時給4,000円、私とお金の方程式
●ロマンチックに起業してみた 04
自分の給料に満足してますか?
「今の給料、絶対に安すぎる!」
会社にいると、自分の給料に納得できない瞬間が時々やってきます。
こんなに働いているのに、なんでこんなに安いんだ!...って、時々夜中にデスク蹴りたくなるのは私だけですか、笑?
ではいくらが妥当なのか。自分はいくらもらえる人間なのか。
現状に不満は確かにあるのに、適正価格は分からない。
起業は、そんな私がお金と向き合うきっかけをくれました。
六本木のウェンディーズで知った私の時給
年甲斐もなく、賑やかな夜の宴が大好きです。
カラオケ・飲み会・どんちゃん騒ぎ、頭が真っ二つに割れそうな二日酔いを何度経験しても、学習能力ゼロ。意気揚々と翌日には飲み会に出かけてしまう、ものすごく意思の弱い人間です。
こんな大好きな飲み会でお金を稼げたら幸せなんじゃないかと、転職に悩んだタイミングで、何を血迷ったか接客業の面接を受けた事があります。
忘れもしない、夕方の六本木のウェンディーズ、笑。
まじまじと顔を見られ、お酒と会話でカバーします!みたいな意気込みを伝えようとしたのですが、そんなこと一切聞かれもせず、いきなりポンと出された条件。
時給3,000円+歩合制のラウンジバー。
ふらっと入ってきた男性とカウンター越しにお酒を飲んで、盛り上がってお酒が進んだらその分歩合がもらえるというシステムでした。
ほう……。
時給3,000円+歩合制という響きが、この時私の頭の中で強烈に、それも高速で反響しました。
高い安いじゃない。嬉しい嬉しくないじゃない。自分に値札をぴっと貼られた感覚はこの時が初めてで、「そうか、私って時給3,000円+歩合制の女なんだ」と。
なんかこの瞬間、自分の中のビジネスマン魂が燃え上がる感覚があったんです!飲み会は好きだけど、これで稼ぐのは私のやりたいビジネスではないなと。
自分が好きなことでもらえる時給を、ビジネスで超えたい。よし、時給3,000円+歩合制を、仕事で超えて行こう。
私の最低時給は4,000円と勝手に決めた、27歳の秋の出来事です。
ロマンチックはお金になるのか
自分の時給について考えてから約1年後、私は起業に向けて本格的に動き出す訳なのですが、ここで改めてお金と向き合うことになりました、それもかつてないくらい真剣に。
ビジネスとは経済活動です。アイディアをどうお金にしていくか、収支が見込めるストーリーがなくてはビジネスになりません。
苦手なExcelとにらめっこして、収支計算と日々格闘。最初のうちは融資を受ける可能性も視野に入れていたので、事業内容をプレゼンして痛烈なフィードバックを受け、逃げ腰で打ち合わせを出てきたという腑抜けの思い出もあります。
収支を合わせる為に、アイディアを修正する。
直感で決めた時給4,000円を守る為に、わくわくする方「じゃない」選択肢を選ぶ。
これを繰り返して、なんとなーくお金を稼げそうな収支表と事業計画が出来上がったとき、全然嬉しくなかったんです。
「きっと私、稼ぐために起業するんじゃないな」
私の中で、やりたいことがお金を追い抜いた瞬間です。
譲れないものがあると、人は強くなる
自分でつくる会社のいいところは、自分でルールを作れるところです。
お気に入りの会社名「MISSION ROMANTIC」、ロマンチックに生きて行きたいし、ロマンチックなサービスを作ってみたいと思って名付けました。
だからこそ、たとえ経済活動であっても自分が楽しめないこと、ロマンチックじゃないことはしない、「どんなこともロマンチックという大前提を追い越さないこと」、これを会社のルールとして定めました。
そうは言っても、生きていくだけのお金は稼がなくてはいけない。
時給4,000円という目安から、いくら稼げば自分は最低限生きていけるかという課題へ、お金の問題はきっとこれからも付いて回ります。
結論、ロマンチックは(多分)稼げない。でも...
時給4,000円という、自分だけのお金の物差しを持ってみて分かった事。なんとなく給料に違和感があったり、自分の適正な給料が分からない時に比べて、圧倒的な納得感があります。
不安はあるけど不満はない。目指す給料には全く届いていないのだけど、お金と対等に向き合えている気がします。
そう考えると、自分の得意で好きなことを仕事にしたときの時給換算って、もしかしたら、キャリアを決める時の一つの目安になるかなあなんて思ったりしました。
現在絶賛起業準備につき、ジムとネイルとまつ毛に行くお金がありません。これぐらいは年内にどうにかやりくりしたいなあというのが、具体的なお金の目標です。
頑張れ、私。