女は東京を目指す。そして地方には戻らない。
●編集部コラム
最近、telling,の仕事以外にもいろいろな調査をしています。そのうちのひとつが「地方創生」について。この間セミナーを聞きに行ったら、ちょっと興味深いデータを知ることができました。いわく、「女性は東京に出てきたら、地方には戻ってこない」。
人口が減っても、人は東京にあつまる
過疎化や高齢化などが叫ばれていますが、東京圏(東京、埼玉、神奈川、千葉)への人口流入は増える一方です。東京圏に入ってくる「転入数」と、出ていく「転出数」を比較すると、東京は転入>転出となり、その状態を「転入超過」といいますが、2018年は約14万人だったとのこと(1月31日総務省発表)。人口減少って言われてはいますが、そりゃ満員電車がなくならないわけだ、と思います。
東京圏に転入してくるのは、ほとんどが15~19歳、20~24歳の若者たち。進学、就職を機にやってきます。以前は男性のほうが多かったとのことですが、1990年代以降は女性の方が目立って多くなっているとのこと。
さらに、転出数では男性が女性を上回っています。ということは、「女性は東京圏に来ると地方には戻らない」と言える……ということ。
へええ、なるほどなあ、と思いました。
東京圏のほうが「選択肢が多い」
女性が地方に戻らない要因は、もちろん仕事や結婚などいろいろな事情があるとは思いますが、結局は「東京圏のほうが暮らしやすいから」って思う人が多いってことなんじゃないかなあと思います。
私の友人にも地方から出てきて東京で働いている人は何人もいますが、みんな口を揃えて「東京のほうがいい」「なんでもあるし」「選択肢が多い」と言います。私は東京生まれ東京育ちなので当たり前だと思っていたことが、地方に行くとない。例えば小さなことですが、家からコンビニに行くときに私はファミマに行くか、セブンに行くか、ローソンに行くか?と考えますが、田舎だと一つしかない。そもそもコンビニがないときもある。仕事でもそう、東京には会社が星の数ほどあります。
あとは地方は人との距離が近い分、他人の動向に敏感だったりします。あそこの家の誰々はもう結婚したとか、それを引き合いに出されてお前は結婚しないのかとか……。もちろん東京でもそういうことを言う人はいますが、「ふーんそうなんだ」で済まされることのほうが多い気がします。
衝撃的だった正月の体験
未だに地方では男尊女卑の意識が強い地域もあるようで……。私が昔、1回目の結婚で正月に某県に行った時は、女性は全員台所にいて、男性は誰も手伝わずにこたつでテレビを見ているのにびっくり仰天しました。なんでやねん。しかも台所超寒いし。そして当然のように「嫁」として扱われることに超絶違和感と嫌悪感がありました。東京圏でも祖父・祖母の代はそういったことがありましたが、やはり全体的に地方のほうが「女は家事をするもの」「結婚して相手の家に入る」みたいな意識がより強いのではないでしょうか。
今回の「女は地方に戻らない」データを見て、いろいろ上記のような思い出も蘇ってきて、地方創生にも、結局男女の問題が関わっているのでは……と、新しい視点をもらった気分でした。もちろん、地方の方が好き、向いている、と思う人は東京にだっているでしょう。でもこんなに東京圏に人が集中しているということは、やっぱり日本全体の意識を変えていく時なんだろうな、今やらないと本当に国としてだめになってしまうんだろうな、と感じます。なにかできることから、少しでも始めていかないと、と改めて思ったのでした。