telling, Diary ―私たちの心の中。

異性から雑に扱われたい ―telling, Diary

telling,世代のライター、クリエイターたちが日々の思いや本音を綴る「telling, Diary」。今回は、telling,編集部に届けられた、あるミレニアル女性の密かな胸の内を綴ったエッセイです。こんな本音を隠し持っている人、彼女だけではないかもしれません…。

●telling, Diary ―私たちの心の中。

自分が大切に思われていないことへの心地よさ

私には「異性から雑に扱われたい」という気持ちがある。といっても暴力を振るわれたり、金銭を要求されるということではない。私のことを「大切に思ってないふう」に扱い、それでいて親しげに接して欲しいということだ。

極端な例が、街なかでナンパをしてくる男性。彼らは私の意思など無関係に話し始め、今日セックスしたいという欲望にまかせ薄っぺらい言葉で容姿などを褒める。いきなりパーソナルスペースに入ってくる身勝手さ(大切に思ってない)と馴れ馴れしさ(親しげ)を兼ね備えている。その感じがとても心地よい。こちらも相手に敬意を払わなくていいからだろう。無視したっていいし、気が乗れば「相手をしてやってもいい」ぐらいの関係。

一方で自分を大切にしてくる人のことが苦手なのは、大切に扱われているぶん、こちらもそれなりの気概で相手と向き合うのが求められているからだ。
慎重にデートを重ねてくる人が怖い。何日も前から予定を聞いて、都合の良い場所や嫌いな食べ物を把握して、私の機嫌をとる。気があるそぶりをしたら心から嬉しそうにして、突き放せばびっくりするほど落ち込む。「好きになって欲しい」、「楽しんで欲しい」と期待されるほど私は息苦しくなり、消耗してしまう。「大切にされるだけの価値がある」と思えない自己肯定感の低さも一因かもしれない。

「もしよかったら、今度の土日、前行きたいって言ってた○○に行かない?あっ、都合が合えばでいいんだけど」

とか言われたらゾォっとする。
「もしよかったら」とか予防線張って傷つかないようにしないで。
「前行きたいって言ってた」とか覚えてないで。
「都合が合えばでいいんだけど」ってめちゃくちゃ行きたそう!
ギャー!

とはいえ、結婚するなら大切に扱ってくれる人を探したほうがいいに決まってる。「そんなに愛されて羨ましい!」とか「大事にされてるね」と言われるような人。

焦って付き合った、「自分を大事にしてくれる人」

焦ってそれっぽい相手と「これでいいんだ」と言い聞かせて付き合ってみたこともあった。結局、息苦しいし、全然好きになれなくて別れてしまった。そんなことを繰り返したので、もう「雑に扱ってくれる人が好き」と公言することにした。周囲には理解できないと言われるが、実は私みたいな人は結構いるんじゃないか。
所謂だめんずばかり好きになるという女性もこの気質があると思っている。都合よく消費されているだけに見える彼女たちも、「あいつはダメ男だから〜」と貶せる関係が心地よかったり、自分なんかにはこれくらいの相手がちょうどいいとしっくりきていたりするのかもしれない。

今日は20時くらいに男友達から「ひま?」とメッセージが来て、本当に誰でもよいという感じの誘いにときめいて家を出た。居酒屋で合流し、互いに思ったことを喋って、店の前で解散した。家まで送ってくれないのが最高だ。「お前のこと女として見てないから」とかも言われ、もうなんか嬉しかった。こういう相手ばかり好きになってしまう自分は端からみたら可哀想だ。だけど、おいしいと言わなきゃいけない、楽しいと思わなきゃいけない……と妙なプレッシャーを感じる恋愛よりずっといい。

未婚、既婚、子どもの有無、転職や独立の経験者。恋好き、旅好き、おいしいもの好き(缶チューハイ含む)。さまざまなstoryを持つ「telling,」編集部メンバー。
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