編集部コラム

4月、名前を間違えられるストレスフルな季節がやってきた

新入社員、部署移動などで出会いが増える4月。新しい人との出会いにワクワクする反面、私にとっては名前を間違えられてストレスが増える時期でもあります。

●編集部コラム

名前ストレスはキラキラネームだけじゃない!

先日ニュースで、本名で「王子様」というキラキラネームをつけられた赤池さんが、改名して赤池肇さんになったということが報道されていた。

名付けた親からしたら思いのこもった名前だったのかもしれないけど、つけられたほうとしてはかなり不自由があったんじゃないかと思う。

初対面の人に名前をいうと笑われる。そのたびに気まずい思いをすることになる。

赤池さんみたいにキラキラネームの場合はもちろんのこと、私も名前に対して少なからずストレスを感じる。
といっても、私の場合はファーストネームでななく「苗字」のほうだけど。

苗字は「間野」という。結婚してからこの苗字に変わった。それからが名前についてのストレスの嵐。
読み方は「まの」と読むけど、8割近くの人に「のま」と間違えられる。
「あいうえお」の順番で「なにぬねの・まみむめも」となるから「の・ま」となってしまうのかとも思うけど、間に「はひふへほ」のハ行が抜けているわけです……。

あるときは、病院で3回「のまさん」と間違えられて、そのたびに「まのです」と訂正したのに、「失礼しました」といいながら4回目も「のまさん」になっていた。

大半は「のまさん」と言われるけど、たまに「オノさん」「マナさん」「マネさん」……あげくのはてには「ヌマさん」とも!
もう「ま」も「の」も入っていない! 単に2文字でマ行とナ行がついていることしか合っていない!というレベルのものまで……多種多様な間違えられ方をして、かえってびっくり! メモして間違えられた苗字リストでも作れそうなレベル。

苗字ではなく名前の漢字を間違えられたことも、ごくたまにある

名前の間違えというと、回数こそ少ないけれど、過去に何度か漢字を間違えらえたことがある。名前は「ゆりこ」といい、漢字で書くと「由利子」となる。
だけど、この漢字をときどき「百合子」と間違えられることがある。

衝撃的だったのが、小学6年生の時に近所に住む仲のいい伯母(母方)が卒業式の電報に「百合子」と書いてきたこと!

「こんなに身近な人にまで間違えられるのか!」と思ったけど、そんなものかもしれない。
ちなみに、この伯母はこれ以外にも過去2回同じ間違いをしていたので、もう彼女の中で私の名前は「百合子」以外に書き換えられることがないのかもしれない。

別にいいけど……。

苗字を間違えられて腹が立つのは、自分の苗字じゃないから?

この「苗字を間違えられてイライラする」のは、自分本来の苗字じゃないから、というのも原因の1つかもしれない。

旧姓で間違えられたことはなかったのに、結婚で苗字が変わってから何十回も間違えられる。相手が自分の苗字に変えてくれればこんなことにならなかったのに、という思いがあるのかも。

自分じゃない苗字で呼ばれて、そのうえ間違えられる。

私は、結婚して当たり前のように苗字を変えた。世間の人たちも、夫婦どちらかの苗字に変えているはず。そして、その大半が私と同じように旦那さんの苗字に変えているんじゃないかと思う。

民法で「結婚したら同じ姓を名乗らなければいけない」と決められているなら、男性が女性側にしたっていいのに。もっといえば、今の法律では夫婦別姓は認められていなくて、別姓にしようと思うと事実婚、つまり籍を入れない状態での‟結婚“という形しか認められない。

結婚して姓が変わったから、免許書、銀行口座、印鑑、保険証、年金、携帯、Webサイトのユーザー登録、その他諸々の面倒な名義変更を全部やって変えたのに、すごく面倒なことをがんばってやったのにもかかわらず、苗字を間違えられる。しかも、1カ月に何回も、もう何年も……。

以前は、テレビのニュースなどで夫婦別姓のことをやっていたときは、「ふーん」としか思わなかった。だけど、あまりにも名前を間違えられる回数が多いと、「新元号に変わるし、そろそろ夫婦別姓はそろそろ認められてもいいんじゃない!?」と思う。

名前はひとり一人別なのに、苗字は家族単位で統一する不思議

そもそも名前はひとり一人違ってもいいのに、家族になったら苗字をどちらかの姓に統一しなければいけないというのはどうかと思う。

男性からしたら、奥さんとなる人が「苗字を変えたくない」といったら「オレの家系を否定するのか」的なことを思うかもしれないけど、別にそんなことはまったくない。

むしろ、自分の苗字も相手の苗字にも思い入れはないので、どっちを名乗ってもいい。なんだったら自分たちで新しい苗字を選べたらいいのにとさえ思う。お互いの苗字を1文字ずつ使うとか、まったく新しい苗字を作るとか。

もうすぐ平成も終わり、新元号になることだし、ここらへんで夫婦別姓問題を飛び越えて、夫婦創作姓制度なんていうのを考えてもいいのでは?

結婚したら「旦那さんの苗字を名乗る」のは当たり前?

今さらだけど、結婚前にどっちの苗字にするか、もっと考えた方がよかったかもしれない。

「結婚=嫁ぐ、家を継ぐ」と考えている上の世代の人たちにこんな話をしたら怒られそうだけど、「結婚=個人の結びつき」と変わってきた今、結婚して苗字を変える前によくはなしあったほうがいい。

というか、男の人側の苗字にばかりしないで、もっと女の人側の苗字にする人が増えてもいいじゃない!?と思う。

4月。新しい人たちとの出会いが増えて、自己紹介の機会も増えることから、ふと「苗字」や「名前」について考えてみた。

明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。