編集部コラム

「メリー・ポピンズ リターンズ」実はミレニアル女子必見の映画でした!

telling,編集部田中です。 前回は幼少期にお世話になっていたベビーシッターさんとの思い出についてコラムに書いたのですが、今週は奇しくもナニー(乳母)が主役のメリー・ポピンズについて。今年、再び私たちの元に帰ってきてくれた彼女は、やはり超絶かっこいい「仕事人」でした!

●編集部コラム

ある日颯爽とやってくる、彼女の名はメリー・ポピンズ

先日、映画「メリー・ポピンズ リターンズ」を鑑賞しました。

「メリポピ」については昨年ミュージカル版で初めて観て、こんな素敵な作品だったのかと恋に落ちた新参者なのですが、それでも今回の「リターンズ」、何度も予告編をyoutubeで観て日本上陸を心待ちにしていました。

オリジナル版は1910年のロンドンが舞台。
乳母や教育係を意味する「ナニー」として、雲の上から傘をさしてバンクス家の元にやってくるメリー・ポピンズ。

毅然とした態度で休みと賃金交渉をぱぱっとまとめ、そして一瞬にしていたずら好きで多くのナニーを困らせてきた子ども達の心をつかみ、冷えかけていた家族関係をほぐし、自分の役目を果たすと颯爽と去って行くのです。

圧倒的な仕事ぶりで人の心をつかむ

日本で描かれる「人の心をつかむ主人公」って、とかく、人との距離が近い人情派か、自らの生活をなげうって物事に夢中になる情熱系、それから、「なんだかわからないけどみんながその人をほっておけない」という人たらしが多いように思います。

自分の役割を全うし、かつそれに見合った給与、適度な休み、人との適切な距離感を保つ「Practically Perfect(何もかもパーフェクト)」という存在は日本ではなかなか少ない。近年ようやく「私、失敗しないので。」の決め台詞がメリー・ポピンズの「Everything is possible, even the impossible(全ては「可能」なことなのよ。そう、不「可能」なことさえも。)」にも通じるような「ドクターX」の大門未知子が登場し、「憧れの主人公像」にも幅が出てきたように個人的には感じています。

私がメリー・ポピンズに惚れてしまったのもまさにこの点です。仕事が完璧なのはもちろん、きちんと報酬と労働時間の交渉をして、対象である家族の仲が修復された(ミッションコンプリート)時にはそれ以上深入りしません。そして、成果を自分の手柄にせず、颯爽と次の仕事へと旅立っていく。その凛とした姿は憧れそのもの。

おまけに歌とダンスが上手で、お洋服のセンスもよいものだから(笑)

当時の映画上映は1964年。

日本が東京オリンピックに沸くその頃、ある種時代を映す鏡のようなディズニー映画のヒロインが彼女だったのです。当時の女性たちも彼女の高潔さに励まされたのでしょうか。

そして2018年、ミュージカル版「メリー・ポピンズ」が日本で初上演されました。働き方改革が大きく取り沙汰されたこの年、1910年の世界からやってきたメリー・ポピンズは2018年を生きる観客たちの中でもかなり進んだ「働きウーマン」でした。

今、この時代にこの作品が日本人の私たちに届けられた。それも彼女の魔法がもたらしたものなのではないかと思えてくるくらい、私はそのスマートな仕事ぶりにすっかり心を奪われてしまったのです。

さて、現在上映中の「メリー・ポピンズ リターンズ」はオリジナル版から25年経った大恐慌時代が舞台になります。

大人になったマイケル・バンクスとその家族たちのピンチを受け、メリー・ポピンズは凧に乗って空からやってきます。

突然の再会に戸惑うマイケルをよそに早速、契約交渉。大恐慌で困窮している家計状況を考慮し賃金については譲歩の姿を見せる描写も。そして瞬く間に子ども達をお風呂に入れ(「お風呂に入れ」では表現しきれない、すってきな音楽と映像シーンは圧巻!)、散らかった部屋を片付け、子ども達のしぼんだ心をキラキラした魔法で膨らませました。

映像の美しさや圧倒的な音楽から創られる世界観は語るまでもなく是非劇場で堪能頂きたいのですが、やっぱり特筆すべきは終始一貫したメリー・ポピンズの「仕事へのスタンス」。

「今日やると決めたことは今日のうちにやる」と、時に強引に相手と向き合う姿や、魔法を使えるのに(なんて、身も蓋もない言い方だけど)子どもたちに自発的にお手伝いを促す人海戦術、そしてやっぱり繰り返しになるけれど、自分の手柄を主張することなく、使命を全うした後の気高い振る舞い、ココがもう、ほんと~にカッコ良いんです!

メリー・ポピンズの周りの人たちへの愛情表現は、一見するとわかりにくい点もあります。

きりっとした口調に、あまり豊かとは言えない表情。

それこそ相手の意見はともかく、一度自分が望む条件を伝えるという交渉方法も、必ずしも手放しで褒められるものでもないのかもしれません。

でも、そうやって自分のフィールド、スタンス、信念を大切にしているからこそ、他人のことも大切にできる。他人の勇気や決断を、応援できるのだと思います。

魔法なんて使えない。「Practically Perfect」なんて夢のまた夢。

それでも、例えば誰かのために頑張れた時、ついつい振り返って「ねぇ?私、ちょっとは役に立ててる?」なんて言いたくなってしまう気持ちをぐっとおさえて。

「なんのことかしら?(メリー・ポピンズは魔法が使えるの?と子ども達に聞かれると、こう答えるのです。)」と表情一つ変えず言えたなら、少しはかっこよくなれるかなって思うんです。

大学卒業後、芸能事務所のマネージャーとして俳優・アイドル・漫画家や作家などのマネージメントを行う。その後、未経験からフリーライターの道へ。
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