およね
家老芳美撮影
およねの美味しいさじ加減 #5

年をとるのもわるくない。〝ご自愛上手″になって、PMSも肌も心も、今がいちばん調子いい!

35歳のとき、夫の無職をきっかけに「自分軸で生きる」と決め、料理動画の投稿を始めたおよねさん。インスタグラムに投稿した「肉巻きおにぎり」の動画が再生回数2500万越え、レシピ本「禁断の爆速ごはん」を出せば即重版と、現在は「爆速レシピクリエイター」として活躍しています。この連載では、紆余曲折あったおよねさんだからこそ見つけられた、人生が美味しくなるヒントをお届けします。今回は、“アラフォー”なりの体や心との向き合い方について。
みんなの地味な困り事にアイデアを。人生を変えた「料理」との出会い 【レシピ】まぜるだけ!和風冷凍うどんグラタン

昨年9月で37歳になりました。年齢を重ねるにつれ、体や肌、心まであちこちガタが来ていますが、その分、若い頃より自分を労わるようになって、むしろ10年前より調子がよくなった部分も! 今日はそんなアラフォーの体や心のメンテナンスについてお話しします。

ピルが効かないPMSで夫との仲も最悪に

私、生理前になると落ち込みやイライラがひどくなるんです。いわゆる「PMS(月経前症候群)」と呼ばれるもの。PMSの一番の被害者は夫。生理前になると、夫の存在そのものにイラつきだします。以前、仕事の忙しさがピークのとき、彼が気を使って洗濯物を取り込んでくれていたんです。でもそれを見て私は「なんで畳んでくれないんだ!」ってキーッ!ってなっちゃって。普段から洗濯物を畳む係は私だったのに。やってくれたことじゃなく、やってないことに目がいっちゃうんですよね。

振り返ってみれば昔からこの症状はあって、長女の出産後、生理が再開したときに自覚するようになりました。でもその時は二人目が欲しかったので対策できず。長男を出産してわりとすぐに婦人科へ低用量ピルをもらいにいきました。ところが、薬との相性が悪かったのでしょうか。生理不順だったのがきれいに28日周期になったのはよかったのですが、メンタルの症状は改善せず……。相変わらず当たり散らす私に、夫が「全然、ピル効いてないじゃん!」と言い、その時は「あんたがピルの効果超えてイラつかせてるんだよ!」なんて言い返しましたが、冷静になってみると「本当に効いてないな」と(笑)。結局、コロナ禍に入って病院に行きづらくなったのもあって、服用を止めてしまいました。

それからはだましだましやってきたのですが、今年に入って今度こそなんとかしなきゃ!と、私がやってるVoicy「およねの人生を味わうラジオ」で、視聴者の皆さんにPMSの相談をしてみたんです。すると、ありがたいことにみなさんコメントやDMでたくさん情報をくださって。勧められたことを片っ端から試して、私が効果を感じたものをご紹介します!

これは効いた! 私の生理・PMSケア

一つ目は、生理用ナプキンをやめて、吸水ショーツと布ナプキンに代えたこと。これ自体がPMSに効果的かどうかはわからないのですが、生理の時のベタベタ、ドロッっていうあの不快感が想像以上に軽減されました。通常は吸水ショーツオンリーで、多い日や外出予定がある時だけ布ナプキンを追加しています。手入れも予洗いするだけなので手間もなく、クオリティオブライフがぐっとあがりました。あまりにも気に入ったので、今度友達にプレゼントする機会があるなら吸水ショーツを贈りたいと思えるほどです。

二つ目は、サプリメント。複数のリスナーの方から精神科医・藤川徳美先生による「うつ消しごはん」(方丈社)をおすすめされて、さっそく読んでみたんです。これによると、女性の不調のほとんどは鉄不足が原因だそう。先生にならって鉄剤と、ビタミンC、E、Dのサプリメントを毎日のんでいたら、生理周期が整って、生理前のイライラもかなり改善したんです! 肌の調子もよくなって、疲労感も軽減。よくなっているという実感があるから、私には珍しく毎日続けられています。

三つ目は、漢方薬。ピルは合わなかったけれど、漢方薬ならいいのかもと思って、前回とは違う婦人科を受診してみたんです。そこで漢方薬を処方してもらいました。漢方といえば、毎日飲み続けることで徐々に体質を改善していくイメージだったのですが、イライラしたと思ったら頓服のようにのめるものもあって、先生いわく「おまもり代わりに持ってなさい」と。これまで2回のみましたが、本当にピタッとイライラが治まって、いざとなったらこれをのめばいいと思うと、気が楽になりました。

性格や体質によっても合う・合わないがあると思うので、ご参考程度に!

