自分主役券」が結婚でしか使えないのはなぜなのでしょうか。

もし「自分主役券」があったら、みなさん、どこで使いますか。
もちろん、結婚で使う人もいるだろうし、子どもが産まれた時かもしれない、昇進したときかもしれない、病気が治ったときかもしれない……。

なぜ、「一生に一度のお祝い事」が結婚だけなのでしょうか。「女の幸せのピークは結婚でしょ」という思想が絡んでいるような気がしてしまい、フェミニストの私はうげげとなってしまうのです。(考えすぎか)。

もっと自由に、自分が主役になれる時を選べればいいのに。

④するとしたもんだ、だから

私のまわりのお友達を見ていると、これが1番多いような気がします。「するとしたもんだ」「やらない理由がないでしょ」。まあ、それもそうなんですが、少し考えてみませんか。
あなたが式をあげる理由はなんですか。

以上、独身の私が独断と偏見で「結婚式をあげる理由」を考えてみました。

……どれもこれも昭和の価値観じゃないかい!っていうのが私なりの結論です。ゼクシィだって「結婚しなくても幸せになれる時代に、あなたと結婚したい」と、「なぜ結婚するのか」への解をアップデートしている。じゃあ、令和的「なぜ結婚式をするのか」の答えはなんだろう。

おめでたいの多様化を

そう考えると、③「一生に一度の主役になれる場を自分で選べるシステム」を導入してほしいなと思います。どこでその「自分主役券」を使うのか、って個性がでるし、呼ぶ方も呼ばれる方も楽しそう。

もう、結婚だけがおめでたい時代じゃないでしょ。おめでたいの多様化に向けてアップデートしてほしいなと思います。

telling,の妹媒体?「かがみよかがみ」編集長。telling,に立ち上げからかかわる初期メン。2009年朝日新聞入社。「全ての人を満足させようと思ったら、一人も熱狂させられない」という感じで生きていこうと思っています。
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