中条あやみさん流 人生を前向きに、自分らしく生きるため、できること
失敗を恐れず、まずはチャレンジ
――20代後半から30代の女性は、恋愛、結婚、出産といったライフステージの変化に直面し、キャリアについても考えることの多い時期だと感じます。若くしてデビューされ、俳優としてキャリアを重ねて来た中条さんは、人生の岐路に立つとき、どんなことを大切に判断されますか?
中条あやみさん(以下、中条): 大切なことを決めるとき、「こうならなったらどうしよう」と、失敗が先に浮かんでしまうことって多いと思うんです。私も心当たりがありますし、よくわかるのですが、そうすると不安ばかりどんどん大きくなってしまうんですよね。そんなときは、中条家のモットー「死ぬこと以外はかすり傷」というマインドを思い出すようしています。
たとえ何か失敗したとしても、「みんなすぐに忘れてしまうから大丈夫。人は、他人のことを気にしているようで気にしていない」。そう言い聞かせるんです。失敗したことをクヨクヨ悩むより、それをどうリカバリーするかのほうがずっと大事。もちろん、私も怖いと思うことはあるのですが、先のことを恐れすぎず、まずはチャレンジしてみるほうが自分のためにもなるんじゃないかな。
日記は自分を知るためのツール
――セルフラブや自己肯定感といった言葉が広まる今、なかなか自分に自信を持てずに悩む女性も多いと感じます。多様なルーツを持つ中条さんだからこそ、自分らしく生きること、自分を肯定することについて考えたこと、感じることがあればぜひお聞かせください。
中条: 自己肯定感を失いそうになったとき、私は友人や家族の存在がすごく助けになります。どんな自分も認めてくれ、同じ価値観や目標を持っている人のいる場所は、心から安心できる。そういう場所があるからこそ、自分らしくもいられるし、チャレンジもできると思っています。考えてみると、私は海外に親戚がいたり、生まれ育った大阪にはいまも実家があったりして、逃げ場所がいっぱいある(笑)。改めて恵まれているなと感じます。
――中条さんは、日記をつけることを習慣にしていると聞きました。それもまた、自分らしくいることにつながっているでしょうか?
中条: 私はとにかく忘れっぽいので、日々のことをできるだけ書いて残しておくようにしているんです。楽しかったことや嬉しかったことはもちろんだけど、最近案外大事だなと感じるのは、自分が嫌だと感じたこともちゃんと記録しておくということ。後から日記を読み返して、「あの頃はこんなことを考えていたんだな」と、自分の変化や成長を感じられるし、逆に、1年前と今と、自分の中に変わっていない部分があることに気がついたりします。日記は、今の自分の状態を知ることができる大切なツールなんです。
――最後に、今、仕事や結婚など人生の選択を前に悩んでいる、あるいは人生の大きな変化や、年齢を重ねることになかなか前向きになれない「telling,」読者へ向けて、勇気づけていただけるようなメッセージをお願いいたします!
中条: 「人生一度きり」と言ってしまうとありきたりかもしれませんが、自分という人間を生きられるのは、本当に1回きり。だから、できることはなんでもやっておいたほうがいいと、私は思っています。もちろん、つらいことや大変なこともあるかもしれないけれど、いろんな経験は、人生を豊かにしてくれるはず。毎日の中にも、発見や驚きや出会いや感動がありますし、それこそ映画を観ることも一つの経験ですよね。どんな小さなことでも、一つひとつ大切に味わうことが、きっと豊かで幸せな人生へとつながっていくのではないでしょうか。
中条あやみ(なかじょう・あやみ)さんのプロフィール
1997年、大阪府でイギリス人の父と日本人の母との間に生まれる。14歳で芸能界に入り、2011年『Seventeen』専属モデルとしてデビュー。2017年から雑誌『CanCam』の専属モデルとして活動。2012年、連続ドラマで俳優としてのキャリアをスタートし、2017年公開の『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。俳優・モデルとして活躍するだけでなく、バラエティ、CMにも多数出演。
2024年1月12日(金)全国ロードショー
監督:飯塚健
原作:東野圭吾
脚本:加藤良太 飯塚健
出演:重岡大毅 間宮祥太朗 中条あやみ 岡山天音 西野七瀬 堀田真由 戸塚純貴 森川葵
©2024映画『ある閉ざされた雪の山荘で』製作委員会 ©東野圭吾/講談社