運試し!? 「一生に一度は観てみたい」オーロラを求めてフィンランドへ!
二の足を踏み続けたけれど、やっと機上のヒトに
オーロラ鑑賞は個人的に「死ぬまでに一度はこの目で観てみたい」ことの10位内にずっとランクインしていたが、オーロラは未解明なことも多いらしく、天候次第のところもあって、北極圏に数日間滞在しても必ず見られるとは限らない。いわば「賭け」みたいなもの。
そうだ「賭け」だ!運試ししてみよう!というチャレンジ精神がムクムクと起き上がってきたのが昨夏。秋のオーロラシーズンを狙って10月中に4泊6日のツアーを予約し、日本から予約できる北欧トラベルの「オーロラ鑑賞プログラム」を追加して、フィンランド旅行に出発した。
フィンエアーの飛行機に乗り込んで、マリメッコデザインのナプキンと紙コップが出てきたときに、フィンランドに向かっていることを強く実感する。
朝出発でフライトは9時間、時差は-6時間。首都ヘルシンキの空港からそのまま飛行機を乗り継いでフィンランド北部の都市ロヴァニエミに向かい、到着したらすぐにオーロラツアーに参加することになっている。映画を見て時間をつぶしながらも、気持ちはオーロラにまっしぐらだ。
オーロラの前に、奇跡的に美しいモノに遭遇!
ワクワクしている間に、フィンランドに到着。空港から市内へは、タクシーか乗り合いバスで移動する。乗り合いバスは、よくある旅館の送迎バスのような感じ。タクシーのほぼ半額でホテル前まで乗せて行ってくれるので、そちらをチョイス。イタリア人、韓国人、たぶんドイツ人などが同じバスに乗りこんだ。
市内までは約30分。サンタクロースの故郷と言われるラップランド地方の主要都市だけあって、空港の前の丘にはいかにもサンタクロースの街といった風情で、正面玄関の正面にはトナカイの電飾オブジェが見える。バスが走る道路の両脇は針葉樹の森になっていて、その彼方には夕暮れ時の空がびっくりするような色彩で広がっていた。
空がすごい!オレンジと紫と群青色の、少しも濁りのない滑らかで透明な色が、ピタッと空に張り付いている。
ヤバイ。空の奇跡。この美しさに出会えただけで、もし、オーロラが見えなくても後悔はしないよ……。今思うと、私は本当にフィンランドという国を全然知らなかったのだ。
サンタクロースの国の優しい住人たち
バスは問題なく私たちを予定のホテルの前で降ろしてくれた。ほっとする間もなく、オーロラツアーの出発時間が迫っているのでチェックインして部屋へ急いだ。スーツケースを広げて防寒下着を引っ張り出して身につける。
私が参加するのは、日本の旅行代理店が運営しているバスツアー。バスの名前は「モイモイ号」だ。「モイモイ」とは、「じゃあね」「またね」といった意味で、土産物屋や飲食店でもこの言葉をよく耳にした。
歩いて3~4分の待ち合わせのホテルに移動し、どっしりと重量のありそうなソファに身を沈めて一息つく。そこは赤や緑や金色に飾られたホテルのロビーで、きっとこれまでもこの先300年でも永遠のクリスマスのような内装の待合スペースとなっている。
オーロラが見られる確率は、どれくらい?
ロビーには明らかに防寒対策を施した人たちが集まっていた。そのうちに係の日本人女性2人が案内を始める。日本の旅行会社のツアーだけあって、一緒に行く人はカップルと女性2人組で、みんな日本人。オーロラツアーは3日間、4日間と複数日参加するのが通常のため、昨日も参加したと話す「顔見知り」の人たちだった。
昨日は見えなかったのか……。ロヴァニエミでは365日中200日程度オーロラが発生すると言われる。単純計算だと確率は54%ほど。つまり「2日のうち1日」ではあるが、天候が悪い場合もあり、平均すると3日滞在すると1日は見ることができるくらいの確率だという。ただ、あくまで確率であり、中には7日間オーロラチャレンジをしても1回も見られない人もいるという。
今日は見えますように。そんなことを思いながら、「モイモイ号」で「オーロラが見える場所」へと出発した。
※(C)Visit Finland / Markku Inkila(トップのオーロラの写真)
(次回へ続く)