年末年始は2月に出版予定の2冊目のレシピ本の作業が大詰めに(本人提供)

10年前より美肌になったワケ

加齢といえば、気になるのはやっぱり見た目の変化。もともと洋ナシ体型で太りやすい体質の私。仕事で人前に出るようにもなったので、「Re-bone」というボディメイクのオンラインスクールに入会しました。がっつり運動して痩せようというより、日常の呼吸や姿勢改善で体を整えようというスタイルが私に合っていて、ゆるゆる続けています。今までは左肩が凝っていたんですが、体の歪みが直ってきたのか、だいぶ軽減されました。

そして、見た目年齢を大きく左右するのが肌! じつは私、10年前より今の方が肌の調子がいいんです。最大の要因は、お酒の量が減ったから。20代の頃は激務のストレスを全部飲むことで発散していたんですよね。週末になると朝までのんで、そのままヘロヘロで出勤するなんてこともあったっけ……(笑)。そんな生活で肌の調子がいいわけないですよね。それが、妊娠を機にお酒をやめ、すると産後もそんなに飲みたいと思うことがなくなり、お付き合い程度に。あわせて、外食でなく自炊中心の生活になったら、肌荒れしなくなりました。PMSもそうですが、やはり食生活って大切ですね。

ポジティブおばあちゃんを目指して

最後にお話しするのは心のメンテナンスについて。

高齢者向けに福祉サービスを提供する会社に勤めていた私は、仕事でたくさんのお年寄りと出会いました。同じ老人ホームにいても「私が使い物にならなくなったからってこんなところに閉じ込められた!」と怒ってばかりのおばあちゃんもいれば、「息子がこんないいところを探してきてくれた。ここではお洗濯も料理もしなくていいの。最高よ!」とニコニコ顔のおばあちゃんもいました。

この違いはなんだろう、できれば私は将来、ポジティブおばあちゃんの方になりたいと考えてきたんです。

ところが、30代でキャリアに悩むようになってからは、嫉みや妬み、「なんで私ばっかり」と、不満ばかりのネガティブおばあちゃん街道まっしぐらに……。その後、今の仕事と出会い、やっと「これが私の納得のいく人生だ」と思えるようになりました。

思うにそれは、人生の真ん中に自分を置くことができるようになったから。これまでは、家族や社会的地位を中心にして、自分を置き去りにしてきました。それが、夫の無職という転機によって、自分軸で生きようとマインドが変わり、自ら人生を楽しむ姿勢をもてたのだと思います。

自分をもてなす人生を思い描くとき、いつも思い出すのが老人ホームで出会ったあるおじいちゃんの姿。そのおじいちゃんのお部屋には手作りのフェルトマスコットがいっぱい。「暇だから裁縫を始めてみたらハマってね。近くの幼稚園に持っていくと子どもたちがみんな喜んでくれて、私の生きがいなんだ」と話してくれました。私もあんな風に年を重ねたい。

心も体も老化対策のポイントは「ご自愛」な気がします。これからも自分を慈しみ労わりながら、最強ポジティブおばあちゃんを目指します。みなさんも、ぜひ自分を人生の真ん中に置いてあげてください。

次回のお話は、大人になってからの友達付き合いについて。こちらもどうぞお楽しみに!

今回紹介するレシピは「和風冷凍グラタン」。冷凍うどんを切って、具材と混ぜてチンするだけでできるグラタン。PMSで無気力のときにもこれならぎりぎり作れます!

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和風冷凍うどんグラタン
和風冷凍うどんグラタン(主婦の友社提供)

みんなの地味な困り事にアイデアを。人生を変えた「料理」との出会い 【レシピ】まぜるだけ!和風冷凍うどんグラタン

『禁断の爆速ごはん ここまでやっちゃう100レシピ』

著者:およね
出版社:主婦の友社
定価:1,595円(税込)

2児を育てるワ―ママ。「巻かない棒餃子」「フライパンで完結するとんてき」など、ささっとラクに作れてちゃんとおいしいレシピを発信。2021年から始めたInstagramやTikTokで一気に注目が集まり、現在SNSの総フォロワー数は約30万人。Voicyにて「およねの人生を味わうラジオ」を毎朝7時に放送中。著書に「禁断の爆速ごはん ここまでやっちゃう100レシピ」(主婦の友社)。
エッセイスト/ライター。エッセイ集『夢みるかかとにご飯つぶ』(幻冬舎)2024年7月発売。出版社で雑誌・まんが・絵本の編集に携わったのち、39歳で一念発起。小説家を目指してフリーランスに。Web媒体「好書好日」にて「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」を連載。特技は「これ、あなただけに言うね」という話を聞くこと。note「小説家になりたい人(自笑)日記」更新中。