福士蒼汰さん「30代は人生の真ん中。地に足をつけ過ぎずにいたい」
30代はラクになる?
――本ドラマでもアラサーの男女7人がそれぞれ演じるように、30代は、仕事や結婚、出産など、人生の分岐点に立つ人も多いと思います。福士さんは昨年5月に30歳を迎えられましたが、10代や20代のころと比較して、仕事との向き合い方や、人生観に変化はありますか?
福士蒼汰さん(以下、福士): 年齢の数字が一個上がったというだけで、僕自身は特に何も変わっていないんです(笑)。これまで、「30歳」を特別意識したこともないですし、何か理想を描いていたわけでもない。とにかく「いまできることをちゃんとやろう」ということだけを考えてきました。今、どう生きるかによって将来も変わってくると思いますし。
――今回共演された方々も、同世代が多いですよね。“30代”について話すことなどありますか?
福士: 共演者の中では岡崎(紗絵)さんだけは20代なのですが、みんなアラサーということもあって、そういう話になることは多いかもしれません。例えば、「今、緊張することが多いんです」と相談する岡崎さんに、佐々木(希)さんが「30歳を過ぎるとどんどん楽になるよ」とアドバイスをしていらっしゃって。僕は30歳になって「何も変わらない」と感じているけれど、変化を感じる方もやはりいらっしゃるんだなと。
――そんな女性たちの声を聞いて、 どんなことを考えられましたか?
福士: 僕は姉がいることもあって、なんとなく女性の方が20代後半から悩むことが増えるんだろうなとは感じていました。だけど佐々木さんの話を聞いて、今つらい人も、「30代は楽になる」と希望を持てたらいいなと思いました。
30代は、人生においても社会的立場においても、ちょうど“真ん中”なんだろうなと思っていて。例えば会社でも後輩ができて、教える立場になっている人が多いと思います。そうすると、20代のときのように、「とにかく自分が上に向かっていけばいい」ということだけではダメで、上も下も、周りのことを考える必要がある。ある意味、踏ん張りどころなのかもしれませんね。
落ち着きより自分に刺激を
――これからの30代をどんなふうに過ごしたいと考えていますか?
福士: 考えないといけないことや責任が増えてくると、どうしても腰が重くなるというか、落ち着いてしまうところがあると思うんです。そうすると、停滞してしまう気がして。だから、僕は、いかに意図的に刺激を与えて、“地に足をつけ過ぎずに”生きていくかを考えるようにしています。
例えば、僕は勉強するのが好きなので、英語や、中国語、韓国語など語学を学ぶことが新たな刺激になっていると感じます。あとは常に夢を掲げておきたいです。アンコントローラブルな場所に行こうとする気持ちは、今後も大事にしたいと思っています。
――最後に、今、人生のひとつの節目に立ち、悩みを抱える30代の男女へ向けて、福士さんから励ましとなるようなメッセージをお願いします。
福士: 自分の経験を通して考えると、20代はある程度自分というものが形成されてくる時期だと思うんです。自分に対する理解度も上がってくるのかなと。30代は、それを持って「こういう生き方をしよう」と見極めていく時期だと言えるのではないでしょうか。今まで積み重ねてきたものがあるからこそ、最良の選択をしていけるといいですよね。落ち着くのもいいけれど、ときには自分に刺激を与えることも忘れずに。そうすればきっと素敵な40代が待っていると思うので、お互いに今を楽しみましょう!
ヘアメイク 甲斐学美(wani)
●福士蒼汰(ふくし・そうた)さんのプロフィール
1993年5月30日生まれ。東京都出身。2011年俳優デビューして以来、数々の映画やドラマで活躍中。昨年はHuluオリジナルドラマ「THE HEAD」Season2で念願の海外作品デビューも果たした。今年はWOWOW『アクターズ・ショート・フィルム4』にて初の監督作品が配信・放送されることが決まっている。5月にはW主演映画『湖の女たち』の公開が控えている